Japan tax alert 2月4日号をPDFでDownload

2016年2月4日
Japan tax alert
EY税理士法人
IRSへのFATCA
宣誓期日の延期を
含む追加ガイダンス
の公表
EYグローバル・タックス・アラート・
ライブラリー
EYグローバル・タックス・アラートは、オン
ライン/pdfで以下のサイトから入手可能
です。
http://www.ey.com/GL/en/Services/Tax/
International-Tax/Tax-alert-library%23date
米国時間の2016年1月19日に、
IRS(米国内国歳入庁)はFATCAに関する財務省
規則を修正すべく、
Notice 2016-08を公表しました。本Noticeでは、以下の点につ
き修正を行うとしており、
本邦金融機関にとって負担軽減につながる内容となって
います。
1. 初度宣誓(既存口座特定手続きの確認完了に係る宣誓)の
期日の延期
定期的宣誓(FATCA内部統制に係る3年ごとの宣誓)
と平仄をとり、当初の期日で
ある2016年8月29日から2018年7月1日へ変更されました。今回のNotice発行
前は、
宣誓対象期間終了後の6カ月以内が宣誓期日として規定されており、
初回の
定期的宣誓の期日が2018年6月30日とされていました。
宣誓対象期間の翌
今回の修正では、
モデル2金融機関及び参加FFIの宣誓期日は、
年7月1日としています。これにより初回の定期的宣誓において、初度宣誓事項も
同時に宣誓することになります。2014年6月30日までにGIIN
(グローバル仲介人
識別番号)
を取得した本邦金融機関の初回の定期的宣誓は、
2014年6月30日から
2017年12月31日までの期間について、2018年7月1日までにIRSに対して実施
することになります。
なお、既存口座特定手続の完了期日は延期されていないこと
から、当初の規定どおりに2016年6月30日までに完了する必
要があります。また、
期日の延期にかかわらず、
既存口座特定手
続を実施したことの証跡や2011年8月6日以降にFATCA回避
行為を指南した事実や手続が公式にも非公式にも存在しない
ことを確認し、宣誓に耐えうるよう準備を行う必要があります。
本期日を遵守しない場合には、
2018年7月1日までに実施する
宣誓の内容に影響を及ぼすことになるため留意する必要があ
ります。
2. 登録型みなし遵守金融機関に係る初度宣誓及び
定期的宣誓の実施に関する明確化
登録型みなし遵守金融機関であるローカルFFI
(日米当局声明
では、地域顧客基盤を有する小規模金融機関)及び制限付き
ファンドにおいて、モデル2金融機関及び参加FFIと同様に初
度宣誓が求められることが明確化されました。また、2014年
6月30日までにGIINを取得したローカルFFIは、みなし遵守ス
テータスの維持に求められる要件の充足について定期的宣
誓を2018年7月1日までにIRSに対して実施することとしてい
ます。
4. 仲介人経由で電子的に提出されたForm W-8
及びForm W-9への依拠についての明確化
証券会社や信託銀行などの仲介者を経由し、最終受益者に所
得の支払いが行われる場合、当該所得の支払いを行う源泉徴
収義務者は、最終受益者の米国税法上のステータスをW-8又
はW-9で確認を行うこととされています。電子システムを通じ
て提出された様式が送信された情報と同一であることや当該
システムにアクセスした者が提出された様式上に記載された者
と同一人物であることが合理的に確認できるなど一定の条件
を満たす場合、
QI(適格仲介人)
を含む源泉徴収義務者は、
それ
ら様式の情報に依拠できるとしています。但し、仲介者がQIス
テータスを有しない(Non-QI)
など一定の場合、源泉徴収義務
者はそれら様式が有効でないものとして取扱い、
30%の源泉徴
収やバックアップ源泉を実務において実施しています。
Non-QIに対しても同様の要件を満たす場
今回のNoticeでは、
合は、源泉徴収義務者は電子的に提出された様式に依拠でき
るよう修正が行われています。
これにより、
所得を最終受益者に
Non-QI等の仲介者経由で支払い、その際に米国の源泉徴収を
行っている金融機関は源泉徴収事務の負担が軽減されます。
ローカルFFIとして登録されている信用組合や一部の地域金融
下記のリンクをご参照下さい。
機関は、
初度宣誓が求められることに留意する必要があります。 Notice2016-08の原文は、
3. 2015年度の不参加FFIに対する支払に係る
報告対応の見直し
日米当局声明では、移行措置として2015年及び2016年の2
年間について、不参加FFIと取引を行う金融機関は、IRSに対し
て米国外の支払総額
(Foreign Reportable Amount、
日米当
局声明では「外国報告対象金額」)
を報告することが求められて
います。また、米国外の支払総額に代えて、米国源泉所得及び
米国外での支払いを全て合算し、
報告することも可能となって
います。
今回のNoticeでは、2015年については、報告金額から売却グ
ロス対価
(Gross Proceeds)
を除いて報告することができるよ
う修正が行われています。米国口座については、2016年度か
ら売却グロス対価が報告対象範囲に追加されることになるた
め、今回の修正により不参加FFIへ支払う報告対象と米国口座
に係る報告対象とに平仄がとれることになります。
今回の
不参加FFIと取引を行っていない金融機関については、
修正の影響はありません。
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https://www.irs.gov/pub/irs-drop/n-16-08.pdf
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