「株や社債をかたった投資詐欺」被害防止

「株や社債をかたった投資詐欺」被害防止コールセンター
通報状況の概要(平成 27 年 12 月)
1.平成 27 年 12 月中に受理した通報の概要
(1)通報件数
●
月中に受理した全通報件数は 72 件。
1営業日当たりの平均通報件数は約3件。
(2)購入・取引を勧誘された商品
①
月中において最も多かったのは、「その他」の 42 件(58%)。
② 「その他」は、例えば、以前未公開株式を購入した被害者に対し、当該株式
を買い取るとして、手数料等の金銭をだまし取るもの、あるいは被害者を投資
話に絡んだ犯罪やトラブルの当事者に仕立て上げ、その解決のための金銭を要
求するもの。手口は時々刻々と変化し、多様化。
③
安易に相手の言うことを信用せず、支払いをする前に落ち着いてよく考え直
してみるなど、気を付けることが大切です。
(3)被害の金額
①
全通報件数 72 件のうち、実際にお金を詐取される被害に遭ったという内容
のものは9件(13%)
。
②
被害の金額は、合計で約 6,804 万円。
③
最大の被害金額は 3,000 万円(上場間近として未公開株の勧誘を受けて、購
入資金を支払ってしまったとの通報)。
④
万が一無登録業者から利殖関係の儲け話を聞かされても鵜呑みにせず、お金
を支うことには十分慎重になるべきです。
(4)勧誘・詐取の手段
① 勧誘手段で分類すると、従来の傾向から変わらず、電話やダイレクト・メー
ルといった直接対面しない形での勧誘がほとんど。
② 実際にお金を支払ってしまう場面で多いのが現金の郵便や宅配便での送付で
- 1 -
す。なお、現金を現金書留以外の郵便や宅配便で送付することは禁じられてい
ます。
③ お金の授受の手段が多様化してきていることに注意が必要です。
(5)通報者の属性
① 通報者の年齢で分類すると、60 歳以上が約 83%。そのうち一人暮らしは約
21%。
② 通報者の居住地で分類すると、東京都・愛知県・兵庫県が上位(別紙参照)、
今月は東京都からの通報が最多。
③ 大都市圏を中心に、お年寄りに集中的に勧誘が行われていると推測されます。
④ 一般に、お年寄りは、詐欺的な行為に遭った場合の対処に慣れておらず、ま
た独り暮しのお年寄りを中心に、こうした場合に誰にも相談することができず、
被害が埋没してしまうと言われています。
⑤ お年寄りの家族や近隣地域が、お年寄りの行動の変化に日頃から注意を払う
ことが重要です。
万が一無登録業者による未公開株等の勧誘を受けたり、実際にお金を支払いの話
が持ちかけられた場合には、「株や社債をかたった投資詐欺」被害防止コールセン
ター(電話:0120-344-999)に通報するようにしてください。
(※平成 27 年7月より「未公開株通報専用コールセンター」から名称変更致しまし
た)
- 2 -
最近の手口
最近の「株や社債をかたった投資詐欺」被害防止コールセンターに寄せられている通
報に見られる手口をご紹介いたします。
【事例】
通報者Aさんは、仲介業者B社から、大手通信会社の子会社の社債購入に係る申込
書(1 口 50 万円、100 万円)と金券 10 万円分が封入された郵便を受け取った。
当該金券は現金にも替えられるし、社債の購入資金にも利用できるとのことであっ
た。
その後、仲介業者C社から電話連絡があり、「通報者宛てに、当該通信子会社から
金券は届いていないか。C社の顧客で、当該金券を集めている人がいる。15 万円で、
売却しないか。」との話があったとのこと。
【事例の解説】

典型的な「劇場型詐欺」の手口は、複数の業者が登場し、業者Xが、株式、社債
等を買いませんかと勧誘する。業者Yが、当該銘柄を高く買い取ると連絡を入れる。
オイシイ話だと思った被害者は、X社から株式等を購入するが、購入代金を支払っ
た直後にX社、Y社とも連絡がとれなくなり、購入代金をだまし取られるというも
ので、XとYは最初からだますことを目的に役割を演じるという手口です。
この事例は、その株式、社債等の購入には関係するものの、金券を対象とするも
ので、典型事例を派生したものと考えます。

最近の事例では、TV番組制作会社を騙り、
「未公開株式詐欺の被害回復特集番組
を企画しているので番組に参加してくれたら被害を回復します。」と持ちかけ、結局
は手数料等と称して資金を詐取しようとする、かなり大がかりなシナリオの事例が
あったように、次々と新たなシナリオの「劇場型」が出てきています。

この事例は、「実質的に 10 万円をあげます。」という事例です。普通に考えれば、
ありえない話ではありますが、業者に電話を掛けてしまうと、話術の高さから本当
の話のように思わされてしまうというのが実際のようです。相手から持ち込まれる
オイシイ話は相手にしないことが被害防止に大切なことです。

また、このような業者に連絡をすると、「あなたの銀行口座に代金を振り込む。」
と言われ、自分の個人情報を教えてしまうと、その情報が業者に出まわってしまう
- 3 -
ことになり、他の詐欺を呼び込むことにもなります。さらには、銀行口座の情報に
よりキャッシュカードの偽造が可能であり、暗証番号を入手すれば全額引き出され
ることにもなりかねないとも一般的に言われています。このような場合には、取引
口座のある銀行に相談した方がよいでしょう。

もし、こうした話を持ち掛けられた場合等には、相手方に連絡する前に「株や社
債をかたった投資詐欺」被害防止コールセンター(電話:0120-344-99
9)に通報するようにしてください。
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~~~ ご注意ください
~~~
高齢者が狙われています
①
一般に、お年寄りは、詐欺的な行為に遭った場合の対処に慣れておらず、また独り暮
しのお年寄りを中心に、こうした場合に誰にも相談することができず、被害が埋没して
しまうと言われています。
②
留守番電話にしておくか、ナンバーディスプレイのサービスを受けて、知らない者の
電話には出ないということが、有効な手段です。また、電話番号を非通知とする電話を
受け付けないサービスを利用することもいいでしょう。
③
お年寄りの家族や近隣地域が、お年寄りの行動の変化に日頃から注意を払うことが重
要です。
電話がかかってきたら
①
安易に相手の言うことを信用せず、支払いをする前に落ち着いてよく考え直してみる
など、気を付けることが大切です。
②
万が一無登録業者から利殖関係の儲け話を聞かされても鵜呑みにせず、お金を支うこ
とには十分慎重になるべきです。
③
実際にお金を支払ってしまう場面で多いのが現金の郵便や宅配便での送付です。現金
を現金書留以外の郵便や宅配便で送付することは禁じられています。1
④
お金の受け渡し手段が多様化してきていることにも注意が必要です。
万が一無登録業者による未公開株等の勧誘を受けたり、
実際にお金を支払ってしまった場
合には、日本証券業協会の「株や社債をかたった投資詐欺」被害防止コールセンター(電話:
0120-344-999)をはじめ、公的機関の相談窓口にご通報ください。
以
1
警察庁や国民生活センターにおいても同様の注意喚起がなされています。
○警察庁
「その宛先は大丈夫ですか?」
(実際に被害に遭われた方が現金等を送ってしまった住所)
(http://www.npa.go.jp/pressrelease/souni/furikome_jyusyo.pdf)
○国民生活センター
「宅配便でお金を送らないで!―他の商品と装わせてお金を送らせる手口に要注意!―」
(http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20130321_2.html)
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上
[別紙]
1.都道府県別通報状況(平成27年12月)
総通報件数 72 件
通報者の居住地
通報件数(件) 割合(%) 通報者の居住地
通報件数(件) 割合(%)
北海道
1
1.39%
滋賀県
0
0.00%
青森県
0
0.00%
京都府
2
2.78%
岩手県
1
1.39%
大阪府
5
6.94%
宮城県
2
2.78%
兵庫県
6
8.33%
秋田県
1
1.39%
奈良県
0
0.00%
山形県
1
1.39%
和歌山県
1
1.39%
福島県
2
2.78%
鳥取県
0
0.00%
茨城県
1
1.39%
島根県
0
0.00%
栃木県
2
2.78%
岡山県
2
2.78%
群馬県
1
1.39%
広島県
1
1.39%
埼玉県
2
2.78%
山口県
0
0.00%
千葉県
3
4.17%
徳島県
0
0.00%
東京都
9
12.50%
香川県
0
0.00%
神奈川県
4
5.56%
愛媛県
0
0.00%
新潟県
1
1.39%
高知県
0
0.00%
富山県
1
1.39%
福岡県
2
2.78%
石川県
3
4.17%
佐賀県
0
0.00%
福井県
0
0.00%
長崎県
2
2.78%
山梨県
0
0.00%
熊本県
2
2.78%
長野県
5
6.94%
大分県
0
0.00%
岐阜県
0
0.00%
宮崎県
2
2.78%
静岡県
0
0.00%
鹿児島県
0
0.00%
愛知県
6
8.33%
沖縄県
0
0.00%
三重県
1
1.39%
不明
0
0.00%
- 6 -
2.都道府県別通報件数(平成23年4月~平成27年12月)
通報者の居住地
通報件数(件) 割合(%) 通報者の居住地
通報件数(件) 割合(%)
北海道
293
1.79% 滋賀県
181
1.10%
青森県
53
0.32% 京都府
308
1.88%
岩手県
62
0.38% 大阪府
1,240
7.56%
宮城県
108
0.66% 兵庫県
660
4.03%
秋田県
30
0.18% 奈良県
244
1.49%
山形県
80
0.49% 和歌山県
106
0.65%
福島県
112
0.68% 鳥取県
52
0.32%
茨城県
343
2.09% 島根県
65
0.40%
栃木県
177
1.08% 岡山県
445
2.71%
群馬県
267
1.63% 広島県
650
3.96%
埼玉県
835
5.09% 山口県
372
2.27%
千葉県
1,051
6.41% 徳島県
68
0.41%
東京都
1,833
11.18% 香川県
167
1.02%
神奈川県
1,975
12.04% 愛媛県
188
1.15%
新潟県
319
1.95% 高知県
72
0.44%
富山県
68
0.41% 福岡県
351
2.14%
石川県
177
1.08% 佐賀県
27
0.16%
福井県
60
0.37% 長崎県
56
0.34%
山梨県
93
0.57% 熊本県
163
0.99%
長野県
399
2.43% 大分県
67
0.41%
岐阜県
327
1.99% 宮崎県
70
0.43%
静岡県
573
3.49% 鹿児島県
123
0.75%
愛知県
1,243
31
0.19%
三重県
211
2
0.01%
7.58% 沖縄県
1.29% 不明
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