Ⅱ 次世代育成支援対策推進法の概要 1 次世代育成支援対策推進法とは 「次世代育成支援対策推進法」(平成15年7月成立・公布)は、急速な少子化の 進行等を踏まえ、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境の 整備を図るため、次世代育成支援対策について、基本理念を定めるとともに、国 による行動計画策定指針並びに地方公共団体及び事業主による行動計画の策定等 の次世代育成支援対策を推進するために制定された法律です。 この法律は、国や地方公共団体による取組だけでなく、101人以上の労働者を雇 用する事業主は、「一般事業主行動計画」(以下「行動計画」といいます。)を 策定し、速やかに届け出なければならないとし、雇用する労働者が100人以下の事 業主には、同様の努力義務があるとしています。 成立・公布 平成15年7月 301人以上の労働者を雇用する事業主に行動計画の策定を義務化 (平成17年4月から平成27年3月までの時限立法) 平成21年4月 301人以上の労働者を雇用する事業主に行動計画の策定、従業員 への周知を義務化 平成23年4月 101人以上の労働者を雇用する事業主に行動計画の策定、従業員 への周知を義務化 平成26年4月 法律の有効期限を平成37年3月31日まで10年間延長 新たな認定(特例認定)制度を創設 平成27年4月 改正省令、指針の施行 認定基準、公表基準、行動計画策定指針を見直し 2 一般事業主行動計画とは 一般事業主行動計画とは、企業が、次世代育成支援対策推進法(以下、「次世 代法」)に基づき、従業員の仕事と子育ての両立を図るために策定する計画のこ とです。 企業は、従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境整備や、子育てを していない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むにあたって、一 般事業主行動計画に、(1)計画期間(2)達成しようとする目標(3)目標達 成のための対策及びその実施期間、を定めます。 Ⅱ 次世代育成支援対策推進法の概要 7 3 一般事業主行動計画の策定及び届出義務 従業員が101人以上の企業については、一般事業主行動計画の策定及び届出が義 務となっています。 ○一般事業主行動計画の策定・届出義務 101人以上企業 義務 100人以下企業 努力義務 4 一般事業主行動計画の公表と従業員への周知 従業員が101人以上の企業について、策定した一般事業主行動計画は、公表と従 業員への周知が義務付けられています。 ○一般事業主行動計画の公表・従業員への周知義務 101人以上企業 義務 100人以下企業 努力義務 ○公表方法 ① インターネットの利用 ② その他適切な方法 のいずれかにより行ってください。 【インターネットの利用の例】 ・「東京ワークライフバランス推進企業ナビ(愛称チャオ)」(東京都ホー ムページ)の利用 ・「両立支援のひろば」(厚生労働省ウェブサイト)の利用 ・自社のホームページへの掲載 【その他適切な方法の例】 ・日刊紙への掲載 等 ○従業員への周知方法 ① ② ③ ④ 事業所の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること 書面を従業員へ交付すること 電子メールを利用して従業員へ送信すること その他適切な方法 のいずれかにより行ってください。 ○公表及び従業員への周知すべき事項 一般事業主行動計画自体を公表及び従業員へ周知することが必要です。 ※ 一般事業主行動計画の概要では義務を果たしたことになりません。 8 Ⅱ 次世代育成支援対策推進法の概要 ○公表及び従業員へ周知する時期 ① 一般事業主行動計画の策定 ② 一般事業主行動計画の変更 [計画期間、目標又は次世代育成支援対策の内容(既に届け出ている策 定届の事項に変更を及ぼすような場合(事項の廃止、新たな事項の追加 等)に限る。)について変更する場合] ⇒ いずれも、おおむね3か月以内に公表及び従業員への周知が必要です。 ③ 一般事業主行動計画の変更(上記②以外の場合) ⇒ 1年以内を限度として、他の部分の変更の機会に一括して変更後の 計画の公表及び従業員への周知をしても差し支えありません。 Ⅱ 次世代育成支援対策推進法の概要 9
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