No.38 【鮎】

週の初めにインフルエンザが増え
ます。終末の過ごし方が大切です。
学校教育目標
やさしく
かしこく
たくましく
家庭・地域と手をたずさえて
太田市立沢野小学校
H28/01/21 № 3 8
(文責:服部)
℡
0276-38-0455
折 れ な い 心・し な や か な 心
子どもの心を育てる
バネのように、元に戻ろうとする力を、心の働きとして【レジリエンス】
と言います。<折れない心><しなやかな心><たおやかな心>です。
村 瀬 嘉 代 子 (む ら せ
か よ こ )さ
んは、子どもの「しなやか心」を育てるための
方法を、次のように教えています。
村瀬嘉代子:こころの「しなやかさ」と「つよさ」/児童心理№925(金子書房)
基 本 は 、「 身 近 な 日 常 生 活 を 大 切 に 」 で す 。 具 体 的 に は 、 次 の 4 つ で す 。
1 家族の生活できちんとあいさつ
<相手の人格を認める基本です>
2 バランスの取れた食事
<栄養だけでなく、家族のコミュニケーションができます>
3 子どものお手伝い
<自分は役に立っているという自信をもちます>
4 さまざまな実体験
<観察や気づきを通して、自分の力で分かる喜びを感じられます>
以上のように、村瀬さんは特別のことを紹介しているのではありません。
1~3は、家庭ですぐにできます。毎日の普通の生活の中にあります。
4は、地域でも家庭でも学校でも、いろいろ体験する機会があります。
【レジリエンス】研究というと、何か難しいことをしなければならないように
聞 こ え ま す 。で も 、こ こ で 紹 介 し て い る よ う に 、毎 日 の 普 通 の 生 活 の 中 に こ そ 、
【 レ ジ リ エ ン ス 】が あ る と 思 っ て い ま す 。普 通 の 生 活 が 折 れ な い 心 を 育 て ま す 。
同じ本の中の、村瀬さんの次の言葉を紹介します。
① 子 ど も が し な や か な 心 の 力 を も て る よ う に 育 つ た め に は 、大 人 は 日 々 の 生 活
に心を込めて、身近な普通のことを普通に行うことが実は何より大切である。
② 普 通 の 生 活 を 普 通 に 営 む こ と が 基 本 で あ る 。さ り げ な く し か し 配 慮 の こ も っ
た生活を営んで、子どもを育てていくことは容易ではないが、大切にしたい。
そ れ ぞ れ の 家 庭 で 日 々 忙 し い 生 活 を 送 っ て い る と 思 い ま す 。私 た ち 学 校 の 職 員
も家庭人としては忙しく生活をしています。それは同じです。だからこそ、自分
自 身 へ の 反 省 を 込 め て 、特 別 な こ と で は な く 当 た り 前 の 生 活 を 普 通 に 送 る こ と を
大切にしたいです。生活チェックウィークの内容も特別なことではありません。
普通に生活をして、子どもの折れない心・しなやかな心が育つなら、こんなに
素晴らしいことはありません。
当たり前のことを積みあげる。もしかしたら、当たり前のこと、簡単なことが
一番難しいのかもしれません。でも、それが子どもの力になります。
以 前 、あ る 機 会 に ご 一 緒 さ せ て い た だ い た プ ロ の オ ペ ラ 歌 手 の 方
が 次 の よ う に お っ し ゃ っ て い た の を 思 い 出 し ま し た 。冗 談 ま じ り に
(ちょっと物騒な言い方ですが)
「私たちを殺すのに刃物はいりません。
全 音 符 が 2 小 節 あ れ ば 十 分 で す 。」( 息 が 続 か な い か ら で す )。
子 ど も を ダ メ に す る の も 簡 単 で す 。「 げ ん こ つ は い り ま せ ん 。 悪 い 手 本 を 見 せ
れ ば 十 分 で す 。」
表 で 紹 介 し た 村 瀬 さ ん の 言 葉 に『 子 ど も を 育 て て い く こ と は 容 易 で は な い 』が
あります。本当にそうです。容易ではありません。面倒なことかもしれません。
子 ど も の 命 に か か わ る 行 動 の 、悪 い 見 本 が あ り ま す 。
沢野小・正門のところの横断歩道のない道路を横断す
ることです。①。
子どもたちには、南の手押しの信号を渡るように指
導をしています②。子どもたちは自動車が止まってか
ら渡ります。お子さんに聞いてください。子どもたち
が守れることを大人が守れないはずはありません。
確かに、南の手押し信号・横断歩道を渡るのは面倒
かもしれません。子どもたちに『命を守るよい手本を
見 せ る 』に は 遠 回 り が 必 要 で す 。面 倒 な 道 を 通 り ま す 。
子 ど も た ち を 指 導 に 来 て く だ さ っ た あ る 団 体 の 方 が 、正 門 の と こ ろ か ら 反 対 の
歩 道 へ 全 員 で 渡 っ て い き ま し た 。社 会 的 に 認 め ら れ て い る こ の 団 体 の 方 々 は 、授
業 の 中 で 子 ど も た ち が 真 剣 に 取 り 組 ま な い 場 面 で は 、き つ く 子 ど も た ち を 叱 っ て
い ま し た 。外 部 の 大 人 に 叱 ら れ る こ と は 大 切 な こ と で す 。こ の こ と は あ り が た い
と思いました。でも、学校を出るときの行動はとても残念でした。
子どもを育てるのは、容易なことではないのです。面倒なこともあります。手
間のかかることもあります。それは、家庭でも地域でも学校でも同じです。一番
簡単なことが一番難しいのです。でも、そのことで、子どもは学びます。子ども
は育ちます。普通の生活を積み上げて、子どものしなやか・折れない心を育てま
しょう。校歌では、子どもたちをしなやかに飛び跳ねる鮎と歌っています。
校 歌 3 番 に は 、「 利 根 の 早 瀬 を の ぼ る 鮎 ( あ ゆ ) 」 の 鮎 が 登 場 し ま す 。 鮎 は
若 さ を 表 し ま す 。「 若 鮎 」 と い う 言 葉 も あ り ま す 。“ 早 瀬 ( 速 い 流 れ ) に 負
け ず に 利 根 川 を の ぼ っ て ほ し い 。” と い う 強 い 願 い が あ る の で し ょ う 。
校 歌 1 番 に は 「 揚 げ 雲 雀 」( ひ ば り )、 2 番 に は 「 群 雀 」( す ず め )、 そ し
て3番には「のぼる鮎」が登場しています。子どもたちを表していると思
います。作詞者・大槻三好先生の子どもたちの成長への願いを感じます。