タイトル: ぼくのまちのおまわりさん 氏名: 塚越 史弥 小学校名:茨城県 下妻市立上妻小学校 四年 四年生になった五月、ぼくはいつものように小学校のじゅ業を終え通学はんのみんなと 下校していた。通学路は交通量が少ない細い道路だ。住宅と田畑のなかを毎日往ふく四キ ロ歩く。 その日の下校はんは、たかみちゃんとたっくんとぼくの三人。朝も一しょに登校する友 達だ。ちょうど家まで半分くらいの所で、ぼくたちはふざけておたがいの体をおし合い始 めた。そして「あぶない!」と思ったしゅんかん、アスファルトに足から体を打ち付けて 倒れた。そしてそのまま道路にうずくまってしまった。右ひざにズキズキと強い痛みを感 じる。ひどく足をすりむいてしまったようだった。 「だいじょうぶ?」突然大人の男の人の声が聞こえた。ぐう然通りかかったパトロール 中のおまわりさんが二人、パトカーからおりてかけよって来るすがたが見えた。 「けがしち ゃったの?歩ける?」そう何度も声をかけてくれた。ぼくは足のキズが痛くて何も返事が 出来なかった。たかみちゃんもたっくんも心配そうな顔している。他のはんの友達も何十 人と集まってきた。するとおまわりさんは 「車で家まで送ってあげるよ」 と言ってくれた。話せないぼくに代わって、たっくんがぼくの家の場所やぼくの名前を、 おまわりさんに伝えてくれているのが分かった。 ぼくは初めて乗ったパトカーのなかでなみだがぽろぽろ止まらなかった。やぶけたズボ ンから血がにじんでいる。 「お家はこのあたりかな?」 運転をしていたおまわりさんがバックミラーごしにやさしく聞いてくれている。助手席の おまわりさんも心配そうに何度もぼくの方をふり返って見てくれていた。 「その先を右に」 後部座席にすわったぼくは、痛みをこらえ、そう答えるのが精いっぱいだった。 パトカーのなかは家の車とちがって、色々な機かいが積んであった。ぼくは見なれない 風けいにドキドキした。きんちょうしているのが伝わったのか、と中、おまわりさんは、 「勉強がんばってる?」 などと、気さくに話しかけてくれた。そのおかげで、次第にぼくも落ち着いて話すことが 出来た。そしてパトカーは、ぼくをあっと言うまに家まで送ってくれた。 このことがあって、おまわりさんはぼくたちが毎日安全に登下校出来るよう、パトロー ルを行い見守ってくれていることを知った。そしてぼくは、下校の時にふざけてしまった 事を反せいした。これからは交通ルールをしっかり守っておまわりさんにめいわくをかけ ないように通学しようと心に決めた。
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