2016年2月 - 国家公務員共済組合連合会 呉共済病院

呉共済病院広報誌
地域医療支援病院
広島県指定がん診療連携拠点病院
災害拠点病院
広島DMAT指定病院
日本医療機能評価機構認定
人間ドック・健診施設機能評価認定
消化器内科 吉岡 京子
「はなのはたらき」
耳鼻咽喉科・頭頸部外科 髙橋 宏幸
そもそも鼻はいったい何のためにあるのでしょう?
ふだんあまり深く考えることはありませんが、実際にはいくつか大事な機能があります。
まず大前提として呼吸の通り道である(気道の一部である)、ということです。これにはすなわち、下気道
(つまり気管~気管支~肺)を防護する、という働きがあります。上気道は外界からからだに空気が入る入
口であり、食べ物なども通過することもあり、ある意味不潔な領域です。これに反し、下気道はより清潔で
繊細な聖域ともいえ、よりきれいな空気が入る必要があります。汚れて乾燥した冷たい空気は下気道には
向かないのです。鼻は、下気道に入っていく空気を浄化(吸気の加温加湿、塵埃や有害物質などの除去)
するフィルターのような役割があります。吸気中に含まれたホコリや微生物などは鼻の粘膜をおおう粘液
に吸着され、くしゃみや鼻をかむことで体外に排出されています。また、外気は適度にあたためられ、湿り
気をおびて入っていくのです。これらの働きが悪いと、下気道の炎症(肺炎等の重篤な感染症)にも発展す
ることもあるのです。
また、鼻には嗅覚(ものをにおうこと)という大事な働きもあります。においがわからないと、ガス漏れの
においがわからない、食べ物が腐っているのがわからない、など身の危険にさらされることもありえます。
それに音の共鳴にも関わっています。声を発するときに鼻が詰まっていると、共鳴が不良で、周りの人
が非常に聞きづらい発音になります。
鼻が悪くなる(鼻づまりなど)と、これらの働きが失われ、非常に困った状態
になる訳です。
風邪による鼻炎、スギ花粉やダニなどによるアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎
(ちくのう)、などいずれも鼻の機能障害を起こします。鼻の不具合については
耳鼻咽喉科でご相談ください。
―病院の理念―
高度良質の医療
最善の奉仕
研鑽と協調
地域医療の支援
―病院の基本方針―
一 良質で、適切な医療の提供に努めます
二 患者様の権利を尊重し、満足・安心・信頼を追求します
三 新しい知識と技術を積極的に習得し、常に質の高い先進的医療を行います
四 地域の中核病院として、地域社会の要請に応えうる医療を提供します
五 職員が意欲を持って働ける病院をめざします
六 次代を担う有能な医療従事者の育成をめざします
七 専門的ながん医療の提供に努めます
八 国内での医療救護活動に積極的に参加します
ME科 手術室主任 中野 孝
突然ですが、『きょうさいナウ』をご覧の皆さんは「臨床工学技士」という職種を御存知でしょうか?
「透析の人よね?」「ドラマで見たけど心臓止めるんでしょ?」と言ったご意見を耳にすることも増え、
一般の方への知名度が徐々に増えているのを実感しています。一方で、「レントゲン撮る人よね?」
「血液検査する人でしょ?」といったご意見もまだまだございます。
そこで今回は、「臨床工学技士」と「ME※1科」について簡単ですがご紹介させていただきます。
※1 ME とは“Medical Engineer=医用工学”の略です。
1.「臨床工学技士」
簡単に申し上げると“医療機器の専門職”です。
1988 年 4 月に誕生した国家資格で、まだ 27 年しか経っておら
ず、他の医療職と比べて比較的新しい職種です。その業務は、
“医師の指示の下に生命維持管理装置の操作及び保守点検を
行うこと”とされています。生命維持管理装置とは、呼吸を補助
する人工呼吸器、心臓と肺の機能を代行する人工心肺装置、
血液透析などで使用する血液浄化装置、徐脈を治療する心臓
ペースメーカ、心臓が痙攣した時に電気ショックを掛けて正常に
戻す除細動器、などを指します。業務の分類として表に示す通り
細分化されています。
初めまして!!
臨床工学技士会
マスコットキャラクターの
「シープリン」
です。
☆具体的な業務の分類☆
機器管理部門
・呼吸治療業務
・人工心肺業務
・手術領域(周術期を含む)での業務
・心・血管カテーテル業務
・その他の治療関連業務(除細動器)
・ペースメーカ業務
・植込み型除細動器(両室ペーシング機能
付き植込み型除細動器を含む)
・集中治療領域での業務
・保守点検関連業務
血液浄化センター部門
・血液浄化業務
・集中治療領域での業務
・保守点検関連業務
2.「ME科」
当施設では、8 名の「臨床工学技士」が「ME科」に所属
しています。血液浄化センター部門と機器管理部門に 4
名ずつ配置され、生命維持管理装置の操作・管理、およ
び医療機器の保守・点検・管理を行っています。平均年齢
は 29 歳ですが、各学会認定資格である「透析技術認定士」
2 名、「体外循環技術認定士」2 名、「呼吸療法認定士」2
名が在籍し、日々自己研鑽に励んでいます。また、近隣
の臨床工学技士養成校の実習病院として毎年多くの実習
生を受入れ、教育へ積極的に携わっています。
今後、益々高度化していく医療機器の安全確保と有効
性維持の担い手として、これからもチーム医療に貢献して
いきたいと思います。
―患者さまの権利―
一
二
三
四
個人の尊厳は尊重されます
平等な医療を受ける権利を有します
最善の医療を受ける権利を有します
知る権利を有します
五 自己決定権を有します
(検査・治療の内容)
(セカンドオピニオン)
(治験・臨床研究への参加)
六 プライバシーの権利を有します
等々