講義3

感覚情報の符号化
• 次図は刺激の強さと受容器の応答の様子を
示している。
(a)弱い刺激により
起動電位だけが
生じている
(b)強い刺激により
起動電位にインパ
ルスが重畳している
• 心理実験において感覚の大きさは刺激強度
の対数におおよそ比例することが知られてい
る(Weber-Fechnerの法則)。
• この非線形性は多くの場合受容器電位の段
階で起こっている
左図は刺激強度に対する
起動電位の変化を表して
いる。
(a)刺激強度に比例する例
(b)刺激強度の対数に比例
する例
• 起動電位とインパルスの頻度は比例関係で
ある。
• 非常に弱い刺激から強い刺激まで変化させ
ると受容器電位(起動電位)は次図のようなS
字状の変化を示す。
・弱い刺激では、あるしきい値まで受容器電位
は生じない。
・強い刺激では飽和する。
・その中間では前出のように刺激に比例、
あるいは刺激の対数に比例する特性を示す。
・インパルスは受容器電位に比例するため、同様の特性となる。
• 受容器に一定の大きさの刺激を連続して加
えた場合の反応を次図に示す。
受容器電位とインパルス
の頻度は次第に減少し、
感覚も減少していく。
これを順応(adaptation)
と呼ぶ。
光受容
• 網膜の構造
– 脊椎動物の網膜の構造を次図に示す。
光
• 網膜の層構造
– 視細胞層
外網上層(シナプス結合の層)
– 内顆粒層
内網状層(シナプス結合の層)
– 神経節細胞層
• 視覚信号の伝達
光
視細胞層
内顆粒層
電気信号
神経節細胞層
• 水平細胞とアマクリン細胞は横方向に結合して
いる。
• ミュラー細胞はグリア細胞の一種である
(グリア細胞とは他の細胞間隙を埋める細胞である)
• より詳細な網膜の構造図を示す
視細胞による光電変換作用
• 視細胞
– 錐体(corn)・・・色に反応する
– 桿体(rod)・・・・色に反応しない
円盤
• 外節において光の受容を行う。
• 外節内部には多数の円盤(disk)が
ある。
• 桿体では視物質としてロドプシンが含
まれる。
• 視細胞に光が当たると過分極を起こ
すようになっている。
• 視細胞電位発生の様子を次図に示す
膜電位変化のグラフ
明状態になると
膜電位は負の方に
変化する
・視細胞は暗の時に興奮しており、明になると興奮が収まる
• 受容器電位Vと刺激強度Iとの関係
V
I
=
Vmax I + σ
Vmax:受容器電位の最大値, σ:Vmax/2を与える刺激強度
1.2
1.2
1
1
0.6
0.2
0.2
0
1.
0
0.4
0
1
91
181 271 361 451 541 631 721 811 901 991
刺激強度
直線的になる
0.4
15
.8
39
.8
10
0.
0
25
1.
2
63
1.
15 0
84
.9
39
81
10 .1
00
0
25 .0
11
8
63 .9
09
5.
7
0.6
0.8
6.
3
0.8
2.
5
V/Vmax
V/Vmax
• 次第に1に収束する特性となる。
刺激強度
横軸を対数的に変化させた場合
• 光の強さに対する錐体の応答の様子
– フラッシュ光を当てたときの錐体の応答を測定
– 光の強さが強くなるに従い(値が負から0に近づく
に従い)受容器電位は負に大きく変化している
フラッシュの強さ(log(強さ))
光が強いほど負に大きく変化(過分極)
• 桿体と錐体の反応の違い
– 桿体の方が暗い光にも反応することが分かる
– 桿体は半径約250μm、錐体は約50μmの範囲
で電気的な結合をしており、この差が感度の差を
もたらす
より暗い光でも
反応が始まる
内顆粒層のニューロンによる情報処理
• 視細胞で受光した情報を一次処理して出力段の神
経節細胞に送る
• 水平細胞
– 視細胞と同様の応答
– 半径0.5∼1mm程度で電気的応答の空間荷重をする
– 視細胞への負のフィードバックがある
• 双極細胞
– OFF中心型とON中心型がある
• アマクリン細胞
– 光照射の開始時と終了時に脱分極するON-OFF型(時間
微分)
照射パターン。中心照射では
細胞の存在する中心に光が当たる、
周辺照射では細胞の周辺に光が当たる
照射時間
視細胞と同様に光が当たると
過分極をする
OFF中心では、中心に光が当たると
電位は下がる。ON中心では上がる。
周辺照射では中心照射と逆の
反応となる。
時間
ON-OFF型では照射開始と終了時に
電位が上がる。
時間
神経節細胞の応答
光
中心
過分極
周辺
• 視覚情報はここでインパ
ルス列に変換される
• 細胞にはON型、OFF型、
ON-OFF型がある
– ON型・・・中心視野への刺
激でインパルス発生
– OFF型・・・周辺視野への
刺激でインパルス発生
– ON-OFF型・・・刺激開始時
と終了時にインパルス発生
この部分のインパルスは
反応無し
光を当てた影響とは異なり
通常時の応答である。
ON型
ON-OFF型
OFF型
色覚
• 錐体により検出する(ピー
ク波長により3種類に分
かれる)
– L錐体・・・赤
– M錐体・・・緑
– S錐体・・・青
波長
S錐体
錐体によって
受容器電位の
生じる波長が
異なる
• 三原色が視細胞の段階
で生じていることが分か
る
M錐体
L錐体
波長の値を飛び飛びに変化させて
光を当てていった場合の錐体の
反応(コイによる実験)
S錐体
M錐体
L錐体
標準偏差
各錐体の応答するスペクトル(多数の錐体で測定)