励起一重項状態-励起三重項状態のエネル ギー差を縮小する新しい分子

励起一重項状態-励起三重項状態のエネル
励起一重項状態 励起三重項状態のエネル
ギー差を縮小する新しい分子設計法と可視
光に応答する発光性Eu錯体の開発
光に応答する発光性 錯体の開発
北海道大学 大学院工学研究院
応用化学専攻 特任助教 北川 裕一
1
希土類を用いた発光材料
希土類発光体の特徴
きれいな発光色
外部環境に影響しづらい発光
・ディスプレイ
・照明材料
・バイオセンサー
2
従来技術-希土類錯体とは
従来技術 希土類錯体とは?
希土類錯体とは
配位子
S1
①配位子光励起
T1
希土類
②緩和過程
③エネルギー移動
⑤発光
④希土類
励起状態形成
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従来技術①
従来技術①
Eu*
速い放射
遅い熱失活
Eu
紫外光励起で強発光を示すEu錯体
長谷川靖哉等、特願2001-135116(特許第3897110号)
特願2001-272547(特許第3668966号)
4
従来技術②
・・・
・・・
強発光性を持つ骨格からポリマーを創成
→有機分子同士を強く結合
有機分子同士を強く結合
強発光を維持したまま、強い熱耐久性
長谷川靖哉等、特願2011-103136
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従来技術の問題点①
従来技術の問題点①
可視光を吸収して
発光するEu錯体がない
発光する 錯体がない
このような可視光を吸
収する発光性Eu錯体
収する発光性 錯体
が創成できれば応用
展開が広がる
Ex)
赤色光
白色光
青色光
黄色光
黄色蛍光体
青色LED
Eu錯体
錯体
6
新技術の着眼点
S1
配位子光励起
緩和過程のエネルギー
T1
エネルギー移動
希土類励起状態
発光
T1のエネルギーを維持したまま、S
のエネルギーを維持したまま、 1のエネルギーを下げる
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従来技術
従来技術の問題点②
技術の問題点②
緩和エネルギー (S1-T1のエネルギー差)の一般的な縮小法
のエネルギー差 の一般的な縮小法
電荷移動遷移をうまく利用
HOMO
問題点
LUMO
・光捕集能力小さい
・エネルギーを受け渡す効率が低い
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新技術-問題を解決するために
新技術 問題を解決するために
緩和エネルギー (S1-T1のエネルギー差)の縮小法
のエネルギー差 の縮小法
一般的に
π共役拡張 → S1-T1のエネルギー差の縮小
→ T1エネルギー小さくなる
Ex.)
14900 cm-1 < Euの励起状態エネルギー
新技術
π共役拡張 → S1-T1のエネルギー差の縮小
→ T1エネルギー維持
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新技術(螺旋状に
新技術 螺旋状にπ
螺旋状にπ共役拡張)
共役拡張
Energy / cm-1
30000
20000
S1
紫外光と可視光の境界線
T1
Euイオンの励起エネルギー
10000
2
3
4
5
Benzene ring
6
可視光を利用した光増感
発光が期待
10
新技術の実施例
2
1
3
2
2
3
1
2
3
可視光を利用した光増感発光が可能か?
11
新技術の実施例
1
Absorbance
CF3
O
Eu(III)
P O
H
O
CF3
2
従来
新技術
0.5
3
0
300
400
500
Wavelength/ nm
600
~500 nm付近まで吸収帯が伸びている
付近まで吸収帯が伸びている
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新技術の実施例
新技術の実施例
発光スペクトル
従来
1
新技術
Intensity/ a.u.
Intensity/ a.u.
1
励起スペクトル
0.5
0
580
600
620
Wavelength/ nm
640
従来
新技術
0.5
0
300
400
Wavelength/ nm
500
・発光スペクトル-従来と変化なし
発光スペクトル 従来と変化なし
・励起スペクトル-新技術は可視光の利用も可能
励起スペクトル 新技術は可視光の利用も可能
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新技術の実施例
新技術の実施例
付加的な機能
Intensity/ a.u.
20
CH3OH
青
CHCl3
C2 H 5 I
赤
10
0
400
500
600
Wavelength/ nm
700
溶媒センサー
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想定される用途
• 青色LEDを組み合わせたEu錯体発光材料
(ex. 照明材料)
15
実用化に向けた課題
可視光で光るEu錯体の創成に成功
あとは如何に発光強度・熱耐久性を上げていくか
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企業への期待
• 応用アイディアを一緒に取り組める企業との
共同研究を希望
<対象分野>
電子産業、光産業、塗料、印刷、化学分野
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本技術に関する知的財産権
•
•
•
•
発明の名称 :希土類錯体および発光素子
出願番号 :特願2015-045930
出願人
:北海道大学
発明者
:北川裕一、大野良輔、長谷川
靖哉、伏見公志、中西貴之
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お問い合わせ先
お問い合わせ先
北海道大学
産学連携マネージャー 小野寺晃一
TEL 011-706 - 9559
FAX 011-706 - 9550
e-mail [email protected]
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