多様な勤務形態の導入

愛知県内病院の勤務環境改善事例
多様な勤務形態の導入
(新規入職者と夜勤従事者の確保に関する取組事例)
病院の種別 民間病院
病床規模
100~199 床
入院基本料 13 対1
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勤務形態
変則 2 交代制
看護職
約 80 人
看護補助者
20~30 人
取組前の状況
当院は以前、入院基本料 15 対1でしたが、患者と看護師双方にとって満足のできる看護ケアを目指
すために、入院基本料 13 対1を取得することになりました。そのためには多くの看護師を採用するこ
とが必要なので、当初は有料職業紹介事業者を活用しながら採用を行っていましたが、徐々に一般の採
用方法に切り替えることになり、採用にも工夫が求められるようになりました。
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取組内容
【日勤専従者制度の導入】
当院の採用は中途採用が中心になりますが、入職希望者は日勤のみを希望することが多いので、当院
の正職員の労働条件と合わないことになります。「日勤のみ勤務」=「パート職員」という待遇では、
良い人材を多く確保することができないため、日勤のみ勤務する職員を正職員として扱う「日勤専従者
制度」を導入することにしました。
【夜勤専従者制度の導入】
当院は慢性期の患者が多く、日勤時間帯と比べて夜勤業務の密度が薄い点が特徴です。さらに夜勤体
制を看護師2人と介護福祉士、ヘルパー等の介護関連の資格を持つ補助者1人の計3人体制とし、負担
の軽減に努めています。
また夜勤手当は夜勤1回ごとの手当に加えて、回数に応じた加算を付けるようにしているので、多く
の職員が進んで夜勤に入ることを希望します。
そこで当院の既存の看護師の中から希望者を募り、病棟ごとに2人ずつ交代で1人2~3か月間、夜
勤のみ1か月9回勤務する「夜勤専従者制度」を導入することにしました。
「日勤専従者制度」と「夜勤専従者制度」を組み合わせることにより、新しい人材の確保と夜勤に配
置する人員の調整に努めています。
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取組の効果、実施後の課題
【取組の効果】
「日勤専従者」の給与は夜勤を行う一般職員の給与のうち、夜勤手当を除いた部分をカットした金額
ですが、一般の職員と大きく異ならないように調整しています。そのため入職を希望する者が多く、必
要な人材の確保につながりました。
【実施後の課題】
その後も採用を続けたところ「日勤専従者」が増加してしまい、夜勤に入ることのできる職員の確保
に支障をきたすようになりました。入職した「日勤専従者」には、徐々に夜勤に入ってもらえるように
上司から働きかけを行っていますが、聞き入れてもらうことは困難です。
今後は「日勤専従者制度」に期間を設け、一般の職員への転換を前提として採用するなどの工夫が必
要ではないかと考えています。