東日本大震災から4年を迎えて 東北地方整備局 青森港湾事務所長 佐溝

東日本大震災から4年を迎えて
東北地方整備局
青森港湾事務所長
佐溝 圭太郎
平成 27 年3月 11 日で未曾有の東日本大震災から4年が経過いたしました。
震災で亡くなられた方々に改めてお悔やみを申し上げるとともに、被害に遭われた
方々にお見舞いを申し上げます。
また、今なお厳しい環境下で過ごされている多くの避難されている方々が一日も早
くふるさとでの生活ができるよう心からお祈り申し上げます。
<東日本大震災時に青森港が果たした役割>
青森港は陸奥湾の湾奥にあるという地理的優位性から、太平洋側や日本海側の港湾
と比べて津波に対するリスクが小さく、東日本大震災時においても津波で被災した太
平洋側港湾の代替機能を果たし、被災地向けの緊急物資輸送や救助・支援活動の拠点
としての役割を果たしました。
<青森港BCPに基づく地震時の港湾機能の継続>
青森港では、東日本大震災の教訓を踏まえ、災害時においても港湾機能を継続する
ための港湾機能継続計画(BCP)を平成 25 年度に策定いたしました。
港湾BCPとは、災害時に効率的かつ効果的に港湾機能を復旧するための手順や港
湾関係者の行動計画をとりまとめたものです。
現在、青森港BCPに基づく取組は次のステージに移っており、更なる実効性を確
保するために、継続的な訓練を実施し、課題の整理と改善を進めております。
<地方創生と北東北の広域防災拠点に向けた青森港の取組>
東日本大震災における太平洋側港湾の代替機能の発揮やクルーズによる観光需要
の高まり等、青森港を取り巻く社会経済情勢等の変化を踏まえ、20∼30 年後の将来像
やその実現に向けた基本戦略等について、地方創生の取組と相まった地域経済の維
持・発展や太平洋側・日本海側被災時の代替機能の確保等を目的とする「青森港ビジ
ョン」として、先月2月にとりまとめました。
「青森港ビジョン」を推進し、産業立地や新たな貨物に対応した物流拠点を創造し、
青森県や東北地方の地域経済に貢献していくとともに、将来的に起こる可能性がある
様々な災害に対して、青森港が北東北の広域防災拠点として、しっかりと機能が果た
せるよう、総合的なハード・ソフトの対策に取り組んで参ります。
<結びに>
青森港湾事務所としても、地域経済や東北の方々の生活を支えるため、地域の皆様
と連携して取り組んで参る所存ですので、引き続きご支援とご協力の方、よろしくお
願いいたします。
【青森港が果たした太平洋側港湾の代替機能】
(単位:百万トン)
40
35
外航
青森港の取扱貨物量
太平洋側港湾の代替機能
による貨物量の増加
30
内航
25
(自動車航送船除く)
自動車航送船
出貨
20
15
10
入貨
5
0
H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H25 H26
【青森港が被災地向けの緊急物資輸送や救助・支援活動の拠点として機能】