プレシジョンマシニング&フィニシング 単結晶ダイヤモンドの加工 精密工具のための単結 晶ダイヤモンド加工ガ イドライン ——— エレメントシックスの単結晶合成ダイヤモンド製品群は、精 密加工のアプリケーションにおいて優れた耐摩耗性と長い工具寿命 を備えています。合成ダイヤモンドの性能を最大限に引き出すため には、最適な加工が重要であると認識しています。このガイドライン は、この認識に基づき、必要な加工パラメータを提供するために作 成されました。 これらのガイドラインは、有用な情報を提供するために作成されていますが、内容は本質的に一般的なものです。このため、本ガイドラインに記載 された作業を行う前に、訓練を受けた専門家のアドバイスを受け、適切な安全措置を講じていただきますようお願いいたします。エレメントシックス は、本文書に記載された内容によって生じた損失または負傷に対する責任を負いません。 ダイヤモンド表面の準備 単結晶合成ダイヤモンドの結晶方位につ いて 材料除去率に影 響する条 件 研削および 粗研磨 八面体の結晶方位と面を理解することにより、加工を容易 に行うことができます。 ホイールタイプ メタルボンド <100> 「4ポイント」 {100} <110> <110> {110} レジンボンド Micron+ MDA Micron+ MDA Micron+ CDA Micron+ CDA 砥粒サイズ 15-20 μm 5-8 μm 砥粒集中度 150-200 150-200 砥粒タイプ 「3ポイント」 {111} 仕上げ研削およ び研磨 「2ポイント」 {110} スカイフ研磨 = ミクロンダイヤモンド砥粒をすりこんだ鋳 鉄製のホイールを回転させ、押し付けます。 –– スカイフ研磨によるダイヤモンドの形状加工:平板を使 用して砥粒の切り込みを抑え、絶えずホイールを再ドレ スします。 材料除去の難易度は、以下の図に示されるように、ダイヤ モンドの平面対称性の結晶方向の加工が「容易」であるか 「困難」であるかによって決定されます。これは各結晶面 により異なります。 –– この方法では、Ra < 1 nm の表面仕上げが可能です。 単結晶ダイヤモンド仕上げにおいて考慮すべ き点 {110} {10 0} 容 易な結晶 方向 合成ダイヤモンド加工の成功のためには、材料除去量を低 減させることが重要です。 表面下の損傷を最小限に抑える要素は以下の通りです。 {111} –– 加工方向 – 加工の容易な方向性に沿って作業すること で損傷が少なくなります。 困 難な結晶 方向 –– 砥粒サイズと砥粒集中度 – 粒径と集中度を低くするこ とにより損傷が少なくなります。 容 易な方向での材料除去率 12 : 6 –– 加工中の圧力と振動 - 損傷を抑えるため避けます。 : 1 加工中に結晶方位の線を超えると除去率に差が生じるた め加工面が平面でなくなり、形状誤差が生じるため、加工 には注意が必要です。 困 難な方向での最小除去率 単結晶ダイヤモンドの加工 2 ロウ付け工程の最適化 単結晶ダイヤモンドの準備 ロウ付け条 件の最 適化 ダイヤモンドのロウ付けにおいては、以下の条件に従うこ とが推奨されます*。 ダイヤモンドの接 着面を清 浄に保つこ とが重要です。 –– 特にチタンを含む活性ロウ材 以下の手順に従ってください*: –– 保護雰囲気: 1. 表面を酸洗浄し、残留物を除去します。 –– 真空 (10 -4 mbar) 2. 蒸留水の中で5分間煮沸します。 –– 不活性雰囲気 (N2、Ar) 3. イソプロパノールで超音波洗浄します。 –– 還元雰囲気 (H2、N2/H2、Ar/H2) 4. 冷たい蒸留水ですすぎます。 *ロウ付けのアプリケーションでは、すべての 安全に関する推奨事項に従ってください。 5. 速やかにロウ付けを行います。素手では触らない でください 熱 膨 張 差による亀裂を避けるための配置 ダイヤモンド ダイヤモンド 活性ロウ材 活性ロウ材 カーバイド/モリブデ ン製ツールブランク ý カーバイド/モリブデ ン製ツールブランク ダイヤモンド 活性ロウ材 カーバイド/モリブデ ン製ツールブランク ý 冷却中の亀裂を防ぐた め、長いオーバハングは 避けてください。 þ ダイヤモンド 活性ロウ材 カーバイド/モリブデ ン製ツールブランク 単結晶ダイヤモンドと背 面は直接接触を避けて ください。 þ 隙間 ダイヤモンド 活 性ロウ材 カーバイド/モリブデン スチール製 工具ブ ランク スチール製ブランクへの ロウ付けには中間層が 必要となります。 スチール製 工具ブランク þ 低 温ロウ材 þ ダイヤモンドの熱 膨 張は金属の1/10 です。 単結晶ダイヤモンドの加工 3 エレメントシックス エレメントシックスは、合成ダイヤモンド超素材の製造販 売会社で、デビアスグループカンパニーの一員です。 世界各地で合成ダイヤモンド超素材の開発および製造を 行っており、本社登記がルクセンブルグ、主要製造施設を 中国、ドイツ、アイルランド、南アフリカ、米国、英国に有し ています。 エレメントシックスの超素材によるソリューションは、切 削、研削、穴あけ加工、剪断、研磨などのアプリケーション で使用されています。また硬度以外にも他に類を見ない合 成ダイヤモンドの極めて優れた特性は、光学、水処理、半 導体、センサーなどのさまざまな分野において新たなアプ リケーションの可能性を追求しています。 詳細 詳細については、お近くのオフィスまでご連絡いただく か、www.e6.comをご覧ください。 エレメントシックス株式会社 〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-22-13PMO八丁堀9F 電話:03-3523-9311 メール:[email protected] © Element Six 2016. 11/16
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