【平成２７年度農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業実用技術開発ステージ】 27041C 九州地方で発生した PRRS ウイルスによる流産の病原学的解析１代表機関・研究総括者国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所高木道浩２研究期間：2015 年度（1 年間）３研究目的今年九州で発生した PRRS は過去の流行とは病型が大きく異なることから、原因となるウイルス株の遺伝情報、病原性を明らかにするとともに特異的な検出法を開発し、国内での浸潤状況を調査する。４研究内容及び実施体制 ① 九州地方で出現した PRRS ウイルスの疫学調査今回、九州地方での PRRS 発生農場および周辺の農場に対する疫学調査を実施して発生時のウイルスとの比較を行う。（農研機構動物衛生研究所、全農家畜衛生研究所） ② 九州地方で出現した PRRS ウイルス株の病原性解析本ウイルス株を豚に接種して病原解析を実施し、これまで得ている国内の流行株と比較して、本ウイルス株の病原性に関する評価を行う。（農研機構動物衛生研究所） ③ 九州地方で出現した PRRS ウイルスのゲノム解析および検出法本ウイルス株の全ゲノム解読を実施し、国内および国外の既知のウイルス株と比較する。また、本ウイルス株が属するウイルスグループを検出可能な PCR 法の開発を検討する。（農研機構動物衛生研究所）５達成目標本ウイルス株のゲノム配列を決定するとともに、既知の国内分離株と遺伝的、病原学的比較を行い、その特徴を明らかし、特異的な検出法を開発、浸潤状況を解明する。６期待される効果・貢献本ウイルス株の浸潤状況及び病原性に関する情報の提供は、養豚農家における適切な飼養衛生管理基準の実施に広く活用され、生産基盤が安定し、生産コストの低減や消費者価格の安定化に貢献する。【連絡先国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所 029-838-7765】 27041C 九州地方で発生したPRRSウイルスによる流産の病原学的解析研究の背景・目的・豚繁殖・呼吸器障害症候群（PRRS）は呼吸器病や流死産を主徴とするウイルス性疾病・現在、養豚業における最大の脅威となっている・PRRSウイルスは遺伝的多様性が高く、病原性の強い株の出現も懸念 ●今年、九州で発生したPRRSは過去の流行とは病型が大きく異なる原因となるウイルス株の遺伝情報、病原性を明らかにするとともに特異的な検出法を開発し、国内での浸潤状況を調査研究内容解析結果のフィードバック疫学調査現場（農研機構動物衛生研究所、全農家畜衛生研究所）発生農場および周辺農場の調査・ウイルス遺伝子、抗体検査採材の協力病原性解析ゲノム解析、ウイルス遺伝子の検出法（農研機構動物衛生研究所）（農研機構動物衛生研究所）分離ウイルスを離乳豚および妊娠豚に接種・臨床症状・ウイルスの体内動態・病理学的検査次世代シーケンサーなどを用いて本ウイルス株の全ゲノム解読・国内外の既知のウイルス株と比較本ウイルス株が属するウイルスグループを検出可能なPCR法の開発を検討達成目標  本ウイルス株のゲノム配列を決定  既知の国内分離株と遺伝的、病原学的比較  特異的な検出法を開発、本ウイルス株の浸潤状況を調査期待される効果・貢献 ●本ウイルス株の浸潤状況及び病原性に関する情報の提供は、養豚農家における適切な飼養衛生管理基準の実施に広く活用養豚農家の生産基盤が安定し、生産コストの低減や消費者価格の安定化に貢献 ●家畜保健衛生所での本ウイルスおよびその類似株の特定が可能となり、診断の迅速化