1 ④ 通説では,憲法改正には限界があり,その基本原理である国民主権,基本的人権の 尊重及び平和主義の諸原理を否定するような改正は,憲法を廃止するに等しいものであ るから,憲法の改正規定を根拠としては行い得ないと解されている。 2 ③ 「個人の生命,身体及び財産の保護」における「個人」には,財産権の主体として の法人も含まれる。 3 ① 財産犯の一類型として分類される領得罪とは,毀棄・隠匿罪と異なり,他人に帰属 する財物を自己又は第三者に帰属させようとする意図(不法領得の意思)で行われる犯 罪をいう。収賄罪は,国家的法益に対する犯罪であり,そもそも財産犯ではないから領得 罪に該当しない。 4 ⑤ 判例は,犯罪事実を申告するとともに犯人の処罰を求める意思表示があるときは, たとえ形式的に「告訴はしません。」と供述している場合であっても,親告罪の告訴とし て有効であるとしている(最判昭 22.11.24)。 5 ② 年次休暇は,原則として職員が請求する時季に与えなければならないが,職員が請 求した時季に年次休暇を与えることが公務に支障を及ぼす場合には,休暇承認権者は他 の時季にこれを与えることができる(休暇承認権者の時季変更権)。 6 ③ 送致又は送付に当たり,その少年の被疑者について,罰金以下の刑に当たる犯罪と 禁錮以上の刑に当たる犯罪とがあるときは,これらをともに一括して,検察官に送致又 は送付する (犯罪捜査規範 210 条 2 項)。 7 ④ 警察官は,被疑者,被害者その他事件の関係者と親族その他特別の関係にあるため, その捜査について疑念をいだかれるおそれのあるときは,上司の許可を得て,その捜査 を回避しなければならない(犯罪捜査規範 14 条)。 8 ⑤ 交通規制の効力発生の要件は,㋑公安委員会等の意思決定があること,㋺道路標識 等を設置して行うこと,㋩道路標識等は適法かつ客観的に認知できるものであることの 3 つが必要である。 9 ② 機関員の我が国への入国形態は,大使館員,通商代表部員,領事館員等の政府機関 員,報道関係者,代表団,留学・研修生等の身分で合法的に入国するケースのほかに,国 籍,身分等を偽装するなど,存在そのものを秘匿する形で非合法的に入国するケースは もちろんのこと,北朝鮮にみられるように,工作船により海岸から密入国するケースも ある。すなわち,機関員の我が国への入国形態は,合法的に入国するケースに限られてい るわけではない。 10 ① 神無月(かんなづき)は,現行歴の 10 月に当たる。9 月は,旧暦の長月(ながつ き)に当たる。
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