平成 27 年度愛媛県献血推進計画 本計画は、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(昭和 31 年法律第 160 号。以 下「法」という。 )第 10 条第4項の規定に基づき、愛媛県が定める平成 27 年度の献血の推進 に関する計画である。 Ⅰ 目的 本計画は、法の基本理念である血液製剤の安全性の向上、献血によって得られた血液に よる国内自給の確保、血液製剤の安定供給、適正使用の推進及び公正かつ透明な血液事業 の実施体制の確保を図るため、国が策定する「基本方針」及び「献血推進計画」に基づき、 献血について住民の理解を深めるとともに採血事業者による献血の受入れが円滑に実施さ れることを目的として、定めるものである。 Ⅱ 計画事項 1 平成 27 年度に献血により確保すべき血液量及び必要献血者数 年度に献血により確保すべき血液量及び必要献血者数 愛媛県において平成 27 年度に必要と見込まれる輸血用血液製剤の量は、赤血球製剤 73,000 本、血漿製剤 30,000 本、血小板製剤 70,000 本である。 さらに、国から割り当てられる原料血漿確保目標量(9,937L)を勘案すると、本県で は平成 27 年度に全血献血により 15,647L、血漿成分献血により 1,228L、血小板成分献 血により 2,927Lの合計 19,802Lの血液を確保する必要がある。 この血液量を献血により確保するためには、200mL献血 63 人、400mL献血 39,085 人、血漿成分献血 2,651 人、血小板成分献血 7,317 人の合計 49,116 人の献血者が必要で あり、内訳については採血計画のとおりとする。 2 献血者を確保するために必要な措置に関する事項(献血推進方策) 献血者を確保するために必要な措置に関する事項(献血推進方策) 健康な人からの相互扶助と博愛精神による自発的な献血の必要性について理解を求め るとともに、輸血を必要とする患者に対する感染症等のリスクを低減させる等の利点が ある 400mL献血及び成分献血の一層の推進を図る。 特に、少子高齢化の進行による血液製剤を必要とする患者の増加や献血可能人口の減 少を考慮し、将来にわたって県内の医療に必要な血液製剤が安定的に供給できる体制を 維持するため、若年層に対する献血を一層推進する必要がある。 そこで、若年層に対する献血推進の指標として、10 代の人口に対する献血率を 5.3% に、20 代の献血率を 6.5%に、30 代の献血率を 6.7%に増加させることを目標とする。 また、平成 22 年 1 月に実施された英国滞在歴による献血制限の見直し及び平成 23 年 4 月に施行された採血基準の改正について、引き続き県民に対して広報を行う必要がある。 これらの目的及び目標を達成するために、県は、市町及び愛媛県赤十字血液センター (以下「血液センター」という。 )ほか関係団体等と連携を図り、次に掲げる施策を実施 する。 -1- ⑴ 若年層を対象とした対策 10 代から 30 代の若年層に対してボランティア活動である献血への関心を高めると ともに、初回献血の推進を図る。 特に、高校生に対しては、高校2、3年生を対象とした啓発資材の配布や、愛顔の 高校生献血推進会議の開催等参加型の普及啓発活動の推進により、献血の正しい知識 や必要性の啓発を行う。 また、20 歳前後の若年層への取組として、大学祭や学園祭等若年者が集う機会を最 大限活用し、献血に触れ合う機会を増加させ、献血思想の普及を図る。 なお、献血可能年齢に満たない小・中学生に対する献血思想の普及を図る。 さらに、子育て中の 20 代後半から 30 代を中心に、親子が献血に触れ合う機会や採 血所を利用しやすい環境を設ける。 ア 愛顔の高校生献血推進会議の開催 イ 小学生親子血液センター見学体験教室の開催 ウ 学校に対する普及啓発資材の配布及び献血出張教室等の開催 エ 大学におけるボランティアサークル等に対する活動支援 オ 大学及び専門学校等への移動採血車の配車回数の増加 カ 事業所献血における若年構成員への献血協力の呼びかけ キ 採血所における託児体制の確保 ⑵ 50 歳から 60 歳代を対象とした対策 年齢別人口に占める献血者の率が低い傾向にある 50 歳から 60 歳代の層に対し、 「血 液製剤の利用実態」や「献血可能年齢」等について正確な情報を伝え、相互扶助の観 点からの啓発を行い、献血者の増加を図る。 また、採血基準の改正により、血小板成分採血が、男性に限り 69 歳まで(ただし、 65 歳から 69 歳までの方については、60 歳から 64 歳までの間に献血の経験がある方に 限る。)可能となったことを周知し、献血者の確保を図る。 ⑶ 企業等における献血の推進対策 献血に協賛する企業や団体を募り、その社会貢献活動の一つとして、企業等におけ る献血の推進を促す。 ⑷ 各種キャンペーンの実施 夏季及び冬季における血液の安定供給を図るため、各種団体及び報道機関等の協力 を得て、次のとおりキャンペーンを実施する。 キャンペーン期間においては、献血普及啓発用ポスター等の啓発資材を保健所及び 市町等を通じて配布するほか、マスメディアによる広報活動等により 400mL献血及び 成分献血の推進を図る。 ア 愛の血液助け合い運動(7 月 1 日~8 月 31 日) イ はたちの献血キャンペーン(1 月 1 日~2 月 28 日) -2- ⑸ 表彰等の実施 献血運動の推進に関し、積極的に協力し、模範となる実績を示した団体等に対して 表彰等を行う。 ア 厚生労働大臣表彰状及び感謝状の伝達 イ 知事感謝状の贈呈 ⑹ 愛媛県献血推進計画策定検討委員会の開催 計画的かつ総合的な献血推進を図るため、愛媛県献血推進計画策定検討委員会を開 催し、翌年度の愛媛県献血推進計画及び具体的な献血者確保方策の検討を行う。 ⑺ 地区献血推進協議会の活動の強化 県下6保健所毎に設置している地区献血推進協議会を活用し、地域の実情に沿った 献血に関する教育及び啓発を検討する。 また、地域の献血推進組織と連携し、献血推進キャンペーンの実施や献血協力の呼 びかけ等を実施する。 ⑻ 県、市町及び血液センターによる献血推進方策等の確認及び連携 県下保健所及び市町の献血事業担当者並びに血液センター職員による研修会を開催 し、献血推進方策の確認及び献血事業の現状や問題点についての討議を行う等により、 相互の連携を図る。 ⑼ 県民に対する情報提供 ア 血液センターのホームページ(http://www.ehime.bc.jrc.or.jp/)により、移動 採血車の配車スケジュールの周知その他献血に関する情報提供を行う。 また、Facebook を活用して、献血イベントに関する情報提供を行う。 イ 市町の広報等を活用し、献血場所やスケジュールの周知を行う。特に、地域にお ける催し物の機会等を活用し、積極的に献血活動を推進する。 ウ 県及び市町のホームページ並びに放送媒体等の各種媒体を活用することにより、 献血推進キャンペーンの実施や献血場所の周知等、県民に対する情報提供に努める。 ⑽ 各種ボランティア団体等に対する普及啓発活動支援 各地域等における献血普及啓発活動に資するため、次の物品の貸し出しを行う。 ⑾ ア 愛媛県献血キャラクター「あいピー」の着ぐるみ(ウォーキングバルーン) イ 献血普及啓発パネル(5枚組) 複数回献血の推進 血液センターが主体となって運営している複数回献血者を構成員とする「複数回献 血クラブ(リピートあいピー)」の周知に努め、複数回献血の推進を図る。 -3- 3 その他献血の推進等に関する重要事項 ⑴ 献血者が安心して献血できる環境の整備 平成 26 年6月に移転・リニューアルした大街道献血ルームを活用し、献血者にとっ て快適な空間づくりの拡充を図る。 献血者が安心して献血できる環境整備の一環として創設された献血者健康被害救済 制度について、制度の周知を図るとともに、献血者および献血者の個人情報の保護に 努める。 また、採血の手順、採血後に十分な休息をとる必要性、気分が悪くなった場合の対 処方法等についてのリーフレット等を活用して事前説明を十分に行い、献血者が抱い ている不安等の払拭に努める。 ⑵ 200mL献血の在り方について 200mL献血については、高校生等初めて献血を経験する者の不安を払拭するために は有効な取組みであるが、現地点では県内の医療機関における 200mL献血由来製剤の 需要は極めて少なく、初回献血のために 200mL献血を推進することは容易ではない。 このため、若年層の献血推進については、400mL献血の必要性及び輸血を受ける患 者に対する感染症等のリスクを低減させること等についての説明を丁寧に行うなど 200mL献血の活用とは別の方法を講じる必要がある。 ⑶ 災害時における献血の確保等 地震などの災害時等においては、愛媛県地域防災計画に基づき、需要に見合った広 域的な献血の確保及び血液が円滑に現場に供給されるよう必要な措置を講じる。 特に、東日本大震災を教訓に災害時等に備えた複数の通信手段の確保や燃料の確保 が的確に行われるよう対策を講じることを引き続き検討する。 ⑷ 血液製剤の適正使用の推進 医療関係者に対して血液製剤を用いた医療が適正になされるよう院内体制の整備等 について働きかけ、血液製剤の適正使用を推進する。 ⑷ 愛媛県献血推進対策本部会議の開催 県内の血液製剤在庫量が減少する等により緊急的な対応が必要となった場合には、 県保健福祉部長を本部長とする愛媛県献血推進対策本部会議を開催し、対応を協議す る。 -4- 平成 27 年度採血計画 1.原料血漿確保目標量(国割当量) 9,973 L (対前年度比 99.2%) 2.必要血液量 19,802 L (対前年度比 92.8%) 3.必要献血者数 49,116 人 (対前年度比 92.8%) 173,000 本 (対前年度比 89.2%) 4.輸血用血液製剤必要本数 5.前年度計画との比較 原料血漿確保目標量 ブロック再配分量 国割当量 必 要 献血者数 必要血液量 輸血用血液製剤 必要本数 27 年度計画 9,973L 8,593L 19,802L 49,116 人 173,000 本 (前年度比) 99.2% 92.7% 92.8% 92.8% 89.2% 10,053L 9,272L 21,333L 52,953 人 194,000 本 14,305L 38,536 人 132,225 本 67.1% 72.8% 26 年度計画 実績(12 月末現在) 計画に対する割合 68.2% ※原料血漿確保目標量については、国から割り当てられる目標量をもとに、中四国ブロック各県で再 配分して目標値を設定している。 6.必要献血者数及び必要血液量の内訳 区 分 全血献血 200mL 献血 成分献血 血漿献血 400mL 献血 血小板献血 合 計 必 要 献血者数 (※( 移動採血車等 63 人 0 (△37) 39,085 人 (△2,073) )内は前年度との比較) 献血ルーム 必要血液量 63 人 (0) (△37) 15,647L 29,700 人 9,385 人 (△836) (△1,858) (△215) 0 2,651 人 1,228L (0) (△266) (△111) 7,317 人 0 7,317 人 2,927L (△1,461) (0) (△1,461) (△584) 29,700 人 19,416 人 19,802L (△1,858) (△1,979) 2,651 人 (△266) 49,116 人 (△3,837) -5- (△1,531)
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