Oracle Customer Snapshot 株式会社多慶屋 クラウドサービスを活用して多次元分析が可能な管理会計 システムを構築、リアルタイムの経営判断を支える精細な レポート作成とコスト削減に成功 「Oracle Planning and Budgeting Cloud Serviceの導入により、販売チャネルなどの新たな切り口でデータを集計・分析できるようになり、増え続ける インバウンドのお客様に対応するための“打つ手”が見えてきました」―株式会社多慶屋 営業企画部 課長 志賀隆広氏 多慶屋は、東京・台東区で9店舗を展開する 総合ディスカウント・ストアである。1947年 の創業以来、JR山手線御徒町駅付近を中心に、 着実に店舗を増やし続け、1日平均2万人以上 の購買客が訪れる一大ショッピングタウンを 形成、地域商業の振興を支えている。取り扱 う商品は、家電製品、家具、オフィス用品、衣料 品、時計、宝飾品、食品、酒類、日用雑貨、スポー ツ用品、薬、化粧品、文房具など、きわめて多岐 にわたる。 近年は、インバウンド(海外からの訪日客) への対応に注力しており、2014年4月、成田空 港とのアクセスがよい上野に新店舗「多慶屋 SELECT 上野店」をオープン。2015年12月には、 中国最大手のECサイト・アリババグループ (阿 里巴巴集団)が提供する決済サービス「アリペ イ」 (Alipay)を日本国内でいち早く導入した。 総合ディスカウント・ストアの草分けとして の歴史と実績をベースに、常に時代の波を的 確にとらえ、 新たな可能性を拓くことに挑み続 けている。 課題 導入効果 • 売場が45フロアに分かれる多館構造・複数 • Oracle Planning and Budgeting Cloud Service(以下、Oracle PBCS)の導入により、 階層において、多様な切り口で損益を分析で きるシステムを導入し、よりリアルタイムな データに基づく経営管理を実現する • 売上げに占めるインバウンドの比率増加に 対応すべく、従来の日本人顧客を対象とした メンバーズカードの会員/非会員という仕 訳だけでなく、 「免税」 (=販売チャネル) も科 目に加えた管理会計の仕組みを構築する • Excelを利用した従来型の会計処理ではレ ポートの作成などに時間がかかり、配賦計算 や組織変更に伴うデータの組み換え作業が 煩雑なため、新たなシステムの導入により業 務の効率化・合理化を実現し、コストの削減 を図る • 管理会計の仕訳を1人の経理担当者が担う 属人的なシステムの在り方を改善し、担当者 不在時に業務が停止するリスクなどを回避 する • 会社の重要な資産であるデータを安全かつ 確実にバックアップできる仕組みも用意 する ■ PBCS 概要図 フロア・ 販売チャネル軸 商品軸 全分類 全フロア 全販売チャネル 分類A フロア1 チャネル1 分類B フロア2 チャネル2 分類C フロア3 チャネル3 従来の「商品カテゴリ」 「フロア」 「店舗」の軸 に、 「販売チャネル」を加えた4次元の管理会 計が可能になり、ビジネス環境の変化に対 応できる仕組みが実現した • 商品カテゴリだけでなく、もう一段粒度の 細かい商品分類別での損益算出が可能とな り、商品ごとの売上げや総利益に加え、営業 利益も分析できるようになった • 必要なデータを即時に抽出できるため、商 品カテゴリ別や店舗別のレポート作成の時 間を短縮しつつ、より幅広い切り口でのレ ポートの作成も可能となり、レポートの定 型化による社内への定着が進んだ • 従来では難しかった詳細な分析や数字の組 み立てが可能になり、データを経営戦略に 活かせる環境が整備できた • Excelとの親和性が高いため既存の情報資 産を活用でき、経理部門だけでなく現場の 社員もデータの入力・加工などがおこなえ る環境が実現した 株式会社多慶屋 営業企画部 課長 株式会社多慶屋 経理部 課長 志賀 隆広氏 高安 寛氏 • 自社の業務に合わせて設計し導入すること で、経理部門だけでなく営業部門の責任者 も必要なデータを自ら閲覧・分析できる仕 組みが実現した • 手作業による処理の大半を自動化すること で、入力や確認などの作業時間を約3割短縮 することで、関連する人件費の削減と属人 化のリスク回避も併せて実現した • Excelの計算式では新たな商品分類を追加 する際に全体を変更する必要があったが、 新システムでは定義のみで自動計算される ため、改定時の省力化が実現した • 毎日自動的に実行されるデータのバック アップによって、経理担当者の手を煩わせず に重要な情報資産を守る体制を構築できた • クラウドサービスを利用することにより、 イニシャルコストとランニングコストを低 く抑えられた オラクル選定理由 オラクルによる製品デモにおいて、多次元 軸でデータを分析してレポートを作成でき る点が、多館構造・複数階層の売場を展開す る同社の環境に最適と判断された。さらに、 Excelとの親和性、セキュリティに優れたバッ クアップ機能、クラウドサービスならではの 低コストなど、他の管理会計ソフトに比べ数 多くのメリットがあることからOracle PBCS の導入を決定した。 「他のBIツールはイニシャルコストが高く、 Hyperionも 高 価 で 手 が 届 か な い と い う 認 識 で し た が、PBCSは ク ラ ウ ド 版 で 安 価 に Hyperionの機能を提供していることから当 社でも採用可能であると判断しました。ま たクラウドであれば、高度な機能と安全性が 担保されたオラクル製品をリーズナブルな コストで利用できるので、社内での提案時に 説得力がありました」―株式会社多慶屋 営業 企画部 課長 志賀隆広氏 「管理会計は他社様もExcelを使ってやってい るところが多いと思いますが、属人化しやす いところが難点でした。その点Oracle PBCS はITに詳しくない現場のスタッフでも使い慣 れたExcelでデータを入力・加工でき、データ の整合性も保たれるため、経理担当者の負担 を大きく減らせる製品だと実感しました」― 株式会社多慶屋 経理部 課長 高安 寛氏 導入プロセス 2015年5月から検討を開始し、6月中旬に プロジェクトをキックオフ。システムの構 築と並行して、導入パートナーの株式会社 ジールからスキルトランスファーを受け、2 カ月で導入を完了。予定どおり9月に新シス テムの稼動を開始した。 「多慶屋様にとって初めてのクラウドサービ スの導入であり、担当者がIT部門以外の方と いうなかで、お客様と二人三脚で準備を進め ることで、わずか2カ月間という短期導入を 実現できました」―株式会社ジール 営業本部 副本部長 菅田信正氏 オラクル製品とサービス •Oracle Planning and Budgeting Cloud Service (本事例は2015年12月のものです。) Oracle Customer 株式会社多慶屋 ・URL:www.takeya.co.jp/ ・業種:Retail ・年間売上:284億円(2015年2月期) ・従業員数:407名(2015年2月期) Oracle Partner 株式会社ジール ・URL:www.zdh.co.jp 「多慶屋様の全社一丸となってシステム化を 推進する強い意志と、もともとExcelによるロ ジカルな管理会計がおこなわれていたこと が、新システムへの円滑な移行につながった と感じています」―株式会社ジール SI第一本 部 CPM事業部 事業部長 中垣雅博氏 パートナー Oracle PBCSの導入にあたり、小売業に精 通したSIer(システム・インテグレータ)と して株式会社ジールがプロジェクトに参画。 的確なスキルトランスファーの提供、疑問や 不明点などに対する迅速なレスポンスを通 じて、多慶屋が求める理想的なシステムの構 築に貢献した。 Copyright © 2016, Oracle. All rights reserved. *Oracle と Java は、Oracle Corporation およびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。 文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。 Published January 2016
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