週刊穀物150325飼料用穀物の3月のUSDA OUTLOOK;pdf

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週刊穀物
世界の穀物情報がここに凝縮されています。
毎週水曜日夕方発行
穀物価格横ばい中
発行日
:
2015/3/18
3月17日のシカゴ唐もR腰5月限は▲8.00セント安の371.00セント。
小麦高やドル反落でプラスに浮上したが、原油急落や大豆・小麦の反落、米国の鳥インフルエンザ拡大による飼料需要の
減少観測、中国のウクライナ産コーン買い付けなどで輸出に対する悲観的な見方が広がり、年初来安値を更新した。中心限
月の5月限は、時間外取引を379.75~377.00セントのレンジで推移し、前日比2.00セント安の377.00セントで引け
た。5月限は、売りが優勢になったあと、小麦高やドル反落でプラスに浮上したが、原油急落や大豆・小麦の反落で値を消
した。輸出低迷や、米国内の鳥インフルエンザ拡大による飼料需要の減少観測が弱材料。立会時間は、2.00セント安で寄
り付いたあと、377.25セントまで強含んだが、戻り売りが優勢になって時間外取引の安値を下回った。時間外取引の弱基
調を引き継いだあとも、輸出に対する悲観的な見方が圧迫した。昨日の週間輸出検証高は減少、本日は中国がウクライナか
らコーンを買い付けたとの報が追い討ちをかけた。鳥インフルエンザがカンザス州でも確認されたため、家畜の飼料需要へ
の悪影響が懸念された。大豆や小麦の下値追いも弱材料。2月の安値(373.75セント)を下回って年初来安値を更新、テ
クニカル売りを誘って昨年10月21日以来の安値となる370.00セント(9.00セント安:2.4%)まで値を消した。
今日の材料
・ブラジル産地は、おおむね生育に適した天気が続き、雨による収穫遅れもない。
・アルゼンチン産地は、熱波で作物のストレスが高まるが、木曜夜から恵みの雨。
3月17日のシカゴ大豆5月限は▲14.75セント安の954.50セント。5月限は、前日安値を下回ったあと反発したが、原
油急落で反落に転じた。産地の一部で天候不順が伝えられるものの、南米の収穫進展による供給増加が圧迫、米国の鳥イン
フルエンザ拡大で飼料需要の減少懸念が嫌気され、年初来安値を更新した。中心限月の5月限は、時間外取引を973.00~
965.25セントのレンジで推移し、前日比3.00セント安の966.25セントで引けた。5月限は、安寄りして前日安値
(967.50セント)を下回ったあと、押し目買いで反発したが、原油相場の急落で序盤の安値を下回った。鳥インフルエン
ザがカンザス州でも確認されたため、飼料需要に対する懸念が広がった。 立会時間は、2.75セント安で寄り付いたあと、
968.00セントまで回復したが、戻り売りが優勢になって時間外取引の安値を下回った。南米の収穫が本格化するなか、
コーン・小麦の下値追いが圧迫、鳥インフルエンザの拡大で飼料需要に対する懸念が広がり、大豆粕が急落したことも売り
を誘った。最近のアルゼンチンの洪水で大豆最大250万トンに被害との見方や、ブラジル最大生産州のマトグロッソ州で今
後10日間、豪雨が予報され、収穫遅れや品質低下が懸念されるなど、天候プレミアムを増やす要因もみられたが、ファン
ド筋の売り攻勢で1月30日の安値(961.75セント)を下回り、年初来安値を更新した。時間外取引に比べ、原油が持ち直
したものの、ドルが反発に転じたことも売りを誘い、昨年10月13日以来の安値となる953.50セント(15.75セント安:
1.6%)まで値を消した。
今日の材料
・ブラジル産地は、おおむね生育に適した天気が続き、雨による収穫遅れもない。
・アルゼンチン産地は、熱波で作物のストレスが高まるが、木曜夜から恵みの雨。
(つづく)
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3月17日のシカゴ小麦5月限は▲10.50セント安の503.50セント。小麦は急反落5月限は、買いが先行して前日高値
(515.75セント)を突破し、518.00セントまで値を飛ばした。テキサス州の作柄は「良」以上が1ポイント上昇したが、
最大手カンザス州が5ポイント、オクラホマ州が2ポイント低下したことがはやされた。ドル反落も強材料。しかしながら、
上昇が一服したあとは、大豆・コーンの下値追いが圧迫、米プレーン南部の降雨予報や原油相場が急落したことが嫌気さ
れ、503.00セントまで値を消した。時間外取引で下落したドルが反発に転じたことも弱材料。大豆・コーンの下値追いで
浮上のきっかけがなく、本日の安値圏で引けた。ファンドは4000枚の売り越し。
TOPICs 南米の天気
南米産地の天気概況は以下の通り(民間気象会社の天気概況及び予報を要約。ブラジル産地北部はマトグロソ州、マト
グロソ・ドスル州、南部はパラナ州、リオグランデ・ドスル州、アルゼンチン産地はコルドバ州、サンタフェ州、ブエノ
スアイレス州)。
ブラジル産地北部は過去24時間、おおむね乾燥した天気となり、気温は26~31℃だった。火曜、水曜は3~15ミリの
雨が予報され、気温は26~32℃となるだろう。木曜から土曜はにわか雨や雷雨が予報され、気温は平年並みから上回る
だろう。
ブラジル産地南部は過去24時間、おおむね乾燥した天気となり、気温は26~35℃だった。火曜、水曜はおおむね乾燥し
た天気が予報され、気温は26~35℃となるだろう。木曜はパラナ州で晴れときどき雨、金曜、土曜はにわか雨や雷雨が
予報される。気温は木曜が平年並みから上回り、金曜、土曜は平年並みから下回るだろう。
アルゼンチン産地は過去24時間、おおむね乾燥した天気となり、気温は29~31℃だった。火曜、水曜はおおむね乾燥し
た天気が予報され、気温は29~33℃となるだろう。木曜はおおむね乾燥した天気、金曜はにわか雨、土曜は雨が上がる
だろう。木曜の気温は平年を上回るが、金曜、土曜は平年並みから下回るだろう。
南米の降雨地域
南米の気温
Intellicastによる日本時間正午の南米の累積降雨量と気温及び大気の動き
エルニーニョなし
南米の大気の動き
3
百万トン
Topics
ブラジルの生産状況(大
ブラジル農業顧問のサフラスは13日、同国の
2014/15年度大豆生産が9440万トンになるとの見通
しを示した。1月時点での予測9500万トンから引き下げ
たが、理由は明かしていない。下方修正でも前年比にす
ると9%の増加で、作付が前年を5%上回ったという。
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
82
アルゼンチンのブエノスアイレス穀物取引所は12日
付クロップレポートで、同国の 2014/15年度大豆生
産見通しを5700万トンで据え置いた。コルドバやサン
タフェ、サンチャゴ・デル・エステロの広範囲で洪水被
害の度合いを判断しにくい状態にあるこ とを指摘しな
がら、イールドが過去平均を上回る地域があることか
ら、過剰水分の影響を多少抑えるかもしれないとの見方
を示した。取引所は前収納報告で降雨の影響を 理由
に、数週間後に生産見通しを下方修正する可能性を示唆
していた。
米国産大豆の作付面積
83.7
80
75.0
86.05
77.276.5
70
60
97.2
90.0
79.6
80.0
70.0
60.0
91.9
88.2
57
40.1
32
20
10
0
大豆の15/16年度作付面積予想
米穀物調査会社アレンデールが国内30州生産者の作付計
画をまとめた結果、米国の 2015年大豆作付が8605万
2000エーカーと過去最高を更新する見通しとなった。前年
に 記録した過去最高の8370万1000エーカーから増加、
米農務省(USDA)が2月の年次フ ォーラムで発表した
8350万エーカーの予測も上回った。
一方、コーンの作付は前年の9059万7000エーカーから
8850万8000エーカーに減少、 2010/11年度以降最小
を記録する見通しとした。USDAによる2月時点での8900
万エーカ ーも下回った。
小麦の作付は5667万8000エーカーを見越す。前年から
14万4000エーカー増加だが、 USDAの見通し5682万
2000エーカーには届かない。このうち冬小麦の作付予測が
前年比 194万7000エーカー減の4045万2000エーカー
になり、USDAの4239万9000エーカーも下 回る。半
面、春小麦は1450万3000エーカー、デュラム小麦が172
万3000エーカーで、 いずれも前年やUSDAの予測を上
回っている。
小麦の作付面積
百万エーカー
93.6
54
49.3
30
米国産トウモロコシの作付面積
100.0
アルゼンチンの大豆の生産量
49
Topics
90
56
66.5
54.5
50
40
94.4
57.8
60
アルゼンチンの生産状況(大豆)
94.5
86.7
75.3
69
百万トン
Topics
ブラジルの大豆の生産量
95.4
90.6
88.5
64.0
62.0
60.0
58.0
56.0
54.0
52.0
50.0
48.0
56.2 56.856.7
55.3
54.4
4
TOPICs
中国の油糧種子
by
USDA
Gain Reort
2015年3月3日
中国は世界の大豆の65%を輸入し、米国の大豆生産量の3割を消費している
中国は13/14年度において世界の油糧種子市場で巨大な存在感を示している。ことに大豆においては、世界の65%
を輸入し、米国の生産量の30%を消費している。2013/14年度は7,560万トンの油糧種子を購入している。14/15
年度はおそらく7,730万トンの輸入となり、15/16年度には8,220万トンとなるだろう。都市化が進み、食の近代化
や肉食の増加により油糧種子の消費量が増加するものと思われる。15/16年度の中国の油糧種子の消費量は1億3,700
万トンと見込まれる。大豆だけで14/15年度は7,300万トンを輸入し、15/16年度は7,750万トンになるだろう。中
国国内な産物の輸入である。
概況
中国の油糧種子生産量は、耕作に適した土地が限られていることと穀物生産を優先する農業政策により引き続き制限さ
れるだろう。中国の油糧種子作付面積は▲2.2%減少して2340万ヘクタールとなると予想される。15/16年度の油糧
種子生産量は▲2.6%減の5,550万トンとなる見込み。政府の方針の変化により綿花の収益が落ち込む見込みのため、綿
花種子の生産量は▲110万トン減少すると思われ、また大豆と菜種も14/15年度の収益性が悪かったことを反映して
15/16年度の生産は少し減少する見込み。
国内生産が限られるため、大豆と菜種の輸入量は増加するだろう。15/16年度の合計油糧種子消費量は、食肉や海産
物、野菜油消費量の増加により1億3,730万トンと見込まれている。また肉食と、養魚業の増加により飼料工業の増産に
より圧砕需要も増加することも輸入量の増加の原因となっている。
15/16年度の輸入量は8,220万トンと見込まれ、その内大豆が7,750万トンと14/15年度の7,300万トンから増
加する。15/16年度の大豆の輸入量は、05/06年度の2,830万トンからこの10年間で3倍になっている。中国の米国
からの大豆輸入量は13/14年度は前年比+500万トン増の2,700万トンであったが、中国の大豆輸入量の38%を占め
ている。15/16年度の米国からの輸入量は2,900万トンに達すると思われる。これも05/06年度の3倍になる。米国
からの輸入は南米から輸入との競争になっている。
中国の主要油糧種子国内生産量
ひまわり
綿花
菜種
ピーナッツ
大豆
中国の主要油糧種子生産の収益
1
ヘ
ク
タ
ピーナッツ
ー
ル
当
た
り
人
民
元
大豆
菜種
Source: 2013 National Agricultural Product
Production Cost and Profit from National
Development and Reform Commission (NDRC)
Notes: Exchange rate in 2013: $1=RMB6.2. Excludes
5
黒竜江省の大豆作付面積とその収益
コメの収益
トウモロコシの収益
大豆作付面積
大豆の収益
Source: NDRC and MOA
Note: Excludes Labor Income
菜種
国家の最低買い上げ価格
大豆
Source: State Grain Administration;
2014 soybean price is “target price”
2013年
大豆の卸売価格
2014年
Source: China JCI Consultant
Exchange rate in 2013: RMB6.2 =$1.0;
2014: RMB6.15= $1 Soybean
中国の大豆輸入国
その他
過去10年間の大豆の輸入量
百万トン
12/13年度
13/14年度
14/15年度
米国
ブラジル
アルゼンチン
ブラジル
22.07
37% 27.04
38%
29.15
49% 32.92
47%
アルゼンチン
5.27
9%
7.14
10%
1.05
5%
3.26
4%
その他
59.86 100% 70.36 100%
合計
米国
Source: World Trade Atlas; * MY14/15
estimate by FAS/Beijing
28
38%
45
62%
73 100%
6
中国の推定圧砕量(百万トン)
Source: CNGOIC
Note: Includes crushing for oil and meal
中国の地域別推定圧砕量(千トン)
山東省
江蘇省
広東省
広西省
遼寧省
天津
浙江省
福建省
河北省
吉林省 黒竜江省
その他
Source: CNGOIC
中国の5ヵ年計画における動物
及び飼料生産目標
今後の予想
百万トン
2015年
2010年
平均年率
食肉合計
85
79.2
1.16
卵
29
27.6
0.28
ミルク
40
37.5
0.5
飼料工業
200
162
7.6
Source: MOA
米国産トウモロコシも大豆も過去最大の生産量で豊作が確定しており、南米の生産量もほぼ予想通りとなっており、こち
らも豊作が確定している。市場の注目は今月末の15/16年度の作付面積に移っているが、アレンデール社の予想では、大
豆が大幅に増加してトウモロコシと小麦の作付面積は減少するというものである。これが本当であるなら、大豆価格は緩
み、トウモロコシと小麦は堅調となるかもしれない。中国の大豆消費量は増加の一途であり、すでに消費量、輸入量とも
2005年の3倍以上になっているというが、米国からの輸入もブラジルに次いで多い。来年度も需要は増加する見込みのよ
うである。
端境期でもあり、当面穀物価格に大きな変動はないだろう。
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