(カテゴリ) 遊び・学び - 親向けプログラム (タイトル)モンテッソーリ教育に学ぶ子育てのヒント (イントロ) 2015 年3月によみうりカルチャー大森で開催された「モンテッソーリ教育っ て何?」というワークショップに参加しました。ワークショップの様子とそこ から感じとった子育てのヒントをご紹介します! (続き)※以下は「続きを読む」をクリックすると表示される文章です。 何となく耳にすることはあったモンテッソーリ教育。なんだか難しそうで、元気いっぱい動き回る 1 歳 10 カ月のおてんば娘「こりっきー」には向いていないのかな…と敬遠していたのですが、 「モンテッソー リ教育って何?」というワークショップが開催されるということで、早速参加してきました。当日の参加 者は 12 名。モンテッソーリ教育についてほとんど知らないという人が約半数でホッとしました。 講師は、幼稚園や幼児教室でモンテッソーリ教育に携わった経歴を持つ五味沙織 さん【=写真】です。2児の母でもある自身の子育てエピソードを交えながら、モ ンテッソーリ教育とは何か?というお話を聞かせて下さいました。 モンテッソーリ教育とは、イタリアの精神病棟で働いていた医師マリア・モンテ ッソーリ(1870~1952)が考案した教育法です。発達に障がいがあるこどもがパンくずを拾い集める動 作を見て、 「この動作に意味があるのでは?こども達は感覚的な刺激を求めているのでは?」と気づいた ところから研究が始まり、こどもの五感を刺激するような教具や指導法が定められ、世界中に広まって いったそうです。 実際のモンテッソーリ教育の教室では、様々な教具が用意され、こどもが 自分で好きな作業を選び、教師に見守られながら満足するまでそれに取り 組む、ということが行われています。この作業のことを「お仕事」と呼んで いるそうです。お仕事と言っても、大きさの違うブロックを積み上げてタワ ーにしたり、色のついた水を瓶から瓶へ移し替えたり、シールを台紙に貼っ たり・・・と、こどもが夢中になれる楽しい作業です。 年齢や分野によって使用する教具は様々で、なんと 100 種類以上あ ります。 「教具の正しい使い方を教師から学んだ後、繰り返し満足する まで自分でやってみることで、達成感や自信を得ることができます。 例え失敗しても他人のせいにせず冷静に見つめて再度チャレンジす る力や、使った教具は次の人のためにきちんと元に戻すというルール を守ることで社会性を育むという目的もあります。さらに、異年齢で のクラス編成にして、互いに学んだり教えたりする経験を大切にしています。」とのお話でした。 実際に使用する教具を見てみると、素朴でシンプル、手作り感があって温かみを感じるものでした。教 具の大きさ、色使い、素材等、全てにおいてこどもの五感への刺激を計算して作られており、そのシンプ ルさゆえに間違いにも自分で気づきやすいとのことでした。 このように書くと、専用の教具を揃えたり教室に通ったりしなければいけないのか?と思われるかも しれませんが、家庭でできる取り組みもたくさんあるそうです。私が「明日からの子育てに早速役立つか も!?」と感じたモンテッソーリ教育の考え方をご紹介します。 ■我が子の興味は何に注がれているか観察してみよう 「うちの子、今これがブームなんだな~」という遊びや動作がありませんか?こどもには、一定の時期 に特定の物事にこだわりを持つ時期があり、それをモンテッソーリ教育では「敏感期」と呼びます。いつ もの道順にこだわったり、自分で荷物を持ちたがったり、数字を片っ端から読み上げたり…時期により 対象は変わりますが、 「ふむふむ、そこに興味を持ったか!」と観察し、その子の興味に合った適切な教 具や環境を整え、やる気を引き出すことがモンテッソーリ教育の土台となっていると感じました。 我が家のこりっきーは財布の中身を出したり入れたりすることが楽しいようで、使わないポイントカ ードを大事そうに渡すと目を輝かせます。単なるいたずらに見える行為も好奇心の表れ、成長の過程だ と受け止めると気持ちが楽になりそうですよね。 ■家事を一緒にやってみよう 専用の教具がなくても、プランターの水やりやそ ら豆の皮むき、ごますり等の家事を一緒にやってみ るだけでもこどもの五感を刺激します。指先の筋肉 が鍛えられるだけでなく、実際の生活に基づく行為 なので、より満足感や達成感を得ることにつながる そうです。はさみやアイロンも、危険だからと排除 するのではなく、正しい使い方を教えて、見守りな がら作業させることが大事だと学びました。最近、 掃除機をかけたがったり、風呂掃除をしたがったりするこりっきー【=写真】 。一緒にやると 10 倍の時 間がかかりますが、彼女の達成感のためにも付き合ってあげようかと思えました。小さなはたきやブラ シを用意してあげるとより良いのかもしれません。 ■自分でやってみる環境を整えよう こどものやる気を削がないために、手に届くところに必要な物を置き、環境を整えることが大事だそう です。自分で手に取れるところにふきんがあれば、水をこぼしても自分で拭いて解決できますよね。 「こ ぼしちゃダメでしょ!」と叱って親が拭いてしまうのではなく、 「ここにあるふきんで拭いたら良いんだ よ」と示してあげるというスタンスです。こういう風に接することができれば、親子ともにストレスが軽 減されるかも!と思いました。 また、おもちゃも大きな箱に雑多に入れるのではなく、欲しい物がスッと取り出せるように整頓してお くと良いそうです。私も、今では使わない赤ちゃん時代のガラガラなどを整理して、活躍中のスタメンお もちゃを棚に並べてみようかと思いました。 最後に、他の参加者の感想をご紹介します。 ・一通りのことができるようになると「発達」の考え方を忘れてしまうので、息子の行動もモンテッソー リ教育の視点で冷静に見てみようと思うことができました。 (4歳男の子のお母さん) ・モンテッソーリ教育とは、遊びで生活力をつけるということだと理解しました。こどもの心理や脳の仕 組みを知ることができ大満足でした。(1歳女の子のお母さん) ・モンテッソーリ教育について、もっと知りたくなりました。本を読んで勉強してみようと思います。 (1歳男の子のお母さん) ********* モンテッソーリ教育の理念や手法は奥深く、 「モンテッソーリ教育とは何か?」という問いに一言で答 えることは難しいのですが、 「こどものやる気に寄り添い、自分でやり遂げる力を育むことを大事にした 日常生活に密着した教育である」と自分なりに理解しました。日々の生活の中に、モンテッソーリ教育の エッセンスを取り入れることで、こどもが持つ成長する力を感じ、肩の力を抜いて子育てを楽しめるよ うな気がして励まされるワークショップでした。 (りっきー) (リンク) ・講師五味沙織さんのホームページ「Domani」 http://domanikosodate.web.fc2.com/index.html
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