Economic Indicators 定例経済指標レポート

Economic Indicators
定例経済指標レポート
発表日:2017年3月8日(水)
テーマ:景気動向指数(2017年1月)
~2ヶ月連続の低下も、懸念は不要~
第一生命経済研究所
経済調査部
担当 主席エコノミスト 新家 義貴
TEL:03-5221-4528
○2ヶ月連続の低下も、懸念は不要
内閣府から公表された 2017 年1月の景気動向指数では、 (2010年=100)
118
CI一致指数が前月差▲0.7 ポイントとなった。16 年 12
月(▲0.1 ポイント)に続いて2ヶ月連続の低下である。
ただこれは、中華圏の春節のタイミングのずれにより、
1月の生産関連指標が下振れたことの影響が大きい。2
月には相応のリバウンドが実現する可能性が高く、懸念
は不要だろう。景気は着実に改善していると判断して良
い。なお、内訳では、耐久消費財出荷指数、生産財出荷
指数、鉱工業生産指数など、生産関連指標においてマイ
ナス寄与となっている。前述のとおり、春節の影響が大
きいものと思われる。
また、1月のCI先行指数は前月差+0.6 ポイントの
上昇となった。内訳では、最終需要財在庫率指数や新規
CIの推移
116
114
112
110
108
106
104
102
100
98
96
94
CI一致指数
CI先行指数
12
13
14
15
16
17
(出所)内閣府「景気動向指数」
求人数がマイナス寄与だったものの、日経商品指数や住
宅着工床面積などの押し上げが大きく、全体としてはプラスとなった。CI先行指数はこれで4ヶ月連続の
上昇であり、4ヶ月累積の上昇幅は 5.3 ポイントに達する。CI先行指数の持ち直しの動きが明確になって
いることは、景気にとって明るい材料といえるだろう。内外ともに製造業部門での回復が顕著なことや、経
済対策効果の顕在化が期待されることもあり、景気は当面好調に推移する可能性が高い。
なお、内閣府によるCI一致指数の基調判断は「改善」で据え置かれた(4ヶ月連続)。CI一致指数は
2ヶ月連続の低下だが、基調判断の下方修正にはまだかなりの距離がある。当面、「改善」判断が続くだろ
う。なお、「改善」の定義は「景気拡張の可能性が高いことを示す」であり、景気が回復基調にあることが
CI一致指数からも確認されていることになる。
CI一致指数の新旧比較
○ CI一致指数の採用系列が 10 系列
→ 9系列に
135
新指数
これまでCI一致指数の採用系列の一つだった「中小企
業出荷指数(製造業)」が作成休止になったことを受け、
今回の公表分から、中小企業出荷指数を除外してCI一致
指数が作成されることになった。つまり、一致指数の採用
系列が、これまでの 10 系列から9系列に減少している。
125
旧指数
115
105
新旧の指数を比較すると、80 年代や 90 年代では水準に
多少差が確認できるが、少なくともここ 10 年程度につい
95
ては、ほとんど動きは変わらない。景気の山谷への対応性
についても問題ないようだ。景気判断等への影響はないと
85
考えてよいだろう。
75
85
90
95
00
05
10
15
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。