特別研究

看護学研究科看護学専攻
科目コード
501
授業科目
学 年
1・2年
科目区分
研究科目
必修・選択別
選択
特別研究
開講時期
通期
単位数
8単位
滝内 隆子、坂井 恵子、長谷川 雅美、紺家 千津子、
平松 知子、柳原 真知子、中島 素子、前田 修子、
担当教員 森河 裕子、神田 亨勉、小林 淳二、松井 優子、
小泉 由美、浜崎 優子、櫻井 志保美、村角 直子、
田中 浩二
時間数
240時間
授業形態
演習
授業目的
看護教育、地域医療・看護現場における課題に関する研究課題を見つけ、修士論
文を作成することで、看護教育の質向上と発展、地域医療・看護の発展に貢献できる
研究マインドを修得する。
看護教育学領域では、体系的かつ実践的な看護教育(看護基礎教育・看護継続教
育)の質向上と発展に貢献できる研究課題を設定し、研究活動を行い、修士論文を作
成できるよう指導する。
地域生活支援看護学領域では、高齢者をはじめとする地域住民が可能な限り住み
慣れた地域で、自分らしい生活を最期まで送ることができることを目指したケア体制づ
くりや看護実践に貢献できる研究課題を設定し、研究活動を行い、修士論文を作成
できるよう指導する。
到達目標
【研究テーマの設定】
これまでに学んだ知識・理論や看護実践経験を基盤に、看護教育、地域医療・看護
現場における課題に関する研究課題を設定することができる。
【研究背景・文献レビュー】
文献レビューを通して研究課題における先行研究の概観をまとめ上げ、動向を把握
し、自分の研究課題の必要性や妥当性を系統的に説明できる。
【研究目的】
文献レビューの結果から、研究目的を導き出すことができる。
【研究の意義】
看護実践の質向上、改善に貢献できる研究の意義を述べることができる。
【研究方法】
1)研究目的に適切であり、かつ科学的根拠に基づく研究方法を用いることができる。
2)概念枠組みを適切に示すことができる。
3)倫理的な配慮を十分に行うことができる。
【研究結果】
1)研究目的に沿って、適切に記述することができる。
2)図表を用いて、わかりやすい方法で結果をまとめることができる。
3)新しい知見を論理的に記述することができる。
【考察】
1)文献を用いて適切に、矛盾や飛躍することなく結果を解釈することができる。
2)得られた結果に基づき、研究目的に沿った論理展開ができる。
3)研究結果の限界を認識し、限界と対処を述べることができる。
【結論】
簡潔明瞭に結論を記述できる。
【論文の構成と形式・表現の適切性】
1)誤字・脱字・不適切な文章表現がなく、決められた形式に沿って書くことができる。
2)研究目的から結論に至るまで、首尾一貫した論理構成にて書くことができる。
【研究計画書公開審査、修士論文公開審査会における質疑応答時の態度】
1)研究(計画)内容をわかりやすく説明できる。
2)質疑に的確に対応できる。
授業の概要
指導教員の指導のもとに決定した研究課題について、研究計画を立案し、その計画
に従い研究を実施し、研究結果を修士論文として完成する。
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成績評価
意見交換10%、研究遂行状況10%、研究計画発表内容20%、論文の内容
50%、論文の発表内容10%
教科書等
【教科書】
・デニス・F.ポーリット著、近藤潤子監訳:看護研究 原理と方法(第2版)、医学書院、
2010.
その他、適宜、参考資料を提示する。
留意事項
・主体的な取り組みを期待する。
授業内容
1 年次
①4月∼ 研究テーマの検討
・文献レビュー(国内外の論文を対象)
・研究の意義の明確化
②10月 仮研究テーマの決定
授業計画
③11月∼研究計画書の作成
・方法:デザイン、研究対象、研究フィールド、手順、分析
・研究倫理
・計画書の作成
・必要時プレテスト
・研究計画書公開審査会の発表準備
④1月 研究計画書の提出
⑤2月 研究計画書公開審査会
・研究計画書の修正
・倫理審査委員会への提出資料作成と提出
⑥3月 研究計画書倫理審査
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授業内容
2年次
⑦4月∼ 研究の実践(データ収集、分析、論文作成)
データ収集、分析
・研究フィールドへの依頼
・該当施設における倫理手続きの実施
・対象の選定
・研究データの収集
・結果の分析
修士論文の作成
・研究背景、研究目的、研究方法、結果について論述する。
・結果を内的妥当性、外的妥当性の視点から考察する。
・研究の限界と残された課題を考察する。
・研究成果の看護への適応を考察する。
・結論を論述する。
修士論文要旨、学位申請書、履歴書の作成
⑧1月 修士論文、修士論文要旨、学位申請書、履歴書の提出
・公開審査の準備:発表スライド、原稿の作成
⑨2月 修士論文公開審査及び最終試験
(滝内 隆子)
看護基礎教育及び看護継続教育における効果的・効率的な教育方法、教育内容、
教材開発、また、看護専門職として看護実践能力を育成するための効果的な教育プ
ログラムの開発さらに看護歴史に関する課題等について研究指導を行う。
授業計画
(坂井 恵子)
看護教員のストレス要因測定や看護基礎教育の教育方法、教育システム、また看護
技術に関する基礎的研究や看護教育者の能力に関する研究指導を行う。
(長谷川 雅美)
精神保健、精神医療に関する今日的テーマについて看護の視点から探求し、精神的
諸問題を抱えた対象に沿ったオリジナリティの高い修士論文の作成に関する研究指
導を行う。
(紺家 千津子)
医療施設から在宅等の様々な場における、褥瘡、おむつ皮膚炎、ストーマケア等のス
キンケア看護に関する様々な要因分析、アセスメント方法およびツールの作成、ケア
方法の開発、介入評価について研究指導を行う。
(平松 知子)
高齢者の理解と健康支援(当事者・家族の体験、転倒予防に対するセルフケアサ
ポートプログラムの開発、等)、老年看護実践能力育成(評価指標の開発、等)に関す
る研究の修士論文作成指導を行う。
(柳原 真知子)
助産師の教育史・教育観の研究に関する検証、女性のリプロダクティブ・ヘルスの保
持・増進を図るためのケアに関する研究などについて、各自の研究テーマに沿って研
究指導を行う。
(中島 素子)
生活習慣病は健康長寿の最大の阻害要因である。労働者における睡眠習慣、喫煙
習慣などに焦点を当てて、生活習慣と健康との関連を明確化し健康課題を抽出し、健
康な職業生活を送れるよう効果的支援方法の研究指導を行う。
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授業内容
(前田 修子)
地域で生活する療養者と家族、特に高齢者の健康や生活環境の維持増進を図るた
めの、療養者と家族へ援助方法開発(感染管理、膀胱留置カテーテル管理、医療・衛
生材料供給システム)や訪問看護師への教育プログラム開発に関する研究指導を行
う。
(森河 裕子)
地域健康支援に必要な地域の特性の把握・評価、あるいは健康阻害要因や健康増
進要因を把握するための記述・観察疫学研究を行う能力、また地域の健康レベル向
上目標達成のための効果的支援方法の介入研究指導を行う。
(神田 亨勉)
地域で生活する療養者と家族、特に過疎地域で生活する高齢者の健康や生活環境
の維持増進を図るための、在宅医療の実際と課題分析、医師と看護職の効果的な連
携、在宅医療を効果的に提供できるための地域ケアシステム構築についての研究指
導を行う。
(小林 淳二)
生活習慣病(脂質異常症、糖尿病)の成因、診断、治療、予後、予防ならびに、治療
や予防における看護職としてのアプローチに関する研究指導を行う。
授業計画
(松井 優子)
創傷をはじめとする皮膚障害のアセスメント技術や効果的なケア技術の開発について
の研究指導を行う。
(小泉 由美)
高齢者とその家族を対象に高齢者の健康や生活機能の維持増進、認知症予防のた
めの老年看護学の専門知識・技術の向上や、認知症緩和ケアや認知症高齢者の介
護負担の軽減に関する効果的な介入プログラムの開発に関する研究指導を行う。
(浜崎 優子)
地域在住の高齢者の介護予防やこれらの健康課題の分布、要因を探る量的データ
分析および高齢者やその援助者に焦点を当てた質的データ分析について研究指導
を行う。また、在宅難病患者の生活の質の向上を図るため、患者やその家族のニーズ
抽出と施策検討のための研究指導を行う。
(櫻井 志保美)
地域のケアを担う家族、介護者支援に関する実態把握、および家族支援策の効果の
検証に関する研究指導を行う。
(村角 直子)
糖尿病看護の対象者における生活の質(QOL)および行動や意識の面などの要因を
質的・量的な視点から分析、糖尿病看護のケア方法の開発についての研究指導を行
う。
(田中 浩二)
精神に病いをもつ当事者と家族の生活世界に根ざした体験の解明、当事者と看護師
の相互作用の中で展開する治療的看護ケアの考案などを通して、臨床あるいは地域
における精神看護技術の向上やケアプログラムの開発についての研究指導を行う。
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