選択領域 8月7日(金) その1 ☆主な受講対象者 幼:幼稚園教諭、小:小学校教諭、中:中学校教諭、高:高等学校教諭、特:特別支援学校教諭、養:全校園種の養護教諭 コード番号 講座名 B-1 特別支援教育Ⅰ 時間数 6時間 対象職種 教諭・養護教諭 主な受講対象者 幼・小・中・高・特・養 定員 180名 障害を持つ子ども、複雑な家庭環境に育つ子どもやその保護者に対して学校や教師がいかに支援できる かを考える。また、特別支援コーディネーターを中心とした学校内外の人的資源を生かしたチーム援助の 具体的なあり方について学ぶ。 概要 テーマ・講師 内 容 LD、ADHD、高機能広汎性発達障害だけでなく複雑な家庭環境に育つ子ども や虐待など、“ちょっと気になる子ども”や“配慮が必要な子ども”はますます 増えているように感じられる。保護者のニーズも多岐にわたり、保護者対応に 窪田 知子 苦慮する現場の声もよく聞かれる。本講座では、そんな子どもたちや保護者 に対して、学校や教師がどのように支援できるかを一緒に考えたい。 配慮が必要な子どもと保護者への 支援のあり方 学校心理学では、「みんなが資源、みんなで支援」を合い言葉にチーム援助 チーム援助で進める特別支援教育 を行います。特別支援教育においても、特別支援教育コーディネーターを中 核に据え、学級担任、教育相談主任、養護教諭、管理職、スクールカウンセ -学校心理学の立場から- ラーなどがチームを構成し、チーム援助を行うことが期待されています。本講 座では、学校心理学の援助サービスの種類、チーム援助の具体的なあり方 京都教育大学 藤岡 秀樹 などについて、実習も取り入れながら、お話ししたいと思います。参加者の交 流ができることを期待したいと思います。 コード番号 講座名 B-2 心と身体の健康Ⅰ 時間数 6時間 対象職種 教諭・養護教諭 主な受講対象者 幼・小・中・高・特・養 定員 100名 1) 子どもを取り巻く環境と、2) 子どもの身体の発育・生育の2つの視点から、子どもの心と体の健康につい て、講義と講義をもとにした議論を進め、考えを深めていく。1) でのキーワードは、子どもの「居場所」、2) で のキーワードは、「身体活動活発化」で、現代の子どもたちを、心という精神的な側面と体という物理的な側 面2つの側面から見ていく。 概要 テーマ・講師 内 容 子どもにとって、学校が安心して過ごせ、活躍できる場になっているかどうか を考えるとき、「居場所」という概念を手がかりにすることが有効であると考え られる。子どもにとって、「居場所」とはどのような場所であり、学校が子どもに びわこ成蹊スポーツ大学 とっての「居場所」となり、子どもと学校との「絆」が深まっていくための方策に 高柳 真人 ついて、ともに考えてみたい。 学校カウンセリング 身体の発育・発達の概要を理解する。①発育速度の個人差、②体力の二極 化、③正しい生活習慣の重要性について知る。生活習慣のうち遊びや運動 の身体活動が及ぼす健康への効果について先端的知見を紹介する。また、 びわこ成蹊スポーツ大学 金森 雅夫 活動実践例を踏まえ、「身体活動活発化」について議論したい。 身体の発育・発達と健康 コード番号 講座名 B-3 算数・数学 概要 時間数 6時間 対象職種 教諭 主な受講対象者 小・中・高 定員 50名 身近にあるものを題材にしたトピックや自然現象を取り上げながら、それらの仕組みについて数学を通して 考えるとともに、数学という学問の役割についても考える。講習前半では、「投げられたボールが描く軌跡・ 放物線」、後半では「生態系における食うもの・食われるものの関係」などの仕組みを明らかにしつつ、数学 的な表現を取り扱う意義を捉える。 テーマ・講師 内 容 身近なものから学ぶ数学 神 直人 自然科学の中の数学 身近にあるものを題材に2,3つのトピックを扱う。1つは、投げられたボール が描く軌跡・放物線は直線、円などとともに身近に現れる曲線である。実はこ の放物線が他の場面でも現れてくる。その数学的な仕組みを明らかにしつつ 放物線を楽しんでみたい。他に多角形の上にできる砂山の形に注目してその 幾何学的な面白さを紹介する。 生態系における食うもの・食われるものの関係や、化学反応における化学物 質の濃度変化など様々な自然現象は、一見数学とは無縁に思われます。し かし、これらの現象を数式を用いて記述すると、その本質を数学的に理解で きるようになります。 鈴木 宏昌 本講習では、教科としての算数・数学や理科といった枠にとらわれず、自然科 学における数学の役割について考えます。とりわけ、数量の変化の割合に着 目して事象を数理的に捉えることを試みます。 選択領域 8月7日(金) その2 コード番号 講座名 B-4 概要 理科Ⅰ 時間数 6時間 対象職種 教諭 主な受講対象者 小・中・高・特 定員 50名 理科授業内外における人の行為や自然現象を科学的に取り扱うことについて考える。講習の前半は、児童 生徒と教師によって授業内に生じさせるべき「双方向コミュニケーション」について学ぶ。また、科学と社会 の関係も議論する。後半は、自然が我々に与える災害と恩恵の二面性に焦点を当て、授業外でも我々が 直面する「自然」について考える。また日本の自然災害の現状と原因を探りつつ、防災・減災の在り方も議 論する。 テーマ・講師 内 容 科学コミュニケーション 加納 圭 コミュニケーションの方法論を身につけて、理科授業内において児童生徒と 教師との双方向コミュニケーションを成立させるやり方について学びます。ま た、中学校:「科学技術と人間」と高校:「科学と人間生活」を踏まえ、科学と社 会との関係についても学びます。 近年、日本列島で発生する様々な自然災害が注目されています。東日本大 震災の原因となった地震や津波だけでなく、気象災害や土砂災害も目立つよ うになっています。本講習では近年の日本の自然災害の現状と原因を探りま す。また、自然は災害だけでなく、日常は人間に様々な恩恵を与えてくれま 藤岡 達也 す。災害と恩恵の自然の二面性に焦点を当てて防災・減災の在り方も考えて みましょう。 自然景観と自然災害 コード番号 講座名 時間数 対象職種 主な受講対象者 定員 B-5 体育Ⅰ 6時間 教諭 幼・小・中・高・特 50名 概要 小・中学校のボール運動領域は「ゴール型」「ネット型」「ベースボール型」の3つに分類される。「ゴール型」を 中心に、それぞれの「型」に共通する指導内容の明確化や体系化について考察する。また、幼少期に発達 が著しい運動センス(神経)について、理論と実技を通して理解を深める。 テーマ・講師 内 容 2008年の学習指導要領改訂により、小・中学校のボール運動領域は「ゴール 型」「ネット型」「ベースボール型」の3つに分類されました。それぞれの「型」に 共通する指導内容の明確化や体系化をどのように図ればよいのか、またそ 加登本 仁 れらをどう評価すればよいのか。本講では、「ゴール型」を中心に、講義と実 技を通してそれらの点について考えていきます。 ゲームパフォーマンスを高める ボール運動領域の指導と評価 運動センス(神経)が向上するのは10歳頃までです。この時期までに様々な 運動を経験することが重要であり、この時期までの運動経験がその後のス ポーツ活動に大きく影響してきます。本講座では、運動能力・運動センスに関 松田 繁樹 する理論を概説し、さらに、実際に運動能力・運動センスを高めるための運動 を幾つか紹介します。 運動能力・運動センスを高める運動 (理論と実技) コード番号 講座名 B-6 技術 概要 時間数 6時間 対象職種 教諭 主な受講対象者 中 定員 50名 前半では、技術科教育の学習内容について具体例から考察し、技術科教育の新しいステージとして、技術 フルエンシー教育との関係について学ぶ。また、後半では木材加工における手工具の使用方法や木材の 種類や特徴について確認するとともに、木材加工教育における学習者の認知過程にもとづく学習指導法に ついて考察する。 テーマ・講師 内容 学習指導要領の改訂により、技術科教育は、材料と加工に関する技術、エネ ルギー変換に関する技術、生物育成に関する技術、情報に関する技術の4 技術科教育の新しいステージ つをコアにして展開されることになった。本講座では、その4つの技術の特徴 松原 伸一 について、具体例を示して展開するとともに、技術科教育の新しいステージと して、技術フルエンシー教育との関係について講義と演習を行う。 特に、中学校技術科に関わり木材加工における手工具(のこぎり、かんな、の み)の使用方法や木材の種類や特徴について確認するとともに、木材加工教 育における学習者の認知過程にもとづく学習指導法について考察する。実習 岳野 公人 を伴う場合もあるので、作業できる服装を準備してください。 木材加工教育の充実 選択領域 8月7日(金) その3 コード番号 講座名 B-7 英語 概要 時間数 6時間 対象職種 教諭 主な受講対象者 小・中 定員 50名 英語という「ことば」と「ことばと文化」について、「英語学・言語学」の部分と「英語文学」の部分の双方の面 からことばをひもとき、英語ということばが持つ言語的背景、文化的背景への知見を、講義を通して深めて いく。言語面からは、英語の名詞句表現にまつわる課題を、言語と文化についての面からは、日本でもなじ み深いジャンルの文学作品を課題として学ぶ。 テーマ・講師 内 容 ある小学校の外国語活動で "What do you like?" "I like 〜." の活動がありま した。 "〜" の部分にいろいろな名詞句を入れて会話してもらうのですが、「りんごが 好き」を、可算/不可算、特定/総称などの文法説明ができないため、 "*I like apple." にしてしまったそうです。正しく名詞句を使うのは意外と難しい かもしれません。今回の講習は名詞句の文法をもう一度概観していただくと 同時に、言語学分野で取り上げられている名詞句の面白いデータと分析を紹 介します: (1) 冠詞の基本的用法 (2) 可算/不可算名詞 名詞句再考 e.g., The salad contains an apple. /The salad contains apple. (Moltmann 板東 美智子 1997) の違い (3) 存在構文と名詞句 e.g., There are some apples on the desk. / *There are all apples on the desk. で all はなぜ使えないか (Kishimoto & Kageyama 2011) (4) モノ名詞とデキゴト名詞 e.g, The house's construction was finished in two months. / The construction was arduous and tedious. / The construction is standing on the next street. (Pustejovsky 1995) の construction の意味の違い、などを扱う予定です。 平易でありながら良質の英語の文章を楽しんで読むという体験を通して、英 語学習の原点に立ち返って、今後の授業への活用を考えてみたい。具体的 にはHarry Potter and the Philosopher's StoneやAlice's Adventures in 英文を楽しむ Wonderlandなどから読みどころを抜粋して、英語の説明を中心に、文化背 -英文和訳から翻訳へ- 景、英語の歴史、英米語の違いなどについて解説する。英語教師という立場 を離れ、英語学習者として英語に向き合い、英語で物語を読むという楽しさを 岩上 はる子 思い出したい。教師が楽しんでいる姿が、生徒にとって最も印象に残ると考え るからである。 コード番号 講座名 B-8 幼児教育Ⅰ 概要 時間数 6時間 対象職種 教諭 主な受講対象者 幼・小・特 定員 40名 人が適正な社会性を身につけていくには、乳幼児期に「人とかかわる力」を豊かに育んでおくことが何よりも 重要な課題となるが、その際保育者は具体的にどのような役割を果すべきなのかを実践的に学ぶ。外国人 児童が、この日本において「人とかかわる力」を的確に身につけていくことは、さらに困難な問題となる。外 国人児童の置かれている現状や課題を踏まえ、造形活動による実践例を通して多文化共生教育のあるべ き姿について学ぶ。 テーマ・講師 外国人幼児・児童の教育を考える -造形活動の視点とともに- 滋賀短期大学 深尾 秀一 人と関わる力を育むために大切な 保育者の役割 滋賀短期大学 安井 惠子 内 容 外国人労働者の受け入れなどの国際化の影響を受け、地域に外国人幼児 や外国にルーツを持つ児童が増えてきています。国内における外国人学校 や保育所からも、日本の幼稚園や小学校に転入してくる児童も多くなってきて います。このような児童の背景・現状を理解しておくことは多文化共生社会に おける教育では重要です。外国人児童の置かれている状況と課題について、 国内における外国人学校での造形教育を中心に研究した資料なども参考に しながら受講者の皆さんと共有し考えていきたいと思います。 「人とかかわる力の基礎は、自分が保護者や周囲の人々に温かく見守られて いるという安定感から生まれる人に対する信頼感をもつこと、さらに、その信 頼感に支えられて、自分自身の生活を確立していくことによって培われる」と 幼稚園教育要領に述べられています。乳児期からの育ちがどのように幼児 期の人間関係に影響を及ぼすのか、乳幼児期に「人とかかわる力」を育てる ための保育者の役割について学びを深めていきます。明日への実践につな がるように具体的に人とつながるための遊びも行います。
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