小池渉議員(質問原稿);pdf

1、大島老人ホームの介護士等及び被保険者第 6 期保険料の負担軽減措置について
①
一般会計から介護保険への繰り入れにより、介護保険料の値上げを抑制することを提案。
②
介護士等の安定的な確保を推進するために、島外からの介護士等についての家賃補助等
の支援制度の確立を。
2015 年 4 月以降、改正された介護保険制度が順次始まります。
改正された制度では、介護報酬全体の改定率が 2.27%の引き下げ。特別養護老人ホーム
については基本報酬が 6%もの削減になります。さらに、特養の相部屋入居者に対し、新た
に日額 470 円・月額 1 万 4100 円の部屋代を徴収、入居基準も「要介護 1~5」であったの
が「要介護 3 以上」に変更されます。グループホームについても認知症対応を強化すると言
いながら基本報酬は 6%近くも削減。施設以外でも、通所介護の小規模事業所が最大で 9%
削減されます。要支援者向けでは、
「要支援 1、2」の高齢者向けサービスを介護保険から外
して、市町村による別のサービスへと移行。3 年間の移行期間を設けていますが、初年度に
移行できる自治体は全体の 7.2%、16 年度でも 17.5%にとどまっており、移行の推進を図
ることも含め、訪問介護を約 5%削減し、通所介護は約 20%も引き下げます。各自治体が
決めるサービス単価は、介護報酬が目安となるため、これまでヘルパーや介護専門職が行っ
てきたサービスをボランティアなど非専門職によるサービスに置き換えざるを得なくなり
非常に危惧するところであります。大島町では、昨日、全員協議会で提示された「第 6 期介
護保険事業計画」によると、
「介護予防・日常生活支援総合事業」となり、平成 29 年度から
のサービス開始を予定しているとのことでした。
一方、認知症加算や中重度者ケア体制加算が新設され、介護職員の処遇改善については月
額平均 12,000 円の賃上げになるよう上乗せ加算を設けます。しかし基本報酬が大幅に下げ
られる中で、労働者へのしわ寄せは避けられず、上乗せ加算を取れる事業所も限られるため、
人員不足解消につながる保証はありません。東京都の介護職員の有効求人倍率は 10,5 倍ま
で急増し、10 施設が 1 人の職員を奪い合っているのが現状です。
介護保険料については、介護報酬が下がれば、一般的に利用者の自己負担も下がりますが、
全国平均で基準額は月額 5,550 円程度となり、約 10%の大幅アップとなります。大島町で
は第 5 期保険料はすでに基準額 5,360 円となっており、値上げ抑制が求められます。第 6
期事業計画で示された基本額は 5,400 円と微増となっておりますが、これは介護報酬削減の
影響によるもので、そもそも第 5 期保険料が全国平均 4,972 円と比べ高い水準にあったこと
はみなさんもご存じの通りです。
以上を踏まえ、介護保険料の値上げを抑制するために、介護保険への一般会計からの法定
外繰り入れ、及び、介護職員の確保・定着を促すため、島外からの職員の家賃補助の支援制
度の確立を提案するものです。
介護保険への一般会計からの繰り入れについて、厚労省は保険料の減免に対し、①保険料
の全額免除、②収入のみに着目した一律の減免、③保険料減免分に対する一般財源の繰り入
れ、を不適切とする「3 原則」を示していますが、この「3 原則」は「助言」に過ぎず、
「自
治体がそれに従うべき義務はない」としています。さらに、政府は来年度の保険料について、
低所得者に対して公費を 1,300 億円投入し、所得別の第 1 段階から第 3 段階まで約 1000 万
人を対象に、最大で 7 割の減額を行うことを表明していましたが、消費税 10%の「先送り」
を口実に、来年度は第 1 段階だけを対象とし、減額割合も 20%拡大する予定だったものを
4 分に 1 の 5%にとどめています。
一般会計の法定外繰り入れは法律上も禁止されておらず、保険料軽減措置も見送っている
ことなどから、繰り入れは検討の余地があると思われます。
島外からの介護職員の家賃補助については、現在、介護事業者・椿の里では大島町老人ホ
ームの寮については 15,000 円を、寮に入れない人の民間賃貸住宅には 25,000 円の補助をし
ているそうです。島外からの職員受け入れ体制の充実を図るためにも、町として上乗せ補助
の制度設立をご検討ください。
住民課長にお聞きします。
現在の介護保険料を据え置くため、一般会計からの法定外繰り入れをした場合の概算予算
及び、椿の里における現在の島外職員の人数をお答えください。
町長にお聞きします。
新年度から始まる「改正」介護保険制度並びに介護保険への一般会計繰り入れに対しての
ご見解をお聞かせください。
2、義務教育における保護者負担軽減について
①
中体連大島支部都大会選手権大会の代表出場に係る保護者負担軽減を図るため、中学
校代表選手団派遣費拡充の検討をお願いいたします。
教育文化課長にお聞きします。
現在の大島町における中体連大島支部による東京都大会出場各種選手権大会の概要及び
都大会出場チームへの旅費等の参加費補助の内訳並びに全額を補助した場合の予算をお聞
かせください。
教育長にお聞きします。
大島の中学生の部活動は生徒数も少なく、それゆえ選択種目も限られ、かつ実践経験が
不十分等、離島というハンディを背負いながら、子どもたちは日々練習に励んでおります。
中には小さいころから、また中学校部活動を通じ、プロ選手やそのスポーツに関わる仕事を
夢に掲げている子もいるでしょう。大島に生まれ育ったことが夢や希望をあきらめる事由と
ならないよう大島町でもでき得る限りの支援をしていくことが必要ではないでしょうか。
今回の質問は、現在、大島町では中体連各種選手権大会による都大会出場チームに対し、
中学校代表選手団派遣費を助成していますが、是非、その補助費についての拡充を検討して
いただきたいということです。特に、駅伝大会については、各学校全校生徒の中から選抜さ
れ、町の大会、そして優勝校は都の大会へと進んで行くことになりますが、個人で選択した
部活とは違い、大島町すべての中学生の代表として参加することになる訳であります。保護
者にとっても予定外の出費となることも考慮し、特段の支援措置が必要であると思います。
実際に都大会の選手に選ばれていながら家庭の金銭的理由により出場を断念された生徒も
いると聞いております。
質問的には保護者の負担軽減についての提案ですが、その趣旨は義務教育における子ども
の生き難さの解消であり、どの家庭においても子どもは平等に義務教育を受ける権利がある
と考えてのことであります。教育長のご見解をお聞かせください。
最後に、共産党大島町議団は、昨年 10 月から 12 月にかけて町民アンケートを実施いた
しました。
今回の質問と関連する項目の集計結果と回答者からの声を紹介させていただきます。
子育て支援・学校教育で何を望みますか?という項目の質問では 7 つの選択肢の中から、
「学校教育保護者負担の軽減」が 16.7%で最も多く、次いで「児童館・公園など遊び場の
整備拡充」が 16.4%でした。
回答者の声では「少子化時代、子どもは国の宝。保護者負担の軽減を望む。」などがあり
ました。
医療・介護・高齢者福祉について何を望みますか?では、8 つの選択肢で「老人ホームの
増設」と「75 歳以上の医療費の無料化」の 2 つが 19.5%で最も多く、次いで「介護利用料
と保険料の引き下げ」が 16.7%でした。
回答者の声では、
「待機者をなくしてほしい。介護保険料が高くなる一方で困ります。」
「な
んとなく長生き過ぎて最近は肩身の狭い思いをすることが多くなってきた。」
「高齢者が増え、
老老介護が当たり前になる。老人ホーム・介護サービスの充実を。」など切実な声が届いて
おります。