平成27年調査 タイトル 福祉施設等における災害対策に係る独自基準 子育て・福祉・健康 義務付け・枠付けの見直し 団 体 名 茨城県 2,993,638 人 人 口 013 ○ 事 例 の ポイント 茨城県では、東日本大震災の被災県として、福祉施設等の入所者の安全を確保 する観点から、施設の種別ごとに異なっていた災害対策に係る義務規定を統一す るとともに、食品・医薬品等の備蓄等を努力義務とする独自の基準を設定。 ○ 施設における災害対策への体制確保が図られるとともに、県と福祉施設間にお いて、職員の派遣、応援・協力の協定締結により災害対策が強化。 従来、福祉施設等における災害対策の国の基準は、所管法律ごとに省令において基 準が定められ、施設の種別によって不統一な状況にあった。このため、複数の施設を展開 する法人では施設により対応が異なり複雑であったほか、東日本大震災の被災県として、 背景・目的 入所者等の安全を確保する観点から、災害への備えを充実させることが課題であった。 第 1 次一括法及び第 2 次一括法による児童福祉法、老人福祉法等の改正により、各施 設の災害対策に関する基準が、「参酌すべき基準」とされたことから、独自基準の設定によ り災害対策の強化を図ることとした。 平成 24 年 12 月、「児童福祉法に基づき児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を 定める条例」等の 19 条例を制定(平成 25 年 4 月施行)し、災害設備の設置、具体的な災 害計画の作成、関係機関への通報体制の整備、定期的な訓練の実施を義務規定に統一 するとともに、災害時に備えた食品や医薬品等の備蓄、地域住民や他の社会福祉施設等 との連携・協力体制の構築を努力義務として規定した。 内 容 <施設ごとの災害対策に係る独自基準の設定 (矢印の先が独自基準)> 施設名 保護施設 等 児童福祉施設 老人福祉法関連施設 等 効 果 担 当 課 関連サイト 災害設備の設置 災害計画の策定 定期的な訓練の実施 義務 努力義務 → 義務 義務 関係機関への通報 体制の整備 食品・医薬品等の備蓄 連携・協力体制の構築 規定なし → 義務 規定なし → 義務 義務 規定なし → 努力義務 規定なし → 努力義務 規定なし → 努力義務 条例により基準が統一されたことで、災害計画の策定及び食品や医薬品の備蓄等をす べきことが明確となり、改めて災害に対する意識付けがなされた結果、災害対策への体制 の確保の進捗が図られた。 また、これまで義務が課せられていなかった分野についても、条例に基づき指導するこ とが可能となり、重点検査事項として実地検査を行い、不備があれば指摘を行っている。 さらに、「地域住民や他の社会福祉施設等との連携・協力体制の構築」を努力義務化し たことに伴い、特養等の老人福祉施設においては、災害時の相互支援を主目的として職 員研修や施設行事の合同開催が進んでいる。地域貢献活動の取組等を目的に、同種の 施設間による協力協定(「老人福祉施設間パートナーシップ協定」)も進んでおり(現在特 養の 9 割で締結済み)、災害対策の強化が図られた。 福祉施設と県の間でも基本協定を締結し、大規模災害の発生時には、要支援施設への 必要な職員の派遣等、応援・協力することとしている。 茨城県保健福祉部 http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/hoken/
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