快適な生活を送るために - シニアライフ情報センター

 同じ環境で生活されていても、満足されている人、不満をもたれ
ている人がいます。
もちろん個人的な人生観などがあると思います
が、それを一番身近に感じ、見ているのが職員ではないでしょう
か。そこで今年度は、「事業者から見た利用者の上手な暮らし方」
について、事業者の方から6回にわたって寄稿して頂いています。
3回目となる今回は、介護付有料老人ホームでの暮らしです。
私どもは高齢者専用住宅を
作って 年が経ちました。当
快適な生活を送るために
をしないためにも、趣味娯楽
ただけるよう配慮しておりま
す。人間関係で不愉快な思い
介護付有料老人ホーム 光が丘パークヴィラ
代表 中村 美和
に、次のような一文を入れま
した。
は外に向かってご活躍いただ
けるよう、巡回バスを走らせ
ております。いつまでも地域
パークヴィラで
快適な生活を送るために
た。胸を張ってお住みいただ
来高齢者専用住宅のあり方を
求め、雑事からの開放、おで
きにならないことのお手伝い
をし、いつまでも自立した生
活を送っていただきたいと考
えてきました。プライバシー
の尊重を第一に考えました。
しかも、ここが高齢者の閉鎖
社会にならないよう、今まで
の生活と変わらない環境をつ
くり、生活態度を維持してい
こと
◎入居者同士のお付き合い
に、ある程度の距離を置く
しないこと
◎過去を自慢したり、自分の
考えを他人に押し付けたり
お気をつけください。
人間関係で不愉快なことが
ないよう、次のようなことに
社会との結びつきを大切にし
ましょう。
味、さらに生活支援、介護・看
護・医療支援が一連のものと
して機能するよう努力してき
ました。皆様の﹁終の棲家﹂で
すから、プライバシーの確保
を大切に、またケアセンター
も別棟に作り、そこでの看取
りにも努めました 看
( 取り
% 。不愉快な思いをされな
)
いよう、
﹁入居のしおり﹂の中
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け る よ う 、 ホ テ ル の 機 能 性 、 パークヴィラでは、開設以
マンションの気安さ、家庭の
ジを払拭した、新しい形の高
齢者専用住宅を目指しまし
時、老人ホームの暗いイメー
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シニアライフ通信 ● 2 ●
◎自分自身の生きがいを持つ
こと
◎宗教はご自身のためのも
の、他人に勧めたりしない
こと
◎居室でのプライバシーが保
てるよう、 お互いの訪問に
は注意しましょう
◎トラブルが起こったとき
は、人間関係を悪くしない
為に、自分で解決せず、事務
所にご相談ください。 職員
がお手伝いいたします。
◎皆様は完成した人たちで
す。自分の考えと同じにし
とが大切です。本当に相手が
いをし、深入りせず、ゆっく
り周囲を見渡し、観察するこ
でまず距離を置いたお付き合
ら、嫌な思いをします。そこ
です。今までの街の生活の延
長線で暮らしてくださいと呼
イベントもすべて自由参加
を用意し、足の便を確保しま
した。
近くにあり、むしろ巡回バス
ます。NHK文化センターも
﹁行っていらっしゃい﹂ お
「
くことを願っております。
た生活を、また自立の気分を
いつまでも持ち続けていただ
れもコンセプトです。自立し
ざされた別世界にしない、こ
帰りなさい の
」 声かけにホッ
とされるようです。私も家か
わかったら、お付き合いを深
めても大丈夫です。
趣 味 娯 楽 の 会 を 作 る と 、 びかけております。むろん障
皆様のご意見をお聞きし、開
サートなども、地域の連携、ご ﹁お帰りなさい﹂と、うれしい
入居者の活性化に役立ってお 挨拶です。
近隣の方をお招きしたコン
リーダーが出来たり、しがら 害 者 で 外 出 出 来 な い 方 に は 、 らパークヴィラに着くと、入
み が お こ り や す い も の で す 。 別 途 プ ロ グ ラ ム を 組 み ま す 。 居者から お「帰りなさい と」声
をかけられ、家に帰るとまた
設時より、趣味娯楽は自発的
な集まりとし、施設側からは
ります。有料老人ホームを、閉
朝のラジオ体操、それに続
会を作らないことにしまし
くリハビリ体操 状
( 態による
2コース 、
) これも生活のリ
ズム。3食の食事も生活リズ
た。﹁今までいろんなことを
してきたから、ここでは変な
しがらみはいや、外で自由に
各部屋からは、四季の移り
よう、これは無理です。
入 居 時 は さ び し さ も あ り 、 するからよい﹂と。これが都
急接近してくる人に心を許す 会 生 活 な の だ と 理 解 し ま し
と 、 後 で 気 ま ず く な っ た り 、 た。趣味娯楽のスペースを確
ます。
す。各自がマイペースで自由
に生活することが出来る環境
作りが出来ればと考えており
家﹂が作れたらと思います。
細かく観察しながら、職員
皆で協力し、高齢者の﹁終の棲
変わり、彩りの変化が見え
て、小鳥や虫の声も聞こてき
ム、食堂に出かけてください
と呼びかけています。
個性や気分の相違から、不調 保︵共用部 %︶。入居者が先
和 が 生 ず る こ と が あ り ま す 。 生生徒は難しく、入居者は過
高齢者の社会では、一度失敗 去に関係なくみな同じなので
すると、しこりが残り、不愉
快な種として残ります。食堂
等で毎日顔を合わせますか
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