パルス電源や Hi-f T トランジスタなどの最新技術を投入

SONY TA-N86
\90,000(1978 年発売)
パルス電源や Hi-fT トランジスタなどの最新技術を投入して開発
されたステレオパワーアンプ。
低音域の位相回転による原音波形の崩れと、高音域の過渡応
答特性低下に伴なう倍音成分の再現性劣化を改善するため、
DC アンプの充実と Hi-fT トランジスタの開発という 2 つの手段で
音質向上を図っています。
初段には、ソニー独自の半導体技術を生かし
て開発された温度ドリフトの非常に少ないデ
ュアル FET を使用しており、DC アンプで問題
となる動作点を安定させています。
パワートランジスタには Hi-fT トランジスタを採
用しています。
バイポーラトランジスタは大電力を扱うほど高
域の信号に対する応答特性が悪くなる傾向
があります。これはスイッチング歪を発生させ
高音のクオリティを損なう原因となります。こ
の点を改善するため、細かいライン状のパタ
ーンをとった Hi-fT トランジスタを開発し、大電
力にも充分な安定動作を可能にしています。
この Hi-fT トランジスタは高域応答特性の良い
小電力トランジスタを無数に集積したようなも
ので、遮断周波数は従来の 4MHz~20MHz に
対して 60MHz 以上まで伸び、高域応答速度
が非常に早くなっています。これにより高域の
再現性も向上しています。
電圧増幅段は 3 段差動 DC アンプ構成となっ
ています。
この回路では NF をかける以前の裸特性の向
上を追求しており、歪率を極めて少なくしてい
ます。また、ゲインも十分にとれるため NF ル
ープにおける歪も低減されています。さらに
初段(ソース側)と次段(エミッタ側)にはイン
ピーダンスの大きい定電流回路を挿入し、電
源電流の変動を抑えて音質向上を図ってい
ます。
電力増幅段は 3 段ダーリントン DC アンプ構成となっています。
一般に電圧増幅段・中段で大きなゲインを得るためには、トランジスタの負荷抵抗を大きくする必要があります。そ
の場合、電力増幅段の入力インピーダンスが充分高くなければなりません。ダーリントン接続ではトランジスタの
内部抵抗が実質的に 2 倍となるため、電圧増幅段・中段の能力を活かすことができています。
電源部には 4 年の開発期間を経て誕生したパルス電源を採用しています。
パルス電源は、AC100V をダイレクト整流して 20kHz のパルスに変換し、高周波トランスで降圧したのち再整流す
る構造となっています。この方式では電圧変動が少なくなっていますが TA-N86 ではさらにパルス幅制御定電圧回
路を併用することで徹底を図っています。パルス幅制御定電圧回路では電圧変動をパルス幅の変化に変換して
おり、このパルス波形と逆の形に 1 次整流回路で得られた DC を ON-OFF することで変動分がキャンセルされた
電圧を得ています。これにより電圧変動率を 1%以下に抑えています。
パルス電源では AC100V はアンプに入ったとたんに DC 化される
ため、50Hz/60Hz AC 電源による磁気漏れが基本的にありませ
ん。このため、ハムによる信号系の干渉は皆無となっています。
また、パルス整流方式では整流しただけでほぼ直流状態となり、
脈流成分は直流をパルス変換するトランジスタのスイッチングタ
イム分だけとなり、脈流成分はほぼゼロとなっています。
A 級動作、B 級動作、モノラル動作の切換えが可能です。
A 級と B 級の切換えには、バイアス電流の供給の仕方をリレー回路で変える設計を採用しており、簡単に A 級/B
級切換えが可能です。また、プリント基板上の適切な位置にリードリレーを設け、リアパネルのスイッチリモートコン
トロールする構造にすることで、信号経路の最短化を図っています。
内部コンストラクションは左右チャンネルの信号系を分離したツインモノ構成となっており、相互干渉による音質劣
化を抑えています。
SONY TA-E88
\200,000(1977 年発売)
各ブロックの回路構成や回路を構成する各素子、配列を含むコンスト
ラクションなど、ひとつひとつを徹底的に追求し、個々のブロックの性
能を最大限に引き出す事でクオリティの向上を図ったプリアンプ。
TA-E88 は、2 台のモノラルアンプを組合わせた構成を、可能な限りシンプルにまとめ上げています。このため、入
出力端子が上面にセットされており、アッテネーターやスイッチなどの操作部品もプリント基板上にマウントされて
います。
これにより、各回路は信号経路に沿って一直線に接続されたレイアウトとなっています。
アッテネーターやバランサー用のボリュームには、摺動部に金を蒸着した導体を採用した超低雑音・高精度ボリュ
ームを採用しています。
また、カップラーを介して不要振動をなくした構造と銀クラッド接点による高信頼性のセレクタースイッチや、無共振
コンデンサー、高精度金属被膜抵抗、半導体などに厳選したものを使用しています。
ヘッドアンプは低雑音特性の LEC トランジスタを複数個並列に接続することで低歪化を図っています。
また、イコライザーアンプとフラットアンプには、デュアル FET による差動回路、カスコード接続、カレントミラーやダ
イヤモンド回路などの回路技術を投入しており、インプットバッファアンプには出力段を除きイコライザーアンプとほ
ぼ同じ回路構成を採用しています。
これらの回路は全て DC アンプ構成となっています。
電源部は左右 ch 用にそれぞれ専用電源トランスを用いており、FET バッファ電源による 4 系統独立電源方式を採
用しています。
10kΩ~100kΩの負荷抵抗、100pF~500pF の負荷容量が切替えられるカートリッジロード・セレクターを搭載してい
ます。
Phono 信号のローカットフィルタースイッチを搭載しています。
クイックアクセス式のファンクション・セレクター、2 系統テープモニタースイッチ、モードスイッチを搭載しています。
出力レベルが 0dB、-10dB、-20dB、OFF に切替えられるアウトプットレベル・セレクタースイッチを搭載しています。