為替トピックス - みずほ証券

2016/
為替トピックス
2/3
投資情報部
FX ストラテジスト
五十嵐 聡
RBA声明の基本骨格は変わらず
 豪州準備銀行(RBA)は2/2の金融政策理事会で政策金利を8会合連続で2.00%に据え置い
た。結果は予想通りで豪ドル相場はいったん買いで反応も、その後は下落する動きに。
 声明内容は海外動向からややハト派に傾くとの見方もあったが、結果的に見通しの基本骨格
はほぼ変わらない内容。必要に応じて追加緩和の可能性を示唆する文言も残された。
 1/17に発表された10-12月期のCPIは前期比+0.4%、前年比+1.7%と市場予想を上回った。
結果はRBAの見通しに沿っており、金融政策に与える影響は限定的と考えられる。
 豪ドル相場は中国リスク等から9月安値を割り込んだ後は値を戻す動き。国内要因からは底
堅い推移が見込まれる一方、海外要因に左右されやすい場面も続き、下値固めの動きに。
RBAは8会合連続で
金利据え置き、豪ド
ルはいったん買いで
反応後に下落
豪州準備銀行(RBA)は2/2に開催された金融政策理事会において、政策金利
であるオフィシャル・キャッシュレート(OCR)を8会合連続で過去最低の2.00%
に据え置くと発表した。
11月会合で足元の経済状況の改善見通しが強まっていることを指摘、豪州経
済はおおむねRBAの見通しに沿って推移していることもあり、今回会合では金
利据え置き予想が大勢(ブルームバーグ調査では29人中28人が金利据え置き、
1人が0.25%の利下げを予想)となっていた。結果は予想通りで豪ドル相場は
発表後に買いで反応したものの、その後は下落する動きになっている。
豪ドルの推移
(日次:2013/1/1~2016/2/2)
(1豪ドル=円)
104
(1豪ドル=ドル)
0.98
102
0.94
100
98
0.90
96
0.86
94
92
0.82
90
0.78
88
86
対円(左目盛)
84
対ドル(右目盛)
0.74
0.70
82
80
14/1
豪
ド
ル
高
0.66
14/4
14/7
14/10
15/1
15/4
15/7
15/10
16/1
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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(年/月)
豪
ド
ル
安
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為替トピックス
2014/19/18
声明は 内容的に は
前回から基本的骨格
は変わらず、追加緩
和示唆の文言も残る
前回2015年12月の理事会後、年明けにかけて金融市場は中国人民元の急落等
を背景に波乱の展開となった。RBAでは毎年1月の理事会は夏季休暇シーズン
で休会となっており、今回の声明は世界的な環境変化を受けて2ヵ月ぶりに
RBAが経済金融動向についての認識を示すという点で注目されていた。
その結果、声明文は12月から見て書き換えられた部分が多かったものの、実
体経済がほぼRBAの見通しに沿っており、政策金利の据え置きが適切との結論
に至った点では、ほぼ前回会合の基本的な骨格は維持されていると言える。
事前段階では海外動向からややハト派に傾くとの見方もあったが、結果はほ
ぼ変わらない内容となっていた。
まず、世界経済に関する部分では、この間の金融市場の進展を受けた形で記
述が変更されている。全般に見方がより慎重となり、
「多くの新興市場経済で
は状況はより困難になった」
「金融市場では再びボラティリティの高まりがみ
られた」
「新興国と低格付け企業の資金調達状況は引き締まっている」等の指
摘がみられた。
続くオーストラリア経済に関する部分では、表現は異なっているが、基本的
には前回会合で示した認識から大きな変化はみられない。
「鉱業部門の設備投
資の減少が続いている」とする一方、
「2015年に非鉱業部門の成長が高まった」
として鉱業部門と非鉱業部門の対比を強調している。また、具体的には「企
業景況感は平均を上回る水準に回復」「雇用の伸びは加速」「失業率は年後半
に低下」等が挙げられており、前向きな姿勢は変わっていない。
インフレ率については、1/27に発表された昨年10-12月期のCPIの結果を受け
て、「一部原油価格や公益部門の物価下落によるもの」と評価、「基調インフ
レ率は2%程度と低水準」と述べた。先行きについては「インフレ率は向こう1
~2年低水準が続く公算が大きい」となっており、前回会合時までの「インフ
レ率は向こう1~2年にわたり目標と一致した水準にある」からいく分弱めの
表現となったものの、基本的にはこれまでの見方を踏襲している。
為替相場については、「為替相場は経済見通しの進展に合わせて調整を続け
ている」としており、引き続き豪ドル安に対して一定の満足感を示している。
これらを受けた金融政策判断では、「インフレ率は目標に近く、経済には成
長を続ける合理的な見通しがあると判断した」として、金利据え置きが適切
との結論を下している。前回までの「経済状況の改善見通しはここ数ヵ月や
や強まっており」との表現から見ても、より強く包括的になっているように
見受けられる。ここから見ても、RBAは実体経済について強気の見通しを維持
していることがうかがえる。
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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ただ、今後の金融政策動向については、「新しい情報に基づいて、理事会は
最近の労働市場の改善が継続するかどうか、最近の金融市場の変動が世界お
よび国内の需要の弱まりの前兆なのかどうかを判断する」としており、強弱
両面の可能性について触れている。
そして最後に、
「需要を支援するために必要なら、低インフレの継続は金融
緩和余地を提供するかもしれない」として、引き続き追加緩和の可能性を述
べているが、当面は金利を据え置いて様子見姿勢を続けるスタンスに大きな
変化はないと考えられる。
(中立=0)
25
豪州NAB企業景況感指数
(月次:2000/1~2015/12)
20
(千人)
450
豪州の雇用者数と失業率
(月次:2008/1~2015/12)
400
雇用者数 前年差(左目盛)
350
15
(%)
6.5
失業率(右目盛)
6.0
失業率(トレンド)(右目盛)
300
10
5.5
250
5
200
0
▲5
▲ 10
5.0
150
4.5
100
企業景況感
長期平均値
50
▲ 15
4.0
0
▲ 20
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
10-12 月期の CPI は
予想を上回る、RBA
見通しに沿っており
金融政策へ の 影響
は限定的
12
13
14
15
▲ 50
16
(年)
08
09
10
11
12
13
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
3.5
14
15
(年)
1/27に発表された昨年10-12月期の消費者物価指数は前期比+0.4%、前年比
+1.7%と市場の事前予想(それぞれ同+0.3%、同+1.6%)を上回った。コアCPI
として注目されるトリム平均値(総合品目の中から比較的変動率の高かった
品目を除いて算出)も前期比+0.6%、前年比+2.1%と予想(それぞれ同+0.5%、
同+2.1%)を若干ながら上回った。
インフレ率が想定を下回る推移となれば、RBAによる早期利下げの思惑が強
まるとみられていただけに、この結果を受けて豪ドル相場は買い戻しから反
発する動きとなった。基調インフレ率(トリム平均値と加重中央値の平均値)
が前年比+2.0%とインフレ目標(同+2~3%)の下限となったものの、これを割
り込まなかったことも安心感につながったようだ。
内訳をみると、アルコール・タバコ(前期比+2.7%)、教養・娯楽(同+1.6%)、
衣料品(同+1.6%)等が物価の押し上げに寄与しており、一方で、通信費(同
▲2.4%)
、交通費(同▲1.4%)等が物価押し下げに寄与した。特に交通費の中
でガソリン価格(同▲5.7%)が大きく落ち込んでおり、原油安が大きく影響
を及ぼしていることが分かる。
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為替トピックス
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また、貿易財価格は前期比+0.5%、前年比+0.8%と伸びが加速しており、豪ド
ル安の影響が徐々に波及しつつあることがうかがえる。一方、非貿易財価格
については、前期比+0.4%、前年比+2.3%となっており、低水準の伸びが継続
している。賃金コストの伸びが引き続き低水準となっていること等が物価上
昇抑制要因として働いている。
RBAによる物価見通し(昨年11月の金融政策報告)はヘッドラインが前年比
+1.75%、基調インフレ率が同+2.0%となっており、今回の結果はほぼこの見通し
に沿った内容であった。このため、RBAが利下げを急がなければならないような
状況ではないと判断される。前述の声明でも指摘された通り、インフレ率は向
こう1~2年低水準が続く見通しとなっており、こうした見方から大きく下振れ
しない限り、金融政策に与える影響は限定的と考えられる。
(%)
6.0
豪州消費者物価指数(前年比)とRBA予想
(四半期:2005/3~2017/12)
7
6
RBAインフレ目標レンジ
(2~3%)
消費者物価指数(前年比)
RBAスタッフ予想(15/11時点)
基調インフレ率(前年比)
RBAスタッフ予想(15/11時点)
5.0
4.0
豪州の消費者物価指数 前年比
(四半期:2005/3~2015/12)
(%)
5
4
3
2
3.0
1
2.0
▲1
0
消費者物価指数
貿易財価格
非貿易財価格
▲2
1.0
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(注) 消費者物価指数は2015/12まで、RBAスタッフ予想は予想レンジの
中間値で表示
出所:ブルームバーグ、RBAのデータよりみずほ証券作成
豪ドルは中国リスク
に下落後は反発、国
内要因からは底堅い
推移が続く見込み
▲3
17
05
(年)
06
07
08
09
10
11
12
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
13
14
15
16
(年)
豪ドルの対米ドル相場は、昨年9月以降は追加緩和観測の後退等を背景に
徐々に持ち直し傾向となっていたが、年明け以降は中国人民元の急落をきっ
かけにした世界的な金融市場の混乱からリスク回避の動きが強まったこと
や、中国景気の減速懸念による豪州経済への悪影響波及の懸念等を背景に、9
月の安値を割り込んで売り込まれる展開となった。
しかし、その後は欧州中央銀行(ECB)が3月の追加緩和の可能性を示唆した
ことからリスクセンチメントが改善に向かい、また、日銀がマイナス金利の
導入を決定する等、想定外の追加緩和を実施したこともあり、豪ドル相場も
買い戻し主導で持ち直す動きとなっている。
今後については、中国リスク等の海外要因については、中国当局による市場
安定化等の措置に加えて、日欧金融当局による追加緩和観測等もあり、ひと
まず沈静化が見込まれる。原油安については、石油輸出国機構(OPEC)の最
大の輸出国であるサウジアラビアとロシア等の非OPEC産油国が合同で減産を
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
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性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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為替トピックス
2014/19/18
模索する動きも報じられており、この結果がどう進展するかが注目される。
これらが奏功するようであれば、金融市場も徐々に落ち着きを取り戻すと考
えられる。
一方、豪州の国内経済動向については、これまでの金融緩和の効果から住宅
市場やサービス輸出等が堅調な推移となっており、今後についても天然ガス
等の資源開発プロジェクトの稼働等から純輸出が成長に寄与する公算が大き
いとみられること等から、徐々に成長率も上向く動きになると見込まれる。
RBAも引き続き今後の景気について前向きの姿勢を維持していることから、当
面は政策金利を据え置く公算が大きいとみられる。インフレ率についても、
RBAの見通しに沿った推移が続く限りは、追加緩和観測が過度に高まることは
ないであろう。
こうした見方を背景にすれば、豪ドル相場も全般には底堅い推移が続くと予
想される。一方、引き続き海外要因に左右されやすいことをふまえれば、市
場のリスク回避姿勢が強まれば、下振れしやすい状況も変わらないだろう。
このため、一進一退の推移を続けつつ、徐々に下値を固める値動きとなろう。
中国株価指数と豪ドル相場
(日次:2015/4/1~2016/2/2)
(ポイント)
5500
(1豪ドル=ドル)
0.82
0.80
5000
豪ドル相場(右目盛)
0.78
4500
0.76
4000
0.74
3500
0.72
3000
0.70
中国上海総合指数(左目盛)
2500
15/4
0.68
15/5
15/6
15/7
15/8
15/9
15/10
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
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15/12
16/1
16/2
(年/月)
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
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為替トピックス
2014/19/18
金融商品取引法に係る重要事項
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によっては為替差損が生じ、損失を被るおそれがあります。
 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や
目論見書またはお客さま向け資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-160203-13
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