日 商 経 営 実 務

N S R 特 報 ニ ュ ー ス
平成 27 年 4 月 16 日
日 商 経 営 実 務
◇◆◇ 常識破りで勝て︕ ◇◆◇
(2)
第三種郵便認可
ョックとぶつかってしまった。
毎月の売上が5000万円、赤字額が5000万円・・・。当
時副社⻑としてプリント配線板の事業展開の指揮をとっていた多
賀氏は当時を振り返り「内心では大変だと思った。耐えられない
気持ちだった。しかしみんなの前では、大丈夫だ、必ずうまく⾏
** その 6**
苦境に直面した時の
カラ元気のリーダーシップとは︖
かつて、カーバイド、合⾦鉄、肥料など電気炉製品が主体の不
況企業であったイビデン(東証一部上場、岐阜県大垣市)は、今
くと言っていた。カラ元気だった」と言う。
多賀⾃⾝は、石油ショックという予期せざる状況に直面したが、
プリント配線板の将来性については確信していた。「うちにはこ
れしかない。生き残るためにはこれに賭けるしかない」との思い
は揺らがなかった。そしてこの事業を全社的な戦略事業として位
置づけ、ヒトとカネを集中的に投入し続けたのである。
日、「ICパッケージが主軸。インテル向けに加えスマホ用が急
成⻑。⾃動⾞用の⿊煙除去装置も大⼿」(yahoo ファイナンス)
イビデンがプリント配線板の本格生産を開始した時に巨額の
といったハイテク企業へと⾒事な変⾝を遂げている。しかしイビ
赤字を出したのは、運悪くオイルショックとぶつかったためであ
デンが最初にプリント配線板の事業化に乗り出した頃は危機的状
る。オイルショックはいかに綿密に調査・分析した経営計画を⽴
況のさなかにあった。
てても予測することは不可能な出来事であった。
電気炉製品は構造的不況業種の製品で、今後の先細りは必⾄
近年の例をとってもバブル崩壊、リーマン・ショックや東日本
の状態であった。建材部門は順調であったが競争が厳しく、「利
大震災など予測不可能な出来事は、数年〜⼗年に一度くらい、必
益なき成⻑」が続いていた。
ず起こるものなのだと覚悟したほうが良さそうだ。
そういう状況の中で昭和49年3月にプリント配線板専用⼯
プリント配線板などのハイテク分野には数多くの企業が進出
場が完成、しかし稼働を開始した途端にタイミング悪くオイルシ
した。しかしそれらの企業の中には失敗して撤退した企業が少な
N S R 特 報 ニ ュ ー ス
平成 27 年 4 月 16 日
くない。イビデンの多賀氏はオイルショックに直面した苦境の時
期に、カラ元気によってその苦境を耐え忍び、事業を軌道に載せ
ることができたのである。
新事業を始め、その事業を軌道に乗せるまでは、五年から⼗年
の年月をかけなければならない。その間には予期せぬ事態も生じ
る。また、既存事業で蓄積したノウハウが新事業で使えると思っ
ていたら、
実際にはなかなか活用できないといった事態も生じる。
そのため予想外の赤字が出るなどの苦境に直面する。その苦境
を耐えぬいて新事業を軌道に乗せ、成功に導く上で、トップのリ
ーダーシップが重要な役割を演じる。
従業員はみんな、意気揚々と始めた新事業が、期待に反して大
赤字を出すなど苦境に直面すると、元気をなくしてしまう。トッ
プの顔⾊を⾒る。そのとき、社⻑など経営者は内心では「しまっ
た」と思っていても、その内心の不安を顔に出してはならない。
従業員や社外の取引関係者に対するときは、⾃信満々の態度で接
しなければならない。たとえ、それがカラ元気に支えられた⾃信
であっても。
苦難の時期におけるリーダーシップとは、しばしばカラ元気の
リーダーシップを必要とするのである。
(3)
第三種郵便認可