照明のデータシート 熊本県 熊本大学医学部附属病院 外来診療棟の照明 No.1325 図1 外観 Fig.1 Building appearance. 図2 エントランスの照明 Fig.2 Entrance. J. Illum. Engng. Inst. Jpn. Vol. 99 No. 12 2015 623 概 要 既存病院からセンター化した外来部門を新築移転させ, 外来部門に関する医療制度や診療体制の変化および地域か らの要請に応えられる環境整備を行い,特定機能病院とし ての機能充足に加え,さらなる高度医療の実現を図るもの である. 病院敷地中央に位置する新外来診療棟は,既存各棟を結 ぶ,新たに熊本大学医学部附属病院の顔となる建物である. メインロータリーに面する3層吹抜けのエントランスは, 全面ガ ラ ス カーテ ンウォールおよび2種のルーバーに よ り,やわらかな自然光に満ちた癒しの空間として施設全体 の玄関口として機能し,かつ,都市レベルでインパクトを 与える,人々の記憶に残るファサードデザインを創出して いる. 照明設備 図3 エントランスの照明 Fig.3 Entrance. ■エントランス照明(図2~図4) メンテナンス性を考慮し,吹抜けの高天井には照明器具 を極力設置せず,1階と2階のメンテナンスが容易な吹抜 け周囲から,33.1W LED グレアレスユニバーサルダウン ライト(3500K)により床面を照射している. また,各階腰壁部に33W 直管形 LED ランプ上下配光間 接ブラケット(3500K)を連結配置して,床面を照らしな がら,壁面と天井面にも明るさをプラスしている. 間接光のやわらかな光と3500K の温かみのある色温度 により,病院を利用する人に対して癒しの光環境を提供し ている. ■待合照明(図5) 待合スペースは,利用者がおだやかな光環境で過ごせる 図4 エントランスの照度分布図 Fig.4 Isolux diagram in entrance. ように,23.1W LED ダウンライトでは,3500K の温か みのある色温度を選択している. また,読書などを快適にできるように,フラットな光で 明るさ感のある光環境としている. ■外観(図1,図6) 昼間の自然光をコントロールすることを目的に設置され た2種の縦ルーバーは,夜間には内部の人工光の照射面と して,やわらかく周囲を照らす装置となり,表情のある夜 景を創り出す. 図5 待合 Fig.5 Waiting. 所 在 地 熊本県熊本市中央区 竣工年月 2014年9月 施 主 国立大学法人 熊本大学 設 計 熊本大学 運営基盤管理部 ㈱日本設計 ㈱新日本設備計画 資料提供 高橋 正泰 (㈱日本設計) 図1,図2,図5,図6:Ⓒ㈱リンク福岡 2014 図4:Ⓒパナソニック㈱ 2014 図6 ルーバー Fig.6 Louver. 624 照明学会誌 第99巻 第12号 平成27年
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