平成二十六年度卒業式 式辞

平成二十六年度卒業式
式辞
はじめに、ご来賓の皆様に申し上げます。本日、江東区立砂町小学校、第百二十四回卒業式を挙行するにあた
り、ご多用の中、多くの方々のご臨席を賜り、卒業生・教職員一同、これにすぎたる喜びはございません。高いところか
ら失礼とは存じますが、心より厚く御礼申し上げます。また、卒業生が本日こうして堂々と、巣立っていくことができるの
も皆様が様々な場面で本校に思いを寄せてくださり、それぞれのお立場からご支援下さいました賜です。改めて深く感
謝申し上げます。本当にありがとうございました。
卒業生のみなさん、卒業おめでとうございます。小学校の六年間はみなさんにとって、かけがえのない学びの時間だ
ったと思います。今、手にしている証書には、この六年間の学びの成果としての智慧(ちえ)、そして、ご両親や地域の
方々の期待や希望が詰まっています。そのことを是非、受け止めて欲しいと思います。
さて、皆さんの心は既に中学校での勉強や生活に向かっていると思います。また、自分の可能性を信じて、一歩で
も前に進んでいこうといった気持で充実していると思います。今の気持ちをいつまでも忘れずにいて欲しいと思います。
皆さんはクラーク博士の名前を聞いたことがあるでしょうか。クラーク博士は、現在の北海道大学の前身である札幌
農学校の教頭先生として、日本人のために近代農業を教えていました。「Boys be ambitious. 少年よ、大志を抱
け」という有名な言葉を残した人でもあります。大志とは、将来への大きな夢や希望という意味です。「少年よ大志を抱
け」の意味は、「若い人たちよ、大きな夢や希望をもちなさい」という意味になります。
クラーク博士は、日本に一年間しか滞在していませんでしたが、学生に強い影響を与えていました。「少年よ大志を
抱け」という言葉は、彼が札幌を離れる日に、見送りに来た学生に残した言葉でした。この言葉は、 まだたくさんの可
能性をもっている皆さんに贈りたい言葉の代表でもあります。
実はこの言葉には続きがあります。続きを読んで初めて、クラーク博士の伝えたかったことの真意がわかります。その
続きを含めた、クラーク博士の残した言葉の日本語訳をこれから読みます。
「少年よ、大志を抱け。お金や自分の自慢のためではない。世の中の人が考える名声などのためではない。人間と
して備えていなければならない、あらゆることを成し遂げるために大志をもて。」
つまり、お金持ちになろうとか、出世して偉くなりそれを自慢するために、大志をもちなさいということではありません。人
にやさしく接すること、命を大切にすること、学び続け、本当の事を知ること、大人として礼儀正しく行動できることなど、
人間としてあるべき姿や生き方を自分自身で求め続けなさいという意味が込められています。
理想を追い求めても、そのようにならないことが多くあります。しかし、そうだからといって、はじめから現実ばかり気にす
ることはありません。未来にある可能性を自分で、諦めることほど愚かなことはないのです。
これから、自らの知恵と意志で未来を切り開こうとしている皆さんにこそ、「少年よ大志を抱け」の言葉が良く似合い
ます。
この先、苦しいことや辛く厳しい経験をするかもしれません。しかし、生きることは、苦しいことと楽しいことが、重ね合っ
ていることが多くあります。苦しさも、そして、楽しさも経験して乗り越えることが生きることになります。自分の夢を胸の中に
刻んで、前を向いて歩いてください。
結びに、ご列席の皆様に、お願いがあります。今後も、子ども達を温かく見守ってくださるようお願い申し上げます。
子ども達はきっと自らの手でより良い生き方を切り開いてくれると思います。この六年間、本校にいただいたご厚情に厚く
御礼申し上げます。
それでは卒業生の皆さん、砂町小学校の伝統を引き継いで、後輩の良き手本になってください。卒業しても皆さん
は砂町小学校の仲間です。辛い時や悲しいことがあった時は、いつでも訪ねてきてください。砂町小学校は、常に皆さ
んにとって心の故郷でありたいと願っています。
皆さん一人ひとりは、世界にたった一人しかいないかけがえのない一人です。そのことを忘れないでください。自分の
命を大切に、そして、自分以外の人の命も大切に生きてください。皆さん今後の活躍を祈っています。
これで、式辞を終わります。
平成二十七年三月二十四日
江東区立砂町小学校 校長 髙橋 修