Economic Indicators 定例経済指標レポート

Economic Indicators
定例経済指標レポート
発表日:2016年1月29日(金)
テーマ:景気動向指数(2015年12月)の予測
~一致、先行とも2ヶ月連続の低下を予想。景気停滞感は強い~
第一生命経済研究所
経済調査部
担当 主席エコノミスト 新家 義貴
TEL:03-5221-4528
○一致、先行とも2ヶ月連続の低下に
内閣府から2月5日に公表される 2015 年 12 月の景気動向指数では、CI一致指数を前月差▲0.6 ポイン
トと、11 月の▲1.4 ポイントに続き2ヶ月連続の低下を予想する。景気の停滞感が強いことを示す結果にな
るだろう。12 月の内訳では、鉱工業生産指数や生産財出荷指数、投資財出荷指数など、生産関連での押し下
げ寄与が大きいとみられる。
本日公表された 12 月の鉱工業生産は事前予想を大きく下振れ、2ヶ月連続で低下した。10-12 月期で見る
と前期比+0.6%と小幅上昇だが、4-6月期、7-9月期の落ち込みの後にしては物足りず、生産活動は弱い
動きとなっている。また、15 年 10-12 月期のGDP成長率も大幅マイナス成長(前期比年率▲2.8%を予想)
になったと予想されるなど、景気情勢は厳しい。10-12 月期は個人消費や輸出、設備投資といった主要な需
要項目がそろって低調に推移しており、景気は牽引役不在の状況にある。先行き不透明感も依然強く、景気
の停滞感が解消されるには、もう少し時間がかかりそうだ。
また、12 月のCI先行指数は前月差▲1.0 ポイントを予想する。こちらも2ヶ月連続の低下。内訳では、
日経商品指数や住宅着工床面積、M2、生産財在庫率指数などの押し下げが大きかった。CI先行指数から
は、先行きの景気持ち直しはまだ見えてこない。
○ 基調判断は「足踏み」維持の見込み
内閣府によるCI一致指数の基調判断は、前月に続いて「足踏み」が維持される見込みである。「足踏み」
の定義は「景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高いことを示す」である。足元の景気が停滞
していることがここでも確認される。
(2010年=100)
116
CIの推移
114
112
110
108
106
104
102
CI一致指数
100
CI先行指数
98
96
12
13
14
15
(出所)内閣府「景気動向指数」
(注)直近の2015年12月は第一生命経済研究所による予測値
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。