研究内容の説明文

管理番号
16
研究内容の説明文
研究課題名
血小板機能に関する研究
研究期間
平成 27 年 4 月~平成 28 年 3 月
研究機関名
一般社団法人
研究責任者職氏名
研究一課長 横山 毅
日本血液製剤機構
研究開発本部
中央研究所
研究の説明
我々は京都大学 iPS 細胞研究所と iPS で作製する血小板について共同研究を実施し
ている。本共同研究の中で我々は血小板機能回復に関する研究の一部を担当しており、
iPS 血小板機能回復には血漿成分が有効であるデータが得られている。しかしながら
現時点では iPS 血小板を継続的に入手する事は困難である。そのため、血小板機能回
復に関わる因子や条件を検討するための研究材料として、有効期限切れの血小板を用
いて実験を計画している。血小板に、特定の刺激物質(PMA など)を加えると細胞表
面のインテグリン(αIIbβIII)が発現するが、機能低下した血小板はその発現が弱
い。我々はこの機能を指標とし、機能低下した血小板に種々の物質を加える事でイン
テグリンの発現の変化を確認する。
具体的な実験方法としては、初めに期限切れの血小板製剤より血小板を単離する。
次に採取した血小板を in vitro 環境下において培養し、評価物質として血漿成分の添
加の有無による血小板機能への影響を評価する。血小板機能の評価方法としては、血
小板表面抗原に対するフローサイトメトリー解析や酵素結合免疫吸着法を用いた培養
上清の成分解析等により、物理化学的あるいは生化学的な解析方法を用いて多角的に
実施する。上記の検討により、評価物質の血小板の機能回復作用が確認できた場合は、
機能回復させた血小板を、セルソーターを用いて単離し、受容体の特定や細胞内シグ
ナル経路におけるリン酸化動態を評価することで、当該作用機序の特定を試みる。
以上の方法により、血小板機能を回復する物質を特定し、iPS 血小板研究の一助とす
ることを目指す。
受付番号
本研究に関する問い合わせ先
所属
一般社団法人
日本血液製剤機構
担当者
仲野篤史
電話
078-599-5095
Mail
[email protected]
研究開発本部
中央研究所
27J0051