第4回最優秀作品

高校生作文コンテスト
高校生作文コンテスト 最優秀作品
最優秀作品
『障がい児
がい児に「害」はない』
はない』
福島県立光南高等学校
福島県立光南高等学校2
高等学校2年
小笠原 朱望
私の妹は、知的障がいをもっています。幼いときから障がいについて身近に感じ
様々な問題にぶつかってきました。小学校の時も中学校の時も言葉がうまく話せないな
どということを恥ずかしいと思ってきました。そのため、いつの間にか妹のことを隠す
ようになりました。
高校に入り、保育の授業を選択し障がい児保育について学ぶ機会がありました。
学ぶうちに、障がいについてもっと知りたいと思うようになりました。「課題研究」
という授業では知的障がいについて調べました。そこでは、実際に妹が通っている養護
学校へ行き、担任の先生から普段の学校生活の様子を聞いたり、妹が作った作品など見
せていただき、家とは違う妹の姿を見ることができて、とても良い経験になりました。
そして、さらに研究を進めた結果、知的障がいについての理解を深められ、自然と妹を
恥ずかしいと思う気持ちがなくなっていきました。
ある時、友人と障がい児について話す機会がありました。友人の口から出てきた言葉
に私は、驚きました。「障害児とかって書く人がいるけど、別に害があるわけじゃない
のに変だよね。」私は友人がこのように考えていたことにとても感動しました。友人も
障がい児について調べていました。友人のレポートを見ると全て「障がい児」と書かれ
ていました。このことをきっかけに、私も「障がい児」と書くようになりました。
私は少し前まで、他の子供より発達が遅れているというだけで馬鹿にされるとか
恥ずかしいことだ、と考えていました。しかし、その考えは間違っていました。
障がいも一つの個性なのです。今までを振り返ると、妹のことを隠していたり、恥ずか
しいと思っていた自分が恥ずかしいな、と思いました。妹がいなければこのことに気付
くことなく大人になっていたと思います。
この大切なことを教えてくれた妹に言いたい言葉、それは「ありがとう」という
言葉です。今では、友人に妹のことを隠さずに話をしています。