小規模二法(小規模基本法・小規模支援法)が施行された。施行された;pdf

2015.3..26 (vol.22)
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経営発達支援計画認定後の商工会
発行:有限会社 C3
不易流行
(51 年目からの商工会)
TEL:077-524-7755
文責:田中義郎
小規模二法(小規模基本法・小規模支援法)が施行された。施行された法律には予算措
置が講じられ、成果も求められる。如何に小規模企業の発展に波及させ、成果を出すか。
これは商工会(商工会議所を含む。以下同じ)に課せられた任務である。
平成27年度は商工会にとって節目の1年になる。国も威信をかけ、信賞必罰の態度
で臨んでくるのではないかと思われる。
何のための経営発達支援計画の認定か
経営発達支援計画(以下、発達支援計画)認定の目的は何か。
その1つに商工会の実態を把握したいという国の思いが垣間見える。現在の実績報告
では、経営支援の実態はほとんど把握できない。小規模企業の経営改善にどのように機
能していのか、具体的な成果を測るデータがない。多少うがった見方をすれば、発達支
援計画は、このジレンマを解消する手段として有効に機能するのではないかと思われる。
申請段階で厳しいチェックを入れ、5か年計画を提出させる。法施行6か月後の申請
である。5か年計画を達成する体制を整える余裕はないことを承知の上で申請させる。
提出された計画は、恐らく「願望計画」の域を出ていないだろう。体制が整わないままで
の「願望計画」は、常識から判断すれば実現は難しい。
1年後の実績報告(成果報告)で、商工会の能力や意欲、成果などの実態や格差が見え
てくる。実績は、県などのレベルだけではなく、全国的な規模で横断的に評価する貴重
な資料になる。
2年後、3年後、格差は確実に拡大する。この時点で、小規模企業にとって必要な商
工会と必要としない商工会が、どんどん色分けされていくだろう。
私はコンサルティング業務の一環として、中小企業の経営計画の作成(通常3年~5
年)とその実現に携わっているが、まず最初に着手するのは、経営者の「頭の構造」を変
えることである。現状延長線上の思考では、「願望計画」に終始し画餅に終わるからであ
る。
経営者が「頭の構造」を変え、体制を整え、社員とのコミュニケーションを図りながら、
意識を変えていく。具体的な経営計画の作成はそれからである。相当の時間をかけてつ
くり上げる覚悟がなければ実現しない。あくまで私自身の経験であるが、「頭の構造」を
変えるだけでも6か月から1年はかかる。これが現実である。
発達支援計画も経営計画も、全職員・社員で取り組まないと実現は困難である。組織
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「流行」は時の経過とともに「不易」になり、不易は次の流行(流れ)を生み
だす礎になる。両者は対立概念ではなく「表裏一体」の概念である。
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ぐるみで取り組む体制を整えるためには、危機感を持って臨む。危機意識の醸成は、計
画作成の前段階から取り組む。計画の果実は簡単に手に入らない。相当の手間暇をかけ
ないと実現が困難なのだ。
経営発達支援計画申請の時期
発達支援計画の申請の進捗状況は、県などによってさまざまなようであるが、申請が
目的ではない。前号でも述べたが、目的は経営支援能力を高め経営構造(体質)を転換し、
小規模企業の経営発達のニーズに応えることにある。
平成27年度は、体制を整え、「土台」を固めることに全精力を注ぐべきであろう。
国などの意向を考えず、一般的な常識から判断すれば、申請は体制を整えてから行う
べきである。見かけは大樹でも、根が不十分なら風が吹けば倒れる。要は「自然の法則」
に逆らえば混乱を招くだけである。
旧来の業務に加え、小規模事業者持続化補助金などさまざまな施策の執行で、多忙を
極めている現実はよく承知している。しかし、今、目先のことに翻弄されていると近い
将来、大きな禍根を残すことになる。
5か年計画の達成は初年度で決まる。初年度、1.5 年分の取り組みをしないと達成は
困難だろう。
これを機に、業務のスクラップを思い切って断行する。商工会には慣行的に行われて
いる事業、目的がはっきりしない事業、機能を失った組織など、足かせになっている事
業や組織が横たわっている。今、これらを一掃するチャンスである。
これらの取り組みには、さまざまな抵抗が予想される。
「しがらみ」を優先するか、「組織」を守ることを優先するか。
その決断ができるか否か。
平成27年度は、商工会の将来を占う大切な1年になりそうである。
お知らせ
中小企業と地域経済活性化の連載コラム 『地方創生と経営支援機関の果たすべき役割』
10回のシリーズで、産経新聞グループの総合経済紙「フジサンケイビジネスアイ」(全国版)に掲載さ
れることになりました。
スタートは4月8日(水)、毎月第2・第4水曜日の掲載になり8月まで連載されます。
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だす礎になる。両者は対立概念ではなく「表裏一体」の概念である。