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VOL.61
平成27年3月号
(年6回発行)
一般社団法人
一般社団法人 三重中小企業経営者協会
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平成27年度から施行される法律改正に
平成27年度から施行される法律改正に関して
今回の協会通信は、平成27年4月以降に施行される法律改正に関して解説しますので、
この改正された法律に合う様に、就業規則の改定、労働条件通知書の修正、職場環境の改
善に関し検討してください。
Ⅰ.
「パートタイム労働法」の改正
パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善に関する法律)は、パートタイ
パートタイム労働法
パートタイ
ム労働者の就業の実態を考慮して雇用管理の改善により、通常の労働者との均等・均衡
ム労働者
待遇措置の確保「公正な待遇の実現」
「公正な待遇の実現」を目的として制定されています。
「公正な待遇の実現」
今回、より一層の均等・均衡待遇の実現の確保を推進するために、平成26年4月に
改正が公布され、平成27年4月1日から施行
平成27年4月1日から施行されます。
平成27年4月1日から施行
その改正ポイントは以下の3項目です。
(1)パートタイム労働者の公正な待遇の確保
(2)パートタイム労働者の納得性を高めるための措置
(3)パートタイム労働法の実効性を高めるための規定の新設
(1)パートタイム労働者の公正な待遇の確保
(1)パートタイム労働者の公正な待遇の確保とは
パートタイム労働者の公正な待遇の確保とは
①正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象範囲の拡大
・職務の内容が通常の労働者と同一で、人材活用の仕組みが通常の労働者と同一の場合
は、賃金、教育訓練、福利厚生施設の利用をはじめ全ての待遇について、通常の労働
者との差別的取り扱いが禁止されます。
・有期雇用契約のパートタイム労働者が、通常の労働者の職務の内容と人材活用の仕組
みや運用などが同じ場合は、有期雇用契約のパートタイム労働者であても、通常の労
働者と賃金・教育・福利厚生を同一に扱うこととなります。
②パートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、職務の内容、人材活
用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない
③通勤手当に関して
通勤手当のうち、
「職務の内容に関連して支払われる」ものについては、均衡確保の
「職務の内容に関連して支払われる」ものについては、均衡確保の
努力義務となります。具体的には「通勤手当」という名称であっても、職務の内容に
努力義務となります。
密接に関連して支払われているもの(例えば、距離や実際にかかっている経費に関係
なく一律の金額を支払っている場合で、実態として基本給の一部として支払っている
ような場合が該当します。)は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、パートタイム
労働者の職務の内容、成果、意欲、能力、経験などを考慮して決定するよう努める必
要があります。
(2)パートタイム労働者の納得性を高めるための措置
(2)パートタイム労働者の納得性を高めるための措置
①パートタイム労働者を雇い入れたときは、雇用管理の改善措置の内容について、事業
主が説明しなければなりません。また、説明を求められた場合も対応が義務です。
説明義務が課せられる事項
【雇い入れ時の説明】待遇の差別的取り扱いの禁止、賃金の決定方法、教育訓練の実施、
福利厚生施設の利用、通常の労働者への転換を推進するための措置
【説明を求められたときの説明】労働条件の文書公布等、就業規則の作成手続、待遇の
【説明を求められたときの説明】
差別的取扱い禁止、賃金の決定方法、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用、通常の
労働者への転換を推進するための措置
雇い入れ時の説明内容の例
説明を求められたときの説明内容の例
・賃金制度はどうなっているか
・どのような教育訓練があるか
・どの福利厚生施設が利用できるか
・どの要素を勘案して賃金を決定したか
・どの教育訓練や福利厚生施設が利用できるか
(または利用できないか)
・どのような正社員転換推進があるか
・正社員への転換推進措置の決定にあたり何を
考慮したか
など
②パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しな
ければならない。
・相談窓口等は、その名称を問うものではないので、組織であるか、個人であるかを問
いません。窓口設置は義務ですが、当然のことながら相談に対しては、その内容や
状況に応じて適切に対応することが必要です。
・事業主は、パートタイム労働者を雇い入れたときに、「昇給の有無」、「退職手当の有
無」、
「賞与の有無」に加え、
「相談窓口」を文書の交付などにより明示する義務があ
ります。
③パートタイム労働者の不利益取扱いの禁止
・当然のことながら、パートタイム労働者が上記①の説明を求めたことを理由に、不
利益な取扱いをしてはなりません。
・また、パートタイム労働者が親族の葬儀等のために勤務しなかったことを理由に解
雇等や出勤率算定に不利に行うことも禁止されます。
(3)パートタイム労働法の実効性を高めるための規定の新設
①事業主が、パートタイム労働法の規定に基づく報告をしなかったり、虚偽の報告をし
た場合は、20万円以下の過料に処せられます。
②雇用管理の完全措置の規定に違反している事業主に対して、厚生労働大臣が勧告をし
ても、事業主がこれに従わない場合は、厚生労働大臣は、この事業主名を公表できる
こととなります。
Ⅱ.
「労働安全衛生法」の改正
「労働安全衛生法」の改正
(1)ストレスチェックの実施の義務化(平成27年12月施行)
・常時使用する労働者に対し、医師、保健師等による心理的な負担の程度を把握するた
めの検査(ストレスチェック)実施することが事業者の義務となります。
労働者数50人未満の事業場は当分の間努力義務です。
・検査結果は、検査を実施した医師、保健師等から直接本人に通知され、本人の同意な
く事業者に提供することは禁止されます。
・検査の結果、高ストレスと判定された労働者から申出があった場合、医師による面接
指導を実施することが事業者の義務となります。また、申出を理由とする不利益な取
扱いは禁止されます。
・面接指導の結果に基づき、医師の意見を聴き、必要に応じ就業上の措置を講じること
が事業者の義務となります。
(2)受動喫煙防止措置の努力義務化(平成27年6月施行)
室内又はこれに準ずる環境下で労働者の受動喫煙を防止するため、事業者及び事業場
の実情に応じ適切な措置を講じることが事業者の努力義務となります。
Ⅲ.
「障害者雇用納付金制度」の改正
障害者の雇用に伴う事業主の経済的負担の調整を図るとともに、全体としての障害者
の雇用水準を引き上げることを目的に、雇用率未達成企業から納付金を徴収し、障害者
達成企業に対し調整金、報奨金を支払う制度です。
従来は、常用労働者200人超の企業から徴収していましたが、平成27年4月から
は常用労働者100人超と変更になります。
納付金は不足1人当たり月額5万円ですが、常用労働者100人超200人以下の事
業主は平成32年3月までは月額4万円に減額されます。
以上
今回の解説は非常に判りにくい説明になりました。次回の当協
会のセミナーで、もう少しわかりやすく解説する予定ですので、
出席をお願いします。