滋賀県から発見された ニセクビボソムシの新種の標本を

資料提供
(県政・南部同時)
提供日:平成 28 年(2016 年)1 月 19 日(火)
部 局:琵琶湖環境部
所 属:滋賀県立琵琶湖博物館
担当者:八尋克郎・桝永一宏
電 話:077-568-4811
E-mail:[email protected]
滋賀県から発見された
ニセクビボソムシの新種の標本を展示します
日本甲虫学会の斎藤昌弘氏によって、滋賀県から新種として記載されたニ
セクビボソムシ科に属する 2 種の標本が、
昨年 12 月に琵琶湖博物館に寄贈さ
れました。博物館では、この新種の貴重な標本を期間限定で展示します。
1 種は滋賀県大津市園城寺町から見つかった新属新種で、ヨツモンシガニ
セクビボソムシ Shigaderus nakagawayui と命名・記載されました。
属名の Shigaderus(シガニセクビボソムシ属)は滋賀県に因んだもので、
種名の nakagawayui は最初の採集者である滋賀むしの会会員の中川優氏に因
んでいます。
もう 1 種は、Ariotus(ナガニセクビボソムシ属)の新種で、キバネナガニ
セクビボソムシ Ariotus takedai と命名・記載されました。
昆虫類は種類が多いため、滋賀県の昆虫相はよく分かっていません。本新
種の発見は、滋賀県の昆虫相を解明する上で重要な意義があります。
本新種のタイプ標本は、琵琶湖博物館に収蔵されています。この 2 種の記
載論文は、日本甲虫学会誌「Elytra」に掲載されています。
琵琶湖博物館では、以下の要領で本新種の標本を展示します。
記
【展示期間】平成28年(2016年)1月23日(土)~ 4月10日(日)
【開館時間】9:30~17:00(入館は 16:30 まで)
【休 館 日】月曜日(3 月 21・28 日は開館します)
【会
場】琵琶湖博物館 アトリウム
【観 覧 料】無料(ただし、常設展示をご覧になる方は観覧料が必要です)
ヨツモンシガニセクビボソムシ
Shigaderus nakagawayui
キバネナガニセクビボソムシ
Ariotus takedai
本種は、大津市の園城寺町や神宮町の照
葉樹林の葉上から見つかりました。本新
属は Aderus(ニセクビボソムシ属)と近
縁ですが、オスの前肢の付節が幅広くな
ることで区別されます。
本種は、滋賀県大津市園城寺町か
ら見つかっています。
【記載論文】
Saito, M and Daniel K. Young, 2015. Descriptions of a new species Ariotus (Coleoptera,
Aderidae) and a new genus and species of Aderidae from Honsyu, Central Japan, with
a key to the genera of Japanese Aderidae. Elytra, Tokyo, New Series, 5(2): 453-462.
【タイプ標本とは】
新たに種の学名をつけるため、記載論文中で使用され、種の記載で指定された標本(あ
るいは標本シリーズ)のこと。
【ニセクビボソムシ科とは】
体長が 4mm 以下の甲虫の仲間で、世界から 900 種、日本から 25 種が知られています。
食性や生活史など生態はあまり分かっていませんが、樹葉上で見つかるほか、枯草の堆
積下などで見つかります。