キノコの培地からお酒を作る

キノコの培地からお酒を作る
✿目的✿
去年の研究でシュレッダー紙培地からエタノール
が生産されたことが分かり、今回はそれをふまえ
てお酒を作ることに決めました。また、キノコの菌
糸をうまく活用できないかと思い研究を始めまし
た。
✿お酒作りの原理✿
玄米
↓
白米
↓
↓こうじ・酵母
もろみ
↓
清酒
一般的な清酒作りでは、図
のようにこうじや酵母などを
加えて作りますが、キノコでお
酒を作る場合、こうじや酵母
の変わりにキノコの菌糸がこ
の役目を果たすため、新たな
お酒として注目されている。
✿実験内容✿
1 PDA培地の作成
① PDA粉末を3.9g測る。(10本分の量)
② ①をメスシリンダーに入れイオン交換水であ
わせ加熱をする。
③ 10mlずつ試験官に入れ、オートクレーブに
かける。
④ オートクレーブ終了後傾けて、斜面培地を作る。
2 キノコの組織培養
① クリーンベンチ内で子実体(エリンギ)のかさ
に切れ込みを入れ、半分に裂く。
② ①から5㎜ぐらいの正方形に切り取る
③ 1で作成したPDA培地に移植する。
④ インキュベーター内で菌糸が生えるまで保管す
る。
3 米液体培地の作成
① 米30gをとぎ5gずつ三角フラスコに入れる。(培地
6個あたりの量()
② 水を200ml~300ml程加え、オートクレーブにかけ
殺菌と加熱を行う。
③ 常温まで冷やす。
④ 2で移植した培地から、菌糸をとり米液体培地に移
殖する。
⑤ インキュベーター内で保管しながら、1週間ごとに培
地をふる。
★ソモギーの変法★
ソモギーの変法は物質の還元糖量を調べる実験。
今回、ソモギーの変法では3で作成した、培地を2つ使い
実験を行った。これにより、お酒作りのもろみの部分の還
元糖量を調べることにより、キノコの菌糸が米をどれだけ
糖にかえているのか調べる。
4 ソモギーの変法 ☆実験方法☆
(1)試料を作る
① 3で菌糸がまわった培地を遠心分離機にかける。
② 上澄みを取り、50倍希釈と10倍希釈のものを
作る。
(2)ソモギーの変法
① 三角フラスコに、試料・A液・イオン交換水を5mlず
つ入れる。(ブランクはA液5mlとイオン交換水10ml)
② 3分間加熱する。
③ B液・C液をそれぞれ、5mlずつ入れる。
④ D液で滴定する。
⑤ 指示薬を入れる。
⑦ またD液で滴定する。
(3)計算する
試料中の還元糖(%)=(b-a)×F×S×希釈倍率
×100÷5000
・b・・・ブランク
・a・・・滴定値
・F・・・D液のファクター
・S・・・1.449
・希釈倍率(50か10)
✿ソモギーの変法の結果✿
・微量ではあるが還元糖の増加がみられた
・4回目で糖が低下した
✿ソモギーの変法の考察✿
・微量ではあるが還元糖の増加がみられた。
・今回の実験だけでは培地にどれだけの還元糖および糖が
含まれるのか分からない。
・実際には培地中にはほんの微量しか糖は含まれない。
・試料の保存状態や濃度によって、的確な値が出ていない
可能性がある。
✿全体の反省と感想✿
・今回の研究は今までに行った事がなく何も資料がないま
ま行ってしまい、計画的におこなえなかった。
・米液体培地の作成では、きちんとした計画がなく手探り
まま行ったので培地自体がお酒になるのかは分からなくな
ってしまった。
・培地の保存状態も悪く結果的に飲めるお酒まで作れな
かった。
・清酒作りをもとにキノコの菌糸を使った場合どんな効果
が現れるのか、調べるたいと思った。
✿今後の課題✿
・1年間この研究を行い米液体培地を
作ったことで分かったことがいくつか
あったので、それを元に私たちが最後
までできなっかった、お酒作りを引き
継いでいってほしいです。また、違う
子実体を使い実験行ってほしいです。