四年ありがとう、お母さん十二月田小学校小澤美悠私のお母さんは遠りょしがちな人だ。いつも、どんな事も私や父を優先してくれる。私はそんなお母さんが心配だった。これからそんをするばかりだと思ったからだ。私は遠りょしないお母さんになってもらうために、作戦をたてた。お母さんと私で買い物に行って帰って来た時、荷物をより多く持つお母さんは、玄関のかぎを開け、ドアを押さえると「先に入っていいよ」と言う。いつもの私なら、「ありがとう」と言ってお母さんにうながされてしまうが、今日はちがう。「先に入って、本当に本当に。」と言って、お母さんに先に家に入ってもらうのだ。それでもお母さんが「いいよ先に入って」と言ってきたら、「本当に本当に、本当に」と「本当に」を連呼してみようと思った。そうすれば、お母さんはさすがに私より先に家に入るだろう。いよいよ作戦開始。お母さんと私が車から降りて、荷物を持つ。そしてお母さんが玄関のかぎを開け、ドアを押さえた。私は作戦通りお母さんに、「先に入って本当に、本当に」と言った。しかしお母さんは私の予想通り、「いいよ美悠、先に入りな」と言ってきた。すかさず私は、「本当に本当に、本当に」と言った。そしたらようやくお母さんは家の中に入った。私もその後家の中に入り、内かぎをしめた。その時、私はお母さんに言うべき良い表現をとっさに思いついた。「ママは、これから遠りょしないしゅ業をするんだよ。」「そんな事思いついたの？」と言ったお母さんは大笑いしていた。私はその笑顔を見て、「遠りょしないしゅ業」という表現を思いついて良かったなぁと心の中で思った。今回ばかりでなく、また買い物に行った時にも、この作戦を使おうと思った。お母さんは遠りょしがちなだけでなく、とても優しい性格だ。だから私はお母さんの事が余計に心配で、仕事でいやな思いをしていないかなぁ、と思うこともある。でも、このお母さんの「優しい」ところは、私にとって、心の安らぎである。悲しい時、一緒にいてほしい時、勉強を教えてもらいたい時など、お母さんはいつもいてくれる。注意をされたり怒られたりもするけれど、それはお母さんの私への優しさだと分かっている。ここには書ききれないほど、お母さんの優しさはまだたくさんある。そう考えるとお母さんは私にとって、とても大事で大切な存在なんだと改めて思う。そして、これからは私がお母さんに優しくしようと決心した。お母さん「本当に本当に、本当に」ありがとう。これからもよろしくね。