心一つに - 赤穂市教育情報ネットワーク

「いじめ・暴力追放」をめざして【児童・生徒】
赤穂市立有年小学校
1
児童会
私たちの「いじめ・暴力追放」憲章
【前文】
有年っ子の合言葉は「心一つに」です。心一つにすると人を思いやる心,助け合う心が
育ちます。有年っ子みんなが心一つになり,いじめや暴力のない笑顔いっぱいの有年小学
校を目指します。
【合言葉】
有年っ子 みんな
心一つに
2 憲章をつくるまでの取組と内容
①人権週間
人権週間に合わせて児童会が中心となり,人権標語や作文を掲示したり,放送したりす
ることによって全校の人権に対する問題意識が高まった。
②誕生集会
毎月第2週の月曜日に,運営委員や高学年が中心となって
その月に誕生日を迎える児童を祝う集会を行っている。誕生
日を迎える児童は,自分が頑張っていることや自分の宝物を
紹介し,全校から心を込めた拍手とプレゼントをもらう。プ
レゼントの色紙には,その児童の良いところがぎっしり書か
れている。このように本校では,命の誕生を全校で祝うこと
が伝統になっている。誕生集会を行うことによって,自分自身のかけがえのなさ,友だちの
大切さを一人一人の子どもの心に根付かせることができている。
③各学級での話し合い
「有年小学校をいじめ・暴力
のない居心地の良い小学校にす
るためにはどうすればよいか」
について各学級で話し合い,有
年っ子の決意表明としての合言
葉を考えた。学級や学校を見直
す良い機会となり,話し合う過
程で,自分たちにできることに
気付き,相手を思いやる心を育
むことができた。
④合言葉(憲章)の制定
代表委員会で学級代表が,なぜその合言葉になったのか理由も出し合うことによって各学
年の実態に気付き,よりよい有年小学校にしようとする意識が高まった。そして,数回代表
委員会で話し合い,運営委員が中心となり合言葉を決定した。
3 自分たちの活動にするために
①人権教育
道徳の授業を通して,いじめ・暴力は校内の身近なところで発生しやすいことや自分たち
にも無関係ではないことに気付かせ,人権に対する問題意識の高揚を図った。
②活動の場の設定
「いじめ・暴力のない有年小学校にするためにはどうすればよいか」について児童と教師
による計画委員会を開き,児童の豊かな発想が活動の展開につながるよう工夫していった。
これによって児童会活動が例年通りの形で行われるのではなく児童一人一人の良さが主体的
に発揮される場へと生まれ変わっていった。
○委員会活動
毎月の委員会活動の中に生活目標をもとにした活動も取り入れている。例えば,5月の生
活目標「あたたかい言葉をかけあおう」をもとにして次のような活動が各委員会において展
開された。
・放送委員会
お昼の放送で,あたたかい言葉をかけ合った出来事を毎日紹介した。
・生活安全委員会
あたたかい言葉ソングを自分たちでつくり,全校に広めた。
・掲示委員会
あたたかい言葉を自由に書ける掲示物をつくり,児童玄関に掲示した。
・図書委員会
「あたたかい言葉に関するおすすめの本」のブースをつくり,全校に紹介した。
どの委員会も児童の豊かな発想によっていじめ・暴力のないよりよい有年小にしていこう
とする姿が見られた。また,低学年や教師からの感想を伝えたり,自分たちで振り返りを行
ったりすることで,活動に対して意欲的になり,自分たちが合言葉の実現に向けて学校を動
かしている実感を味わうことができた。
○あいさつ隊の結成
児童会は笑顔であいさつをすると心が一つになると考え,4月の生活目標「元気よく気持
ちの良いあいさつをしよう」に合わせて,あいさつ隊が結成された。6年生が中心となり下
校時に玄関前に立ち,元気で気持ちの良いあいさつをしてくれる。あいさつ隊は児童の意見
をもとに児童が自主的に進めているものである。6年生から全校へ広がり,この活動は4月
が過ぎても継続して行われている。
【児童の感想】
・最初は恥ずかしかったけど,大きなあいさ
つは気持ちがいいことが分かった。
・帰るときに元気よくあいさつしたら,明日
の学校も楽しみになった。
4 自分たちの気持ちをつないでいくために
①児童広報活動(H 24年度)
各委員会と協力して放送・掲示・下校時の呼びかけを行い,合言葉の浸透を図った。
②6年生を送る会(H 24年度)
6年生を送る会で5年生は,卒業する6年生の運営委員会から,合言葉の掲示物を引き継
いだ。これによって,6年生の思いを下級生が継承し,伝統としてつないでいくことが意識
づけられた。
③140周年記念航空写真
創立140周年記念航空写真のデザインは合言葉「心一つに」でした。全校児童と職員が
一つとなって「心一つに」を人文字で表したことにより,合言葉は有年小学校の新しい「誇
り」の一つとして児童に定着した。
④高学年を中心にした学校づくり(H 25年度)
6年生だけでいじめ・暴力のない有年小学校にするための児童会活動を行うのではなく,
5年生も関わることにより,高学年が学校のリーダーとしての自覚を持ち,合言葉の実現に
向けて主体的に学校を動かしている実感を感じられるようにした。。
○一年生を迎える会
子どもたちがより主体的に活動できる場となるように,迎え
る会をどこで行うかというところから高学年の子どもたちに考
えさせた。その結果,子どもたちは一年生を迎える会を3部構
成とし,運動場や大鷹山,沖田遺跡などの野外で行う計画を立
てた。どうすれば一年生が喜び楽しめるのかを考え,児童同士
で意見を出し合い協力しながら準備を進めていった。
当日,一年生は上級生と仲良くなり,笑顔で楽しむことが
できた。高学年の児童は,そんな一年生の姿を見たことにより,それぞれが達成感を味わう
ことができていた。また,5年生は6年生の発想力・行動力を間近で感じることができた。
【児童の感想】
・一年生だけでなく2~4年生も楽しんでいたし,最後に5・6年生もみんなから拍手が
もらえてうれしかった。
・人に喜んでもらうことが自分の喜びになるということに気付いた。
・一年生に優しく話しかけている6年生を見て,すごいなと思った。自分もやってみたい
と思った。
⑤振り返りの時間の充実(H 25年度)
児童会活動の際には,新たな友だちの良さに気付き,よりよい人間関係が構築されること
を期待した「振り返り」を行っている。この際には,次の活動においてもさらなる人間関係
の構築がなされるよう課題意識を持たせることにも力を入れた。
○夏祭り
一学期の楽しい思い出をつくるため,高学年が中心となり夏祭りを行った。お化け屋敷や
的当てなどがあり,どのブースも大いに盛り上がった。
夏祭りの計画・準備を行う際に,5・6年生の児童一人一人にどうすれば全校児童笑顔で
つながり,が楽しい思い出をつくることができるかを考えさせた。自分ができることを宣言
文にまとめ,活動後にその宣言に対する振り返りを行った。宣言した内容を実践することに
よってよりよい人間関係の構築につながったかどうかを自己評価させた。
高学年のある児童は,
「夏祭りの準備を協力することで,友だちの意外な一面が分かって,
仲良くなれた。」と振り返っていた。いじめ・暴力のない有年小学校にするための児童会活
動を通して,子どもたちが主体的に行動できるようになり,よりよい人間関係が構築された
ことが分かる。今後も児童主体の活動を広げ,いじめのない笑顔あふれる心一つの有年小学
校を目指していきたい。
5
私たちの決意
僕たちは今年クラスでいじめについて考えました。そして僕はその時,一人一人がかけが
えのない存在だということと一つ一つの命の大切さがとても深く心にしみました。その話し
合ったことから今年度の6年生の有年物語のテーマは「フレンズ~心をつなぐ笑顔~」にな
りました。このテーマの中にはさっき書いてあったことのような一人一人を大切にし,人を
思いやるというような意味をこめています。この思いが他の学年にも伝わるようにさまざま
な行事を行っています。例えば,夏祭りではみんなで楽しみ,もっと仲良くなれるような行
事を考えました。他にも水上運動会では他の学年の人がもっと盛り上がり,もっと楽しいも
のにするために5・6年生でオープニングセレモニーをするなどいろいろな工夫を考えまし
た。
二学期には,音楽会や運動会でも全学年の笑顔がつながっていくような行事にしていき,
いじめや暴力のないもっと明るい学校にしていきたいと思います。
6
市民のみなさんへ
僕たちは今年度いじめについて話し合い,いじめをなくそうと考えました。だから地域の
方々もそれを見守って下さい。また,有年小学校だけではなく有年全体赤穂市全体がいじめ
や暴力をなくし,赤穂市全体の人がもっと明るい笑顔をつないでいけたらいいと思いました。
そのためにはやはり地域の人や一人一人がそのことについて深く考え,自分の行動に責任
を持つことが大事だと思います。だからこそ地域の人たちも協力して笑顔あふれる町にして
いきませんか。
こういう少し小さなことだとしても一人一人の行動が少しずつ積み重なり,とても大きな
ものになると思います。だからさっき書いたようなこともみんなでしていっていじめのない
みんなが笑顔の赤穂市にしていきましょう。