警察公論2015年3月号「懸賞SA問題」問題と解答

警察公論2015年3月号「懸賞SA問題」問題と解答
【問題】
1
次は,内閣の権限を列挙したものであるが,誤りはどれか。
①
法律を誠実に執行し,国務を総理すること。
②
外交関係を処理すること。
③
条約の締結を承認すること。
④
予算を作成して国会に提出すること。
⑤
日本国憲法及び法律の規定を実施するために,政令を制定すること。
2
次は,警職法5条(犯罪の予防及び制止)に関する記述であるが,誤りはどれか。
①
警察官は,犯罪がまさに行われようとするのを認めたときは,その予防のため関係者
に必要な警告を発することができる。
②
「犯罪がまさに行われようとする」とは,刑罰法規に該当する違法行為が行われる可
能性が高いことが客観的に明らかになったことを意味する。
③
「犯罪」とは,刑罰法規に該当する違法行為を意味し,刑事未成年者の行為など,刑
法上の責任要件を欠いている場合でも,警告の対象となる。
④
犯罪の実行の着手があった後には,それが更に継続又は反復して行われようとする場
合であっても,本条に基づいて警告を発することはできない。
⑤
警告は,任意活動としての「指導」の一種であるから,相手方に対して従うべき法的
義務を課すものではない。
3
次は,教唆犯に関する記述であるが,誤りはどれか。
①
教唆犯とは,他人をそそのかして犯罪実行の決意を生じさせ,その決意に基づいて犯
罪を実行させることであり,正犯と同じ刑が科される。
②
教唆は,犯罪の実行を決意していない者に対して決意させることであるから,既に決
意した者の決意を一層強める行為は,従犯になる。
③
いくら教唆しても,被教唆者が決意をせず,また決意しても実行をしないときは,原
則として教唆犯は成立しない。
④
教唆行為の方法には制限がなく,命令,嘱託,指示,誘導その他いずれでもよいし,
明示的でも黙示的でもよい。
⑤
犯罪の実行を教唆したところ,被教唆者自ら実行せずに第三者に教唆して実行させた
場合には,第一の教唆者が責任を負うことはない。
4
次は,通常逮捕に関する記述であるが,誤りはどれか。
①
警察官は,被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは,裁判官
のあらかじめ発する逮捕状により,これを逮捕することができる。
②
「相当な理由」は,緊急逮捕の要件である「充分な理由」や勾留の要件である「相当
な理由」よりも,嫌疑を抱かせる程度が強くなければならない。
③
裁判官は,逮捕の理由があれば,明らかに逮捕の必要がない場合を除き,逮捕状を発
付しなければならない。
④
逮捕の必要性の有無は,被疑者の年齢,境遇その他諸般の事情を総合的に考慮し,逃
亡のおそれ,罪証隠滅のおそれの有無等によって判断される。
⑤
一定の軽微な犯罪について通常逮捕するには,被疑者が住居不定か正当な理由がない
のに出頭要求に応じない場合に限られる。
5
次は,警察点検規範に関する記述であるが,誤りはどれか。
①
点検は,通常点検と特別点検の2つに分けられている。
②
点検は,警察官の職務遂行に必要な諸般の状況を検査し,その不備の点を訓練整備し
て,厳正な紀律を養うことを目的としている。
③
通常点検は,人員,姿勢,態度,服装及び日常の携帯品の検査を行うものとする。
④
通常点検は,駐在所,遠隔地にある交番等に勤務する警察官に対しては,訓授のため
に召集したつど行うものとする。
⑤
特別点検は,礼式,教練,逮捕術及びけん銃操法の習熟の状況の検査を行うものとす
る。
6
次は,古物営業法に関する記述であるが,誤りはどれか。
①
「古物」とは,一度使用された物品若しくは使用されない物品で使用のために取引さ
れたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。
②
古物商又は古物市場主として営業を営もうとする者は,営業所又は古物市場が所在
する都道府県ごとに公安委員会の許可を受けなければならない。
③
複数の営業所又は古物市場を有する場合で他府県にまたがるときには,該当する 2 以
上の公安委員会に対して申請しなければならない。
④
古物営業には,古物の売却だけを行うもの,自己が売却した物品を当該売却の相手
方から買い受けることのみを行うものも含まれる。
⑤
古物営業の許可の申請をした者が,適正に当該営業を営むことができないおそれがあ
る場合には,公安委員会は,許可をしてはならない。
7
次は,通常時の無線通話の実施要領に関する記述であるが,誤りはどれか。
①
プレストークボタンを完全に押したのち,ひと呼吸おいてから通話を始め,頭切れの
ないように注意する。
②
音が歪んで分かりにくくならないよう,マイクロホンを口から5~ 10 センチメート
ル程度離し,普通の声で話す。
③
通話内容が 30 秒以上にわたっても,区切りの良いところまで通話を続け,途中で中
止すべきではない。
④
相手を呼び出しても応答の得られないときは,いったん呼出しを打ち切り,改めて呼
出しを行う。
⑤
無線通話が不良のときは,見通しのよいところへ移動するなどの対策をとる。
8
次は,誘拐又はその疑いのある事件を認知した場合の初動措置に関する記述であるが,
誤りはどれか。
①
誘拐又はその疑いのある事案として届出を受理した場合は,必ず捜査担当課長又はこ
れに準じる幹部に報告する。
②
行方不明事案として届出を受理した場合には,直属の上司に報告すれば足り,捜査担
当課長又はこれに準じる幹部に報告する必要はない。
③
交番,駐在所等に口頭等直接,届出があった場合,通行人等から見えない場所で事情
聴取するように配意する。
④
たとえ行方不明事案として届け出られた場合であっても,誘拐のおそれがないかとい
う,最悪の事態を考慮して事情聴取に当たる。
⑤
届出時刻を確認し,記録しておく。
9
次は,運転免許の行政処分に関し,基礎点数が付されている違反形態を列挙したもの
であるが,誤りはどれか。
①
免許証不携帯
②
無車検運行
③
追越し違反
④
警音器吹鳴義務違反
⑤
最低速度違反
10
次は,国名と首都の組合せであるが,誤りはどれか(国名は通称名とする。)。
①
イギリス――ロンドン
②
ギリシャ――ア テ ネ
③
中
④
シ リ ア――ダマスカス
⑤
ブラジル――リオデジャネイロ
国――北
京
【解答】
1
正解=③
憲法 73 条 3 号では,「条約を締結すること。但し,事前に,時宜によつて
は事後に,国会の承認を経ることを必要とする。」と規定している。したがって,条約
の締結は内閣の権限に属するが,条約の締結を承認することは国会の権限である(憲法
61 条参照)。
2
正解=④
犯罪の実行の着手があった後でも,それが更に継続又は反復して行われよ
うとする場合には,当該継続等される犯罪が「まさに行われようとする」ことになるこ
とから,本条に基づいて警告を発することができる。
3
正解=⑤
犯罪の実行を教唆したところ,被教唆者自ら実行せずに第三者に教唆して
実行させた場合には,因果関係の中断はなく,第一の教唆者は責任を免れない(最判昭 28.
6.12)。
4
正解=②
「相当な理由」は,緊急逮捕の要件である「充分な理由」や勾留の要件で
ある「相当な理由」に比べて,嫌疑を抱かせる程度がいくらか弱いものであっても差し
支えない。
5
正解=①
点検は,通常点検,特別点検及び物品点検の3つに分けられている(警察
点検規範 2 条)。物品点検は,支給品及び貸与品の使用保存の適否を検査するものであ
る。
6
正解=④
古物を売却することだけを行うもの,自己が売却した物品を当該売却の
相手方から買い受けることのみを行うものは,盗品等の流通防止の観点から規制を加え
る実質的必要性が乏しいことから,古物営業から除外されている(古物営業法2条2項 1
号)。
7
正解=③
通話内容が 30 秒以上にわたるときは,至急通話の割込等を容易にするた
め,約 30 秒ごとに2~3秒間送信を中止する。
8
正解=②
誘拐又はその疑いのある事案として届出を受理した場合はもちろんのこ
と,行方不明事案として届出を受理した場合であっても,必ず「捜査担当課長又はこれ
に準じる幹部」に報告し,組織的な捜査活動が行われるようにすることが重要である。
これらの事案は,誘拐事件か否かの判断が難しく,これを誤ると,初動捜査の時機を失
して,事後の捜査活動に重大な支障を及ぼしかねないからである。
9
正解=①
違反行為に付する基礎点数は,その違反から推認される行為者の将来の危
険性の度合いに応じて定められている。道交法施行令別表第2の1の表においては,枝
文②~⑤は基礎点数が付されているが,①の免許証不携帯は基礎点数が付されていない。
10
正解=⑤
ブラジルの首都は,ブラジリアである。リオデジャネイロは,ブラジル南
東部の都市で,2016 年のオリンピック開催が予定されている。