31ページ 本学図書館のスペシャル・コレクションより

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本学図書館オリジナル
主題別書誌データベース
http://www.kufs.ac.jp/toshokan/databasezone/databasezone.htm
「世界で読まれる源氏物語」
源氏物語は約千年前に成立した本格的な長編物語で
す。海外でも日本文学の代表的なものとして高い評価
を与えられ、多くの言語に翻訳されています。このペー
ジでは現代語版・各国語版・研究書などを本学図書館
の蔵書から検索しやすいようにまとめてあります。
「明治の国際人とその書物」
本学図書館の所蔵資料で、明治時代に留学経験など
海外と接点があった日本人に関係する和洋図書の書誌
データベースです。江戸時代に生まれ海外で生活し、
明治時代に帰国した人や、明治生まれの人物で、著作
の刊行が大正時代以降に及ぶものも掲載しています。
このデータベースは現在
53種類あり、
年々増加しています。
あなたの学習と研究にあわせてお使い下さい。
を手がけるようになり、特に英語ではアーサー・
また、精神面での評価について玉江氏は明
ウェイリー(Arthur David Waley)やエドワー
治文化史の研究家である木村毅氏の言葉を引用
ド・ サ イ デ ン ス テ ッ カ ー(Edward George
し、「明治十四年といえば、出版界も幼稚で、
Seidensticker)などの翻訳書が刊行されて好評
日本国内にいても源氏物語の原典を入手するこ
を博するようになりました。
とが容易でなかったろう。ことに飛行機もない
世の東西を問わず、後発の翻訳書が普及しは
時代に、イギリスにいて、きわめて乏しい注釈
じめると先行の作品が色褪せたように思われる
書や辞書をたよりに、この難事業を敢えて企て
のは、謙澄のものとて同じことでした。加えて、
た末松の篤志と勇気には敬服のほか無い。」(2)
日本国内に彼の翻訳は英語圏の人たちの表現と
と、時代と環境面に視点をあてて謙澄の努力を
比べてその拙さを指摘する声があり、これを原
称えています。
因に評価が低いとする見方があります。
さらに、『末松謙澄と「防長回天史」』の著者
しかし、玉江彦太郎氏は自著『若き日の末松
の金子厚男氏は「英訳には、東西文化交流の“橋
謙澄』の中で、慶応四(1868)年生まれで英語
渡し”をしようとした意図も汲みとれよう。そ
学研究者として昭和の世まで活躍した岡倉由三
れはまた、西洋文化の吸収だけにつとめた留学
郎氏の「平明の文で相当の佳訳」(1) との言葉
生の姿ではなく、日本の文化を示そうとした積
を掲げ、分かりやすい文章でかなり優れた翻訳
極的な留学生の姿勢でもあった。」(3)と謙澄の
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図書館員の文献紹介と
であるとする見解を紹介しています。
資料の活用
後にこの『源氏物語』は多くの外国人が翻訳