府内女性社長は全体の 7.6%

2015/4/14
京都支店
京都市上京区河原町通広小路上
ル九軒町 445
TEL: 075-223-5111
特別企画:2015 年京都府女性社長分析
府内女性社長は全体の 7.6%
~ 年商規模別では、1 億円未満が 9.64%でトップ
~
はじめに
2014 年 10 月、第 1 回「すべての女性が輝く社会づくり本部会合」が開催され、「すべての女性
が輝く政策パッケージ」が取りまとめられた。同政策パッケージは、女性の活躍を阻むあらゆる
課題に挑戦するものであり、“日本最大の潜在力”と位置づけられている「女性の力」を最大限発
揮できる活力ある社会を目指すものである。活躍する女性の象徴として最も影響力を持つのが、
女性社長ではないだろうか。
帝国データバンク京都支店では、企業概要ファイル「COSMOS2」から「株式会社」「有限会社」
の代表を務める社長のデータを抽出。各年末時点における京都府内の女性社長比率の推移を比較
した。
なお、
「京都府女性社長分析」は 2014 年 8 月 27 日に続き 2 回目で、女性社長の就任経緯や業況、
出身大学、業種等に関しては前回調査でまとめている。
調査結果
1. 2014 年の京都府女性社長比率は 7.6%。全国平均の 7.5%を上回っていることが判明した
2. 業種別の京都府内の女性社長比率を見ると、不動産業が 17.51%と最も高く、次いでサービス
が 11.01%となった
3. 年商規模別の京都府内の女性社長比率を見ると、1 億円未満が 9.64%と最も高く、次いで 1
億円以上 10 億円未満が 6.39%となった。年商規模が大きくなるほど減少基調となっている
4. 年代別の京都府内の女性社長比率を見ると、80 歳以上が 13.59%となり最も高く、次いで 70
代が 8.13%となった。一方、30 歳未満の比率がこの 10 年で大幅に低下している
5. 業歴別の京都府内の女性社長比率を見ると、10 年未満が 10.40%と最も高く、次いで 10 年以
上 30 年未満が 8.73%となった。業歴が長くなればなるほど女性社長比率が低下している
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1
2015/4/14
特別企画:2015 年京都府女性社長分析
府内社長の性別(構成比)
1.府内女性社長比率の推移
女性
(%)
各年末時点の女性社長比率を見ると、2014 年は男
1990年
1991年
1992年
1993年
1994年
1995年
1996年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
性 92.4%に対し、女性は前年を 0.3 ポイント上回る
7.6%となり、全国平均の 7.5%を上回っている。
1991 年以降、24 年連続(2003 年と 2004 年は小数
点第二位で見ると同数だが、第三位以下では 2004 年
の方が比率は高い)で女性社長比率が前年比上昇して
いることが判明した。毎年、0.1 ポイント程度ではあ
るが、着実に前年を上回る状態が続いている。
総務省統計局が公表している「人口推計-平成 27
年 3 月報-」によると、2015 年 3 月 1 日時点の総人
口(概算値)は 1 億 2691 万人で、男性 6171 万人に対
し、女性が 6520 万人と上回っている。総人口で女性
が男性を大幅に上回っている状況を踏まえれば、女性
社長比率は上昇が続いているとはいえ、依然として低
水準であると言える。
4.4
4.5
4.6
(4.76)4.8
(4.78)4.8
5.0
5.2
5.3
5.4
(5.52)5.5
(5.55)5.5
5.9
6.0
(6.13)6.1
(6.13)6.1
6.2
6.3
(6.45)6.5
(6.50)6.5
6.7
6.9
7.2
(7.27)7.3
(7.31)7.3
7.6
男性
(%)
対前年
(ポイント)
0.1
0.1
0.2
0.0
0.2
0.2
0.1
0.1
0.1
0.0
0.4
0.1
0.1
0.0
0.1
0.1
0.2
0.0
0.2
0.2
0.3
0.1
0.0
0.3
95.6
95.5
95.4
95.2
95.2
95.0
94.8
94.7
94.6
94.5
94.5
94.1
94.0
93.9
93.9
93.8
93.7
93.5
93.5
93.3
93.1
92.8
92.7
92.7
92.4
女性同率は( )内に小数点第二位まで表示
女性社長比率の推移
(%)
8.0
7.0
6.0
5.0
4. 4
4. 5
4. 6
1990
91
92
4. 8
4. 8
93
94
5. 0
5. 2
5. 3
5. 4
5. 5
96
97
98
99
5. 5
2000
5. 9
6. 0
6. 1
6. 1
6. 2
6. 3
01
02
03
04
05
06
6. 5
6. 5
07
08
6. 7
6. 9
7. 2
7. 3
7. 3
11
12
13
7. 6
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
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95
09
10
14 (年)
2
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業種別 女性社長比率
(%)
2.業種別府内女性社長比率
20.00
1994年
2004年
2014年
1 7 .5 1
18.00
2014 年における各年代の女性社長比率
16.00
を業種別に見ると、不動産業が 17.51%と
最も高く、次いでサービスが 11.01%とな
った。
14.00
12.00
1 1 .0 1
1994 年と比較すると女性社長比率の業種
別傾向に大きな変化は見られない。
9 .4 5
10.00
しかし、小売業においては、20 年間の女
性社長率の進捗が他業種と比べて鈍い傾向
が見られ、特に 10 年前と比較すると伸びが
8.00
6 .4 8
5 .8 1
6.00
見られず低迷している。
一方、サービス業、卸売業は 10 年前まで
は、大きな伸びは見られなかったものの、
5 .5 4
5 .1 4
4.00
2.00
この 10 年間で大きな伸びを示している。
不動産業
サ ー ビ ス業
運 輸 ・通 信 業
小売業
卸売業
製造業
建設業
0.00
年商規模別 女性社長比率
(%)
12.00
3.年商規模別府内女性社長比率
1994年
10.00
2004年
2014年
9 .64
2014 年における女性社長比率を年商規模
別に見ると、1 億円未満が 9.64%と最も高
8.00
く、次いで 1 億円以上 10 億円未満が 6.39%
となった。
過去と比較すると、20 年前(1994 年)か
6 .39
6.00
ら 10 年前(2004 年)にかけては、全ての
4 .37
レンジにおいて上昇していたものの、10 年
前(2004 年)と 2014 年を比較すると、10
4.00
3 .23
億円以上 50 億円未満のレンジが唯一、低下
している。しかし、それ以外のレンジはす
1 .60
2.00
べて上昇しており、順調に女性社長比率が
高まっていることが判明した。
0.00
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3
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4.年代別府内女性社長比率
年代別 女性社長比率
(%)
16.00
1994年
2014 年における各年代の女性社長
2004年
2014年
13.59
14.00
比率を見ると、80 歳以上が 13.59%と
なり最も高く、次いで 70 代が 8.13%
12.00
となった。30 代を除き、総じて年齢と
共に女性社長比率が高まる傾向が見
10.00
られた。
出産や子育て等で活躍できる女性
8.13
8.00
が減る一方、経験を経た男性の起業が
増えることから、40 代まで女性社長比
6.42
6.44
6 .00
6.00
5.48
率が低くなる一方、男性社長の死去後
に妻が社長となるといったケースが、
年代の高い区分の女性社長比率を押
4.00
2.94
し上げているとみられる。
10 年前、20 年前と比較すると、30
2.00
代が着実に増加傾向にあるものの、30
歳未満の比率がこの 10 年で大幅に低
0.00
30歳未満
30代
40代
50代
60代
70代
80歳以上
下している。
業歴別 女性社長比率
(%)
12.00
5.業歴別府内女性社長比率
1994年
2004年
2014年
1 0 .40
10.00
8 .73
2014 年における女性社長比率を業歴
別に見ると、10 年未満が 10.40%と最
8.00
7 .15
も高く、次いで 10 年以上 30 年未満が
8.73%となった。
6 .41
5 .83
6.00
業歴 100 年以上のレンジを除いたす
べてのレンジで、この 20 年間で女性社
長比率が上昇している。また、1994 年
4.00
を除き、総じて業歴が長くなればなる
ほど女性社長比率が低下している。
2.00
0.00
5
0
3
0
年
未
満
5
0
年
未
満
1
0
0
年
未
満
~
3
0
~
1
0
~
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1
0
年
未
満
1
0
0
年
以
上
4
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特別企画:2015 年京都府女性社長分析
6.おわりに
内閣府男女共同参画局が公表した「全国女性の参画マップ(平成 27 年 1 月作成)」によると、
京都府の町村議会議員に占める女性の割合は 4 位、市区議会議員に占める女性の割合は 5 位、都
道府県議会議員に占める割合は 4 位と、京都府は、政界において女性進出は進んでいる。また管
理職(会社役員、管理的公務員等)に占める女性の割合は、15.6%と全国平均(14.0%)を上回
り、7 位となっており、10 位以内に入っている。京都府の女性進出状況は全国的に見ても、官民
ともに高い水準にあると言っても過言ではない。
安倍内閣は「日本再興戦略」のなかでKPI(Key Performance Indicators)として「2020 年
に指導的地位に占める女性の割合 30%」を掲げている。女性が活躍できる環境整備が政府主導で
行われれば、指導的地位の象徴とも言える女性社長の比率は上昇するであろう。そこで、重要な
のは“適材適所”だ。地域の特徴を踏まえた施策により、旗振り役とも言える女性社長が増加し、
様々な領域において女性がいっそう活躍していくことが期待される。
【 内容に関する問い合わせ先 】
(株)帝国データバンク京都支店
TEL 075-223-5111
情報部
渡辺雄大
FAX 075-223-5200
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