3月の山岳遭難発生状況(H14年∼H27年)

3月の山岳遭難発生状況(H14年∼H27年)
平成14年から平成27年までの3月中には、31件67人の山岳遭難が発生しています!
(遭難者の内訳 ∼ 死亡10人、行方不明1人、負傷17人、無事39人)
○
・
・
・
3月は雪崩に注意!(年間で最も雪崩の多い月です。)
吹雪の日や風下側の斜面は特に危険!(弱層テストで危険度をチェック)
沢地形の斜面移動は、雪崩や滑落のリスクが高いのでコース選定は慎重に!
雪山に入る場合は、雪崩対策装備(ビーコン、ショベル、プローブ)が必携!
・
・
・
道迷いの防止!
天候が急変する冬山では、早めの行動判断が大事です。
下山時、道に迷ったら現在地を確認して確実な地点まで戻りましょう。
地図、コンパス、ハンディGPSでナビゲーションする技術を身に付けましょう。
○
※
※
万一に備え、通信手段の確保は重要です。
スマートフォンや携帯電話のバッテリーは寒冷に弱いため、冷やさないように体温で暖めたり、
予備バッテリーを持つようにしましょう。
(山中では携帯電話の不感地帯が多いため、アマチュア無線機を持つことも有効です。)
冬山遭難では、雪洞でビバークして助かる例が多くあります。
いざとなったら何時でも何処でも雪洞を作れる技術を身に付けましょう。
山岳名など
黒岳(1,984m)
(上川郡上川町)
発生年月日 構成人数
平成21年
3
3月17日(火)
平成21年
6
3月17日(火)
富良野岳(1,912m) 平成22年
15
(富良野市、上富良野町) 3月22日(月)
平成25年
2
3月28日(木)
遭難者
原 因
無事3 道迷い
無事6 道迷い
負傷1
その他
(立木衝突)
死亡1 雪崩
上ホロカメットク山
平成24年
2
(1,920m)
3月27日(火)
(富良野市、上富良野町
、南富良野町)
平成25年
2
3月13日(木)
死亡1 道迷い
負傷1
ニセコアンヌプリ
平成27年
5
(1,308m)
3月12日(木)
(倶知安町、ニセコ町)
無事1 滑落
負傷1 雪崩
無事1
平成27年
1
3月15日(日)
無事1 道迷い
空沼岳(1,251m)
平成14年
1
(札幌市南区、恵庭市) 3月4日(月)
無事1 道迷い
恵庭岳(1,320m)
負傷1 雪崩
平成17年
1
備
考
40代男性とイギリス人2人(30代男性、20
代女性)がスキーで滑降中、濃霧による視
界不良でコースを見失い山中でビバーク
20代から40代の外国人6人がスキー、スノ
ーボードで滑走中、濃霧による視界不良で
コースを見失い山中でビバーク
40代男性が吹雪の中、ジャイアント尾根を
スキーで滑走中、仲間のスキーヤーと衝突
し、その弾みで立木に衝突して右足を骨折
アメリカ人の40代男性が北東斜面をスキー
で滑走中、雪崩(幅10∼40メートル、長さ
約250メートル)に巻き込まれて腹腔内出血
で死亡
60代男性と20代女性が登山中、吹雪による
視界不良でルートを見失い山中でビバーク、
男性は凍死、女性は手足の凍傷
20代男性2人が北西稜の第一岩塔付近を登
はん中、幅約10メートル、長さ約100メート
ルの雪崩が発生し、2人が雪崩に巻き込ま
れ、うち1人が左足首等を骨折
中国人の50代男性が、友人とニセコグラン
ヒラフスキー場に訪れ、スーパーコースを
スノーボーで滑走中、積雪に足をとられて
スキー場コースを逸脱して「春の滝」斜面
に滑落する。
50代男性が五色温泉から山スキーを履いて
ニセコアンヌプリに入山したが、山頂から
下山中に天候が急変し、吹雪による視界不
良のため下山方向を見失い道に迷う
30代男性が山頂から下山途中、吹雪で道に
迷い真簾沼付近でビバーク、翌日の日没後、
自力下山
50代男性が北東尾根ルート5合目付近の沢
(千歳市)
3月20日(日)
芦別岳(1,727m)
平成17年
2
(富良野市、芦別市、 3月20日(日)
南富良野町)
死亡1 雪崩
負傷1
横津岳(1,167m)
(七飯町)
平成17年
2
3月20日(日)
無事2 道迷い
三段山(1,748m)
(上富良野町)
平成18年
1
3月6日(月)
死亡1 雪崩
早月山(630m)
(洞爺湖町)
平成18年
4
3月27日(月)
負傷1
知床岳(1,254m)
(斜里町)
平成19年
2
3月9日(金)
負傷1 転倒
無事1
暑寒別岳(1,492m)
(増毛町、北竜町、
雨竜町、新十津川町)
積丹岳(1,255m)
(積丹町)
平成19年
1
3月13日(火)
負傷1 悪天候
平成19年
22
3月18日(日)
死亡4 雪崩
負傷1
無事17
漁岳(1,318m)
(札幌市南区、恵庭市
千歳市)
羊蹄山(1,898m)
(倶知安町、ニセコ町
京極町、真狩村)
ウィーヌプリ(651m)
(斜里町、羅臼町)
平成19年
1
3月28日(水)
無事1 道迷い
平成21年
4
3月2日(月)
負傷1 雪崩
平成21年
4
3月17日(火)
負傷1 転倒
迷沢山(1,006m)
(札幌市南区)
平成23年
1
3月20日(日)
負傷1 転倒
前天塩岳(1,540m)
(士別市、滝上町)
平成23年
2
3月21日(月)
負傷1 滑落
その他
(立木衝突)
どんころ山(1,008m) 平成23年
4
(南富良野町)
3月22日(火)
負傷1
旭岳(2,291m)
(上川郡東川町)
平成24年
2
3月17日(土)
死亡1 道迷い
負傷1
海別岳(1,419m)
(斜里町、羅臼町、
標津町)
平成25年
1
3月16日(土)
無事1 道迷い
野塚岳(1,353m)
(浦河町、広尾町)
平成25年
4
3月31日(火)
行方不明1
不明
石狩市浜益区送毛
(氷壁)
平成26年
2
3月12日(水)
負傷1
その他
その他
(立木衝突)
(落石)
状地形をスノーシューで登山中、上部で発
生した雪崩に巻き込まれ300∼400メートル
流され右半身が埋没し右上腕を骨折
30代の男女が屏風岩下付近からスノーボー
ドで滑走を開始、男性が熊ノ沼沢を滑り始
めた直後に雪崩が発生、約1.2キロメートル
流されて埋没し死亡(女性は凍傷)
60代の男女が横津岳スキー場から入山した
が吹雪と濃霧で方向を見失い山中でビバー
ク、翌朝2人が自力下山中に救助隊が発見
30代男性が白銀荘からスキーで入山したが、
標高1200メートル付近の沢で雪崩に巻き込
まれ死亡(同日午前の天候は風速20メート
ル以上の吹雪)
60代女性が6合目付近をスノーシューで下
山中、足を滑らせて数メートル滑走して立
木に衝突し、肋骨を骨折
50代の男女がペキン川河口付近の岩場を歩
行中、バランスを崩して転倒し、右足首を
捻挫
20代男性が8合目付近を下山中、吹雪によ
る視界不良で行動不能となり山中でビバー
ク、天候が回復せず救助要請
20∼60代の男性22人が積丹岳9合目付近の
南側斜面をスノーモービルで走行遊戯中、
長さ約400メートル、幅約100メートルの雪
崩に巻き込まれて4人が埋没し死亡、1人
が肋骨を骨折
40代男性が山頂から下山中、吹雪による視
界不良で道に迷い山中でビバーク、翌朝、
家族を経由して救助要請
40代男性が京極コースの標高1250メートル
付近をスノーボードで滑走中、雪崩に巻き
込まれて下半身が埋没し、右大腿骨を骨折
60代男性がスキーで急斜面を滑走中、木の
根に足を取られて転倒し、そのまま約150メ
ートル滑落して右足脛骨等を骨折
60代男性が「平和の滝」から山スキーで入
山、スキーで滑走中に左膝を捻挫し、自力
歩行不能となる
60代男性が山スキーを履いて稜線上を登山
中、足元の雪庇が崩れて約200メートル滑落
し、右肩を脱臼
30代男性が山頂からスノーボードで滑走を
開始して間もなく立木に衝突し、左側頭部
を骨折
外国人の10代女性と20代男性が下山途中に
吹雪で方向を見失い天女ケ原で山中ビバー
ク、女性は凍死、男性は自力下山(凍傷)
70代男性が下山中、森林限界(標高700メー
トル付近)で天候が悪化したため山中でビ
バーク、翌日、下山途中にスノーモービル
の跡をたどって進み道に迷う
60代男性が北尾根斜面をスノーシューを履
いて登山中、山頂付近で行方不明となる
20代女性が尻苗トンネル付近の氷壁でアイ
スクライミング中、突然落下して転倒して
余市岳(1,488m)
平成27年
7
(札幌市南区、赤井川村) 3月1日(日)
無事3 悪天候
室蘭岳(911m)
(室蘭市、登別市)
平成27年
1
3月7日(土)
無事1 道迷い
909m峰(909m)
(余市郡赤井川村)
平成27年
1
3月11日(水)
死亡1 雪崩
手稲山(1024m)
平成27年
2
(札幌市手稲区、西区) 3月17日(火)
負傷1 滑落
きた直径約1メートルの岩が体に当たり、
腰部及び右足などを負傷
40代男性3人がスノーモービル2台に分乗
して余市岳北東斜面に移動し、同所でスキ
ーをしていたが、天候が急変し、吹雪によ
る視界不良でスノーモービルが3人を迎え
に行くことができず、山中でビバーク
50代男性が長靴で西尾根コースを登り、山
頂から南尾根コースを下山中、濃霧による
視界不良と残雪のため登山道を見失い道に
迷う
40代男性が宿泊ホテルの裏にある標高909メ
ートル峰でスキーをするため入山したが、
同山北側林道脇の斜面で雪崩に巻き込まれ
て埋没(窒息死)、後日、捜索中の友人が発見
70代女性が「平和の滝コース」の標高370メ
ートル付近を長靴を履いて下山中、足を滑
らせて滑落し、右足首を負傷