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コラム :3事
銀 いよ金 融教室 ]第 62回 :中 間層 の厚み が大事
日本銀行 松山支店長 真鍋正 臣氏
2016年 01月 13日
律 援新 聞〉
新年明けましておめてとうございます 。2016年 は、中東や EUな どにおける地政学上の混沌、米国の利上 げや新興国経済 の減速 を受けた世 界
的な株価 の軟調等、日の離せない状況 が続 いておりますが、本年第 1回 目のコラムとなります。昨年同様、日本銀行の業務及び諸活動 についてご
理解 、ご協力のほどよろしくお願いします。
「強 いチームは選手層が厚く、交代で登場する選手がレギュ
正月は、恒例の スボーツ大会 (箱 根駅伝 、大学うグビー )を テレビで観戦しましたが、
ことに
い
ラー選手と見劣りしない、またはそれ以上の活躍が実現できる」
強 印象を持ちました。例えば、伝統ある強豪校では、豊富な部 員数に加え
て、選手以外 の 部 員 がマネージャー (試 合や練習の連絡調整、協会 や学校・マスコミ等対外的な対応等 )、 トレーナー (選 手 の健康管理、コンディ
ション作 りのサポー ト)と しての 役割を果 たしています。すなわち、実際 に出 場する選手 の数に加えて、それと同等の数及び質を備えたリザープ選
手、ロジスティクスを担う部員、応援する部員が総力戦で戦つているのです。そこには日頃から、部員間 のレギュラーボジションを獲得するための ハ
イレベルな競争だけでなく、勝利獲得 に向けたチーム全体でのモチベーション維持や、役割分担と相互理解を通した強い結束が必要でしょう。切磋
琢磨とモチベーションの共 有 がチームとしての戦 力、部員としての人間力の 向上に繋がるのです。
このことはスポーツのチーム作りに限らず、企業体、経済活動でも同様です。モチベーションを維持向上させ、関係者それぞれが互いにリスペクト
していけば、全体としての稼ぐ力も底上げされることになるでしょう。
現在の低い経済成長を高めることに関連して、もう少し細かくみますと、C若 年層 や中間層が起業家精神をもつて新しいことにチャレンジする(技
術革新が生じる)、 ②周囲 (利 害関係者を含む)は そうした取組姿勢をリスベクトし、従来の慣行を改善すること等を通じてサポートする(こ の結果、
新しい取組=技 術革新が活発化する)、 C新 しい取組が軌道に乗れば、それに従事する者 (生 産者)が 増加する(こ の結果、生産者は消費も行うの
で、生産者の増加は消費の増加に繋がる)、 という関係が成立する。
そして、上記①から③の過程が循環して増幅することを通して、技術革新と労働力の増強が実現し、経済の基礎体力が向上する(潜 在成長率が
高まる)。 この点、生産年齢人口の減少による国内市場の縮小懸念は根強いのも事実であり、潜在成長率の上昇を実現するには根気が必要であ
ることは言うまでもありません。こうしたことからも、スポーツのチーム作りと経済成長の上昇とは共通していると強く感じる次第です。