- 41 図 3-5 検討単位区域の設定図 4.検討単位区域の費用比較 (1)費用比較の考え方 前節で設定した検討単位区域に対して費用比較を行い、費用の大小を求める。 対象とする整備手法は、作業マニュアルを基に以下の4手法とする。 下水道整備(処理施設を仮定する) 農業集落排水整備 合併処理浄化槽整備 事業実施区域(流域関連下水道)との一体整備 <検討単位区域が農業振興地域の場合> ※ポンプ施設が必要な場合とは、例えば低地部から高地部に向けて生活排水を流す必要がある場 合、河川等の障害を横断することにより管渠の埋設深が大きくなる場合等が考えられる。 <検討単位区域が農業振興地域外の場合> 上記①と③の安価の方を採用する - 42 - (2)費用比較に必要とするデータ 費用比較に必要なデータは、次のとおりである。 ① 管渠延長 検討単位区域を集合処理する場合に必要とされる管渠延長である。事業実施区域への接続 あるいは集合処理の仮想処理施設位置までのルートを考慮して選定した管渠延長を集計す る。 ② 計画人口・世帯数(一般家屋以外の換算分を含む)・汚水量原単位 目標年度(平成 37 年度)の値を採用する。 ③ 既設合併処理浄化槽基数 既設合併処理浄化槽の基数を算定し、合併処理浄化槽の整備に必要とされる費用から控除 する。 ④ 既設合併処理浄化槽5人槽と7人槽の割合 実績値によって、5人槽と7人槽の割合が算定できる場合一般家屋の浄化槽の基数を各々 算定し設置費用を各々算定する。 当町では、割合が算定できる資料がないことから、一般家屋は5人槽と見なすものとした。 - 43 - (3)集合処理事業実施区域との一体的な整備について 集合処理事業実施区域と検討単位区域の接続検討概念 - 44 - 5.整備手法の検討 ここでは、前節で算定した経済的に有利となる整備手法(最も効率的な整備手法)と現構想に おける整備手法について比較を行い、望ましい整備手法を設定する。 基本的な考え方は、以下のとおりとなる。 ① 平成 37 年度までに下水道整備がどの程度まで可能かを重要視する。 ② 平成 37 年度までに下水道で整備可能な範囲は現時点での判断では、既認可区域のみであ り整備は完了しているため、新規で下水道による整備は行わない。 ③ 農業集落排水事業での整備は現時点では考慮の対象外とする。 ④ 上記以外の区域については、費用比較の如何に関わらず合併処理浄化槽が望ましい整備手 法と位置づける。 ⑤ 合併浄化槽整備地区における整備時期は、個人負担金が発生するなどし、住民個々の意向 による部分が大きいため、現時点での地区ごとの整備時期の設定は行わない。 以上のことから、望ましい整備手法は、以下のように設定した。 下水道既認可区域は引き続き流域関連公共下水道との一体的整備とする。 上記以外の区域については、合併処理浄化槽による整備とする。 したがって、市街化調整区域内で費用比較では一体的整備が有利な場合でも、平成 37 年度ま でに生活排水処理の効果を発揮させる必要から、合併処理浄化槽による整備を望ましい整備手法 と設定した。 (1)整備実施時期及び整備完了予定時期 ・合併処理浄化槽による整備 整備実施時期:平成 28 年度 整備完了予定時期:平成 37 年度 - 45 - 6.事業手法の検討 事業手法については、作業マニュアルに示される手法から選択する。 合併処理浄化槽による整備は、 「浄化槽市町村整備推進事業」、「個別排水処理施設整備事業」、 「浄化槽設置整備事業」の3種類が選択肢となるが、現時点では「浄化槽設置整備事業」を事業 手法とする。 表 3-9 事業手法のまとめ 整備手法 事業手法 合併処理浄化槽 浄化槽設置整備事業 - 46 - 7.生活排水処理基本計画の策定 前節までの検討結果から、当町の生活排水処理に関する整備計画は表 3-10のようになる。 表 3-10 生活排水処理基本計画概要 区域 現況整備内容 市街化 区域 市街化 調整区域 整備手法 事業手法 整備時期 下水道 認可区域 既整備 下水道 流域関連公共下水道事業 既整備 農業集落排水 事業区域 既整備 集落排水 農業集落排水事業 既整備 合併処理浄化槽 合併処理浄化槽 浄化槽設置整備事業 既整備 単独処理浄化槽 合併処理浄化槽 浄化槽設置整備事業 H28∼H37 くみ取り 合併処理浄化槽 浄化槽設置整備事業 H28∼H37 上記の各事業手法に対する生活排水処理人口を整理すると表 3-11のようになる。 表 3-11 生活排水処理人口及び処理率 処理人口(人) 事業手法 流域関連公共下水道事業 参考年度 (H27) 中間年度 (H32) 目標年度 (H37) 20,874 20,562 20,000 145 143 139 合併処理浄化槽 3,333 5,768 9,604 単独処理浄化槽 5,418 3,317 0 くみ取り 1,256 769 0 合計 31,026 30,559 29,743 78.5 86.6 100.0 農業集落排水事業 生活排水処理率(%) 注)単独、くみ取りは、浄化槽数調査結果を基に集計した値の比率で下水道及び集落排水 人口を除いた人口を配分した。 図 3-6に生活排水処理基本計画図を示す。 - 47 - - 48 図 3-6 生活排水処理基本計画図
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