特別用途食品制度の変遷 参考資料1 ○昭和 22 年 食品衛生法 特別用途食品制度の創設 <背景>特別用途食品が表示してあるとおりの用途の機能を持っていなかった場合に想定される食品衛生 上の危害の防止 特別用途食品 特別の用途に適する旨の表示(病者等向け) 〈乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用等として主として特定の対象者の栄養補給等に適する旨の表示をしたもの〉 ○昭和 27 年 栄養改善法 特殊栄養食品制度の創設 <背景>戦後の食料不足、ビタミン・ミネラル不足による国民の栄養を改善 特殊栄養食品 特別の用途に適する旨の表示 (病者等向け) ※ 「特別の用途に適する旨の表示」について は、昭和38年に妊産婦用食品の表示許可基 準が定められた。 補給できる旨の表示(健常者向け) 単なる栄養成分を含有する事実の表示ではなく、特定の 栄養成分の補強を行い、その栄養成分が積極的に補給さ れ得る旨の表示をしたもの(「カルシウム強化」等) ○昭和 48 年 「特別の用途に適する旨の表示」に病者用食品(単一、組合せ)の規格基準が定められた <背景>飽食の時代に入り、CODEX においても、疾病の予防や治療に関連した特殊用途食品の規格づく りが始まっていた中で、国内でも、病者用食品の制度が必要になった 特殊栄養食品 特別の用途に適する旨の表示(病者等向け) 補給できる旨の表示(健常者向け) 病者用食品(単一食品、組合せ食品) 妊産婦用粉乳 乳児用調整粉乳(昭和57年~) ○平成 3 年 特定保健用食品の創設 <背景>体調調節機能を期待できる食品(機能性食品)の開発が進み、健康づくりのための手段として活用 することが望まれた一方、科学的な評価を受けることなく流通販売された場合の弊害が大きいことから、制 度化 特殊栄養食品 特別用途食品 栄養強化食品(健常者向け) 特別用途食品(病者等向け) 特定保健用食品(健常者向け) ※ 「特別の用途に適する旨の表示」 をする食品を「特別用途食品」と改め、特別用途食品の中に特定保健用食品を 新設すると共に、 「補給できる旨の表示」をする食品を「栄養強化食品」とし、個別の大臣許可を要するものとした。 ※平成6年 「特別の用途に適する旨の表示」に高齢者用食品を追加 ○平成 8 年 栄養強化食品(大臣許可)を廃止し、栄養表示基準(規格基準による自己認証)を新設 <背景>特殊栄養食品制度を廃止し、食品の機能表示が可能なものを特別用途食品に一本化 特別用途食品 特定保健用食品(健常者向け) 特別用途食品(病者等向け) 栄養表示基準(一般向け) ※病者用食品は規格基準のみだったが、特定保健用食品が関与成分の作用機序等を重視する医薬品的な考え方 に準じた仕組みであったことから、平成10年に病者用食品に個別評価型の規格が追加になった。 ※平成13年には栄養機能食品が創設され、含有する栄養成分の機能表示が可能となった。 病者用食品(個別評価型) 病者用食品組み合わせ食品 妊産婦用、乳児用、高齢者用 病者用食品(許可基準型) ○平成 21 年 特別用途食品制度改正 対象食品の範囲の見直し 特別用途食品 特定保健用食品(健常者向け) 食事療法用宅配食品 等栄養指針で対応 一部、栄養強調表示で対応 特別用途食品(病者等向け) 栄養表示基準(一般向け) 病者用食品(許可基準型、個別評価型) *現行は食品表示基準に移行 妊産婦用、乳児用、えん下困難者用 栄養強調表示について 食品表示基準に基づく栄養強調表示では、その欠乏や過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響 を与えている栄養成分について、補給や適切な摂取ができる旨の表示をする際の基準を定めている。 栄養成分が多いことを強調する場合の表示の基準 栄養成分が少ないことを強調する場合の表示の基準 適切な摂取ができる旨の表示 補給ができる旨の表示 強調表示の 種類 基準 表現例 該当する 栄養成分 高い旨 含む旨 基準値(1)以上であること ・高○○ ・○○豊富 ・○○源 ・○○供給 ・○○含有 強化された旨 含まない旨 低い旨 ・基準値以上の絶対差 ・相対差(25%以上)(3) 基準値(2)未満であること ・強化された量又は割合と 比較対象商品を表示 ・○○30%アップ ・○○2倍 ・無○○ ・○○ゼロ ・ノン○○ ・低○○ ・○○控えめ ・○○ライト 低減された旨 ・基準値以上の絶対差 ・相対差(25%以上) ・低減された量又は割合と 比較対象商品を表示 ・○○30%カット ・○○~gオフ ・○○ハーフ たんぱく質、食物繊維、亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、 マグネシウム、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミン 熱量、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、ナトリウム A、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K及び葉酸 (1)食品表示基準別表第12 (2)食品表示基準別表第13 (3)相対差はたんぱく質及び食物繊維のみ適用 栄養成分が添加されていないことを強調する場合の基準 糖類を添加していない旨の表示 ナトリウム塩を添加していない旨の表示 基準 表現例 ・いかなる糖類も添加していない ・糖類に代わる原材料又は添加物を添加していない ・糖類含有量が原材料及び添加物の量を超えない ・糖類の含有量を表示する ・糖類無添加 ・砂糖不使用 ・ノンシュガー ・いかなるナトリウム塩も添加していない ・ナトリウム塩に代わる原材料又は添加物を添加していない ・食塩無添加 1
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