愛 ・レター - 愛生会病院

医療・介護・保健の月刊ニュースレター
第 48 号
神経内科専門医 河端 聡
ラブ
愛・レター
医療・介護・保健の月刊ニュースレター
愛生会病院だより
文責:
患者サービス向上広報委員会 委員長 敦賀弘道
48 号
頭痛・めまい・ふらつき・しびれ
2016 年 2 月号
お困りの症状があればご相談を・・・
あたたかな心のふれあい heart-warming
神経内科をもっと身近に
[記事提供]神経内科医長 河端 聡
・日本神経学会神経内科専門医
・日本内科学会認定内科医
・日本神経治療学会
これを読んでくださっている方々の中で神
経内科という診療科をご存知の方はどれく
らいいらっしゃるでしょうか。私は旭川に戻っ
てきて 7 年になりますが、知人や親戚など
から「どんな科なの」、「どんな病気を診てい
るの」と聞かれることが多いです。日本にお
ける神経内科の歴史がそこまで長くないこと
が、みなさまにとって馴染みの薄い原因かも
しれません。また神経内科と名前が似てい
る心療内科、精神科・神経科との区別が
分かりにくいことがさらに神経内科への理解
の妨げになっているものと思われます。そこで
この記事を見てくださっている方々が神経
内科のことを知っていただき、神経内科を
身近に感じていただけたらと思います。
(1) 神経内科が診る症状と診察の流れ
神経内科が診る症状は頭痛・めまい・ふ
らつき・しびれ・力が入らない・転びやすい・
話しにくい・むせやすい・もの忘れ・体のふる
え・物が二重に見える(複視)など多岐に
及びます。そのため神経内科の診察は全
身に及び、また同じ症状であったとしても経
過や家族歴等が重要になってくることから、
一般的に初診では問診・診察に時間がか
かります。問診・診察後、その症状の原因
がどこにあるかを考え、必要に応じて検査を
していきます(緊急性の高い疾患を疑った
場合は検査を優先することもあります)。よ
って診断には問診・診察が非常に重要にな
ってきます。
神経内科医は患者さまが訴える症状の
原因が脳・脊髄・末梢神経・神経筋接合
部・筋肉のどこかにあるのではと念頭におき
ながら問診・診察をしていきます。みなさま
にわかりやすくお伝えするために大雑把な説
明になりますが、例えば「手のしびれ・脱力」
を主訴に外来受診してきた患者さまがいた
とします。この症状が突然起きたものか、
徐々に出てきたものかで疑う疾患・病変が
異なります。また両手なのか片手なのかで
も疑う疾患・病変が異なります。そのため患
者さまから様々な情報を得ることがその後
の診断に大きなヒントとなり、特に重点的に
確認しなければならない点が定まってくるこ
とから、丁寧な問診が重要になります。次に
患者さまが訴えている症状が質的にどのよ
うなものなのか、患者さまが自覚していない
(もしくはそこまで不便を感じていない)他
の症状はないか等を確認するため神経学
的な診察を行います。例えば麻痺が極軽
度の場合、違和感などはあるものの、そこま
で症状が強くないことから問診時に患者さ
まの訴えからその症状が漏れることが日常
臨床の場では珍しいことではなく、そのため
神経学的な診察は丁寧かつ慎重に行うこ
とが求められます。診察で得られた所見とそ
れまでの情報をまとめた上で、必要に応じて
検査を行い診断となります。ただしすべての
病気がす
ぐに確定
診断に至
るわけで
はなく、疾
患の性質
上しばらく
裏面へつづく…
医療・介護・保健の月刊ニュースレター
第 48 号
前頁より…
経過を見なければならないものもあります。
また症状・所見によっては他の科(脳神経
外科、整形外科、耳鼻咽喉科、精神科・
神経科、心療内科など)の診察を受ける
ことが望ましいと判断することもあります。
(2) 神経内科医に気軽に相談しましょう
先述した神経内科が診る症状は日頃み
なさまがよく遭遇することが多いかと思います。
患者さまにとってどれも辛い症状であり、
生活の質を低下させます。これらの症状が
あっても「どこの科を受診すればいいのか」と
迷われている方、また他科を受診して「原
因がわからない」、「年のせい」と言われ諦め
て症状と向かい合っている方もいるかと思い
ます。
そのような方はぜひ神経内科を受診して
いただけたらと思います。すべての症状を改
善させるのは時に難しいこともありますが、
少しでも症状が改善する・うまく症状と付き
合っていける方法を一緒に見つけていけた
らと思います。
看護学生の実習が始まります
2 月 1~18 日まで北都保健福祉専門
学校より看護実習生を受け入れます。
学生がケア等を行う場合には患者さま、
ご家族さまにご承諾を得て、安全を最優
先に考慮して実施いたします。
患者さま・ご家族さまには、ご理解・ご
協力をよろしくお願いいたします。
異動職員の紹介
平成 27 年 10 月より当院へ異動して来
たスタッフの紹介をさせていただきます。
◆事務部総務課
係長 山下 哲司(やました てつじ)
HEART-WARMING
Q1.職場の印象はどのような印象ですか?
とても綺麗で清潔感のある病院だと思い
ました。
Q2.新しい発見はありましたか?
〒078-8340
旭川市東旭川町共栄 223 番 6
Tel 0166-34-3838
Fax 0166-34-2867
ホームページ www.aiseikai-hp.jp
前任地は紋別郡遠軽町生田原にある
介護老人保健施設 プライムいくたはらで勤
務しており、病院での勤務は初めてでした。
スタッフも明るく、
病院の中も明るいため、過ごしやすい職場
だと思いました。
写真.優しい笑顔の山下係長
Q3.患者さまに対する心構えは?
患者さまと直接接する場面は少ないで
すが、お一人おひとりに丁寧に対応していき
たいと思います。
Q4.最後に一言!
まだ慣れないことも多く、ご迷惑をおか
けすることもあると思いますが、皆さまの縁
の下の力持ちになれるよう日々努力して
いきたいと思いますので、どうぞよろしくお
願いいたします。