知財群テーマ紹介 「農業用二輪ビークル」

大学知財群活用プラットフォーム
知財群テーマ紹介
「農業用二輪ビークル」
Platform of
University
Intellectual
Property
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(株)信州TLO
技術移転グループ
勝野 進一
大学知財群活用プラットフォーム
1.背景
ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用した次世代農業
移動・走行は基本技術
農林水産省 スマート農業の実現に向けた研究会 「スマート農業の将来像」から
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1.背景
農業における作業者の負担軽減は重要課題
■ 農業の作業者は、高齢者が多く、また女性も少なくない
■ 大規模な農地: トラクタなどは、機械化、自動化が進んでいる
小規模な農地: 機械化、自動化が遅れている
■ 日本では、高齢者の就労比率が、
非常に高い
■ 高齢者や女性が就農している農地は、
小規模なものが多い
各国の農家の年齢構成
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(農林水産省資料 2013)
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1.背景
移動・運搬装置のニーズ
• 収穫での利用
• 畑で収穫し、畑の外のトラックまで
運搬
• 畑で収穫し、家まで運搬
• 材料、機器の移動
• 苗
• 肥料、消毒薬剤・機器
• 作業者の移動
■従来の課題点
• 大掛かりなものが多く、小さな農地には不向き
• 大きな車体は、農地や農業設備を傷めやすい
• 小さな農地は、斜面や雑草など走行条件が悪
い
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2.コンセプト
知財群テーマへの要求事項
•
高齢者、女性の作業を助ける
• 筋力の弱い人の作業を軽減
• 機械に不慣れな人でも操作可能
•
運搬物へのダメージを最小に
• 農作物の高付加価値化: 高価な作物を少量生産
•
農地・設備への影響を小さく
• あぜ、うねを壊さない
• ハウス、潅水設備などを壊さない
<次のステップとして>
• 農業の自動化: ロボット
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2.コンセプト
農業用二輪ビークル
■特徴(目標)
• アシスト機能で弱い力でも、動かすことが
可能な台車
• 荷台を水平に保ち、ショックも吸収するの
で、収穫物への影響が少ない
• 泥、草地、斜面など悪路でも走れる
• 人も乗車可能
さらには ⇒
• 無接点充電ステーション
• 自動走行
• 複数台の連結走行
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(株)KER のWebページより
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3.知財群
「農業用二輪ビークル」の知財群の形成
技術
大学
発明者
知財情報
ビークル本体
山梨大学
野田善之 准教授
特願2014-213574
「二輪ビークルならびにその制御方法お
よび操作制御方法」
車輪
信州大学
飯塚浩二郎 准教
授
特願2014-171772
「車輪」
非接触送電
東京理科大
学
柴 建次 准教授
特許4706036
「非接触電力供給システム及びそれを用
いた医療システム」
非接触送電
信州大学
水野 勉 教授
特開2015-002641
「非接触給電システム」
画像認識・制御
信州大学
酒井 悟 准教授
特開2014-209108
「車両速度推定方法、車両速度推定プロ
グラムおよび車両速度推定システム」
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4.知財の紹介 (1)
荷台の水平を保つ低重心型二輪ビークル
山梨大学 大学院 工学域機械工学系 野田善之 先生
特願2014-213574「二輪ビークルならびにその制御方法および操作制御方法」
■ 低重心 ⇒ 安定
■ 小型で、旋回半径が小さい
■ パワーアシスト機能
■ 荷台の水平維持機能(制御機能)
「詳細は、先生から紹介します」
(山梨大学 野田研究室のWebページから)
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4.知財の紹介 (2)
悪路に強いパンクレスタイヤ
信州大学 繊維学部 飯塚浩二郎先生
特願2014-171772「車輪」
■ 繊維材料を使ったパンクレスタイヤ
■ 繊維材料をつかうことで
軽量
幅広い加重に対応
「詳細は、先生から紹介します」
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4.知財の紹介 (3)
非接触での電力供給技術
東京理科大学 基礎工学部 電子応用工学科 柴 建次 先生
特許4706036「非接触電力供給システム及びそれを用いた医療システム」
■ 向かい合ったコイル間で電力を伝送
■ コイルの位置のずれに応じて、供給電力を制御することで、受信
側の電力を安定させる
■ 受信側を簡易な構成にすることが可能
■ 医療用として開発: 体内埋め込み型の
医療機器(人工心臓、ペースメーカ、
マイクロマシンなどを想定)
この他にも、非接触電力伝送あるいは医用工学の
多数の特許あり
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4.知財の紹介 (4)
位置検出機能をもつワイヤレス給電システム
信州大学 工学部 水野 勉 先生
特開2015-002641 「非接触給電システム」
■ 向かい合ったコイル間で電力を伝送
■ 位置検出のための回路を設けて、リアルタイムでコイルの位置の
ずれを検出する
■ 複数の送信コイルと1つの受信コイルとすることで、効率的に送
電できる
この他にも
特開2015-112169 「体内ロボットの非接触給電システム」
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4.知財の紹介 (5)
画像を数学的に解析して速度情報を得る
信州大学 工学部 酒井 悟 先生
特開2014-209108「車両速度推定方法、車両速度推定プログラムおよび
車両速度推定システム」
■ 画像を使った制御技術
■ 車両に搭載したカメラから得られる動画像に基づき車両の速度を
推定する車両速度推定方法
■ 画像内の特徴点情報を利用せず、画像データをそのまま数学的
処理を行い、速度情報を検出する
■ 特徴点を使わないので、堅固で高速な処理が可能
この他にも
特開2013-030162 「移動体の動作制御装置及びこれを用
いたスロッシング制御装置」
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6.知財の動向
農業関連技術に関する出願状況
特許庁の出願動向調査
■ 技術区分 - 出願件数の推移
• 「移動・走行」、「移動、耕運」の技術は、大きな比率
• 「移動・走行」: 時間変化が少ない
• 「移動、耕運」: 増加傾向
特許庁 平成26年度 特許出願技術動向調査報告書
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6.知財の動向
■出願人別動向
• クラース(独)は定常的
• ディーア(米)とCNH(伊)が伸びて
いる
• 日本は、ヤンマーが伸びている
他は減少
• 移動、走行、耕運では、クボタ、井
関農機が力を入れている
特許庁 平成26年度 特許出願技術動向調査報告書
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5.市場動向
■農業機械の動向
• 農家数の減少 ⇒ 出荷台数は減少傾向 しかし出荷額は近年増加傾向
• 就業人口が減少し、農作業の省力化による農業経営の体質強化が必要
• 経営規模が小さいにも関わらず農業機械の保有台数が多い状況。
⇒ 農業機械の集約、効率利用の促進によりコスト縮減
• 農作業事故への対応も必須
農林水産省 農「業機械をめぐる状況」 平成26年
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7.今後
事業化: 機械製造メーカ + 現場:農家、試験場
(+ システムメーカ)
■展開
• 人の制御による作業
–
–
•
•
収穫物運搬用のアシスト台車
乗用二輪台車
連結走行による効率化
走行制御(障害物回避アシスト、
悪路走行アシスト)
■発展
• 自動走行
• 情報管理システムとの連携
• 各種センサやカメラを載せて
動く、データ収集ロボット
• 除草、消毒などの作業ロボット
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お問い合わせ先
■ テーマ担当
株式会社 信州TLO 技術移転グループ
勝野 進一
TEL
0268-25-5181
FAX
0268-25-5188
e-mail info@shinshu-tlo.co.jp
■ 大学知財群活用プラットフォーム 事務局
e-mail puip@chizaigun.org
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