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平成26年度スマートコミュニティ構想普及支援事業 成果報告書(要約版)
1. 補助事業者名
三井物産株式会社、川崎重工業株式会社、関西電力株式会社、新関西国際空港株式会社
2. 対象地域
関西国際空港 (KIX)
3. 補助事業の名称
関西国際空港スマート愛ランド構想「水素グリッドプロジェクト」検討事業
4. 内 容
Ⅰ. 補助事業の目的
関西国際空港は、再生可能エネルギー等を活用したス
マートコミュニティのビジネスモデルを構築する地域に認定さ
れており、スマート愛ランド構想「水素グリッドプロジェクト」の
もと、国内初となる空港での水素エネルギーの活用や水素
関連アプリケーションの実証事業を展開することを目指して
いる。
本事業では、関西国際空港を対象に、空港における地域
EMSによる「電気」と「熱」と「水素」の効率的な活用方法なら
びに再生可能エネルギーを利用した水素製造・貯蔵・利用シ
ステムの導入可能性について検討する。
Ⅲ. 事業化の可能性
事業化の可能性として、以下4項目について検証し、導入
効果があることを確認した。
① 経済性の検討
地域EMSの検討では、運用の見直しや投資回収が見込め
る効率の高い熱源機器に更新することにより、エネルギー削
減に有用な対策として見出すことができた。
また、再生可能エネルギーからの水素製造・発電システム
の検討では、投資回収期間が最短で30年程度となり、導入
の検討余地があることが確認できた。
② 環境性の検討
様々な対策を実施することにより、従来システムと比して
CO2排出量を年間約7%削減でき、その有用性を確認できた。
0
20,000
40,000
60,000
80,000 [t-CO2/年]
従来システム
削減策実施
Ⅱ. 検討内容の概要
□ 地域EMSの構築による次世代スマコミモデルの検討
① 既設施設のエネルギー消費に係る調査
② エネルギー面的利用アイデアの検討
③ EMSシステム構成の検討
④ 面的利用効果の検討
(例)熱供給中央プラントにおける冷凍機負荷の運用見直し
約7%
③ BCP対策
関西国際空港は、輸送上重要な
空港に指定されており、地震災害時
における空港の役割・機能の維持
には、空港施設へのエネルギー供
給確保が重要である。
今回検討した水素関連システム
導入時の非常時供給能力は、現状
と比して大幅に向上することを確認
できた。
輸送上重要となる指定空港一覧
④ その他付帯効果
■ 「水素グリッドプロジェクト」による高い注目度に加え、国
の玄関口であり、旅客数上位で集客力が高い関西国際空港
で取組むことは、大きな広告・宣伝効果が期待される。
□ 再生可能エネルギーを利用した水電解装置からの水素製
造 水素発電に係る技術実証に向けた検討
① 再エネ・水電解装置・蓄電池の技術動向および仕様検討
② 水素CGSの仕様検討および水素混焼可能性と発電効率
に与える影響検討
③ システム構成の前提条件
④ システム構成・規模の検討
⑤ 導入効果の検討
⑥ システムの基本構成
□ 次世代エネルギー活用モデルの事業展開へ向けた検討
① 世界における水素の取組み事例調査
② 世界における空港の取組み事例調査
③ 事業展開への可能性検討に向けた考察
■ 周辺地域被災時に、関空で製造の水素を輸送トレーラー
にて被災地に運搬し、エネルギーを供給できれば、周辺地
域の防災機能向上にも貢献できる。
■ 駐機中に使用するAPU(補助動力装置)は小型ガスタービ
ン式 であるため、燃料への水素活用は技術的に可能性が
あり、 航空機起因のCO2排出量削減への可能性がある。