ICT の活用推進 - 新潟県立教育センター

「ICT の活用推進」分科会
「ICT の活用推進」
テーマ
~タブレット端末の活用についての実践事例から見えてきたこと~
(分科会参加人数42人)
1 調査・研究について
県立教育センター指導主事
山下
幸治
昨年まで、ICT 機器の活用について調査・研究を行ってき
たが、今年度は、タブレット端末の活用に着目し、調査・
研究したことを報告した。小学校や中学校に比べて、県立
学校では ICT の導入が進んでいないが、ICT の活用について
調査・研究することで、広く推進していくための足掛かり
になる。電子黒板や、実物投影機等様々な ICT 機器がある
が、タブレット端末には多くの活用方法が想定されるため、あえて導入数の少ないタブレット端
末を調査・研究することにした。タブレット端末の活用によって、今までにない学びや協働学習、
学び合いなどの効果が期待できる。この効果について実際に実践していただいた教員研修モデル
カリキュラム開発プログラムで研究協力員である小・中・高・特別支援学校から4名の研究授業
を紹介する。
2 実践発表
・実践発表①「タブレット端末を活用した授業実践」
関川村立関川小学校
阿部 順延 教諭
(概要)関川小学校は、NTTが取り組んでいる「教育スクウ
ェア×ICT」事業を行っている学校であり、昨年度もその取組の
実践発表を行っている。今回は、授業におけるタブレット端末と
授業支援アプリ「テックキャンバス」を活用した算数の授業の取
組を発表した。児童は、1人1台のタブレット端末(Windows8 のタブレット)があり、阿部教
諭はインタラクティブホワイトボード(IWB)とテックキャンバスを活用することで、児童の興味
・関心を高め、思考力・判断力・表現力の育成のため効果的に活用する様子が紹介された。ま
た、児童がそれぞれ考えた面積の求め方を発表し、お互いの考えを共有する姿が紹介された。
・実践発表②「協働学習を通して『科学が好きな子ども』を
育てる探究活動の構想と評価」
上越市立城北中学校
大崎 貢 教諭
(概要)城北中学校の大崎教諭は、パナソニック教育財団
の公募により活動費をタブレット端末(iPad)の購入資金に充
て、タブレット端末を活用した授業実践を行った。今回は、日
食・月食の授業で活用事例が紹介された。グループで1台のタ
ブレット端末を活用し、協働学習を行うことで、生徒の理解力
が高まる取組が紹介された。カメラアプリを活用して地球や月の位置関係を探った。ここで体
験で得たことをタブレット端末でまとめて、他のグループにプレゼンテーションを行った。タ
ブレット端末を活用したグループ活動において探究し共有することで、学習の理解がより深ま
っている取組事例であった。
・実践発表③「iPad を活用した研究授業の実践発表」
県立柏崎高等学校
新保 隆 教諭
(概要)県立柏崎高等学校は、昨年タブレット端末(iPad)
を20台導入している。この活用について、どのような活用方
法があるのか各教科で模索している。今回は数学の新保教諭が
数学Ⅰの「円に内接する四角形」の授業で、タブレット端末を
活用した授業実践を発表した。ここでもグループに1台のタブ
レット端末を活用して、協働学習を行っている。グループ内で、付箋アプリを利用して問題を
作成し、解法を共有するのがねらいである。ネットワーク関係のトラブルがあったことも紹介
され、ICT を活用する場合必ず直面する問題点に触れて、その対処方法について、また、タブレ
ット端末を活用した生徒の真剣な取組について紹介された。
・実践発表④「特別支援学校における ICT 活用実践」
県立江南高等特別支援学校
阿部 淳一 教諭
(概要)江南高等特別支援学校でもタブレット端末(iPad)を
10台導入している。無線LAN環境を構築してあり、インター
ネット閲覧やメール等いろいろな場面で活用している状況が紹
介された。今回は、総合学習の場面で、修学旅行の振り返りビデ
オを作成するという取組が紹介された。この授業でも協働学習を
行うことで、生徒同士のコミュニケーションが深まった様子が見
られた。また、様々なアプリを活用して生徒が学んだり、考えたり、表現したりする道具の一
つとして利用することで、特別支援が必要な生徒にも効果的であることが紹介された。
・実践紹介「保健体育におけるタブレット端末の活用について」
県立柏崎高等学校の保健体育の授業を参観したときの様子を、
ビデオに編集したものを紹介した。「環境」の授業で調べ学習を行
い、グループごとに発表する様子がまとめられている。調べ学習や
発表で、タブレット端末(iPad)を効果的に活用し、生徒の主体的
な学びの様子が見られた。
3 参加者からの感想
・タブレット端末を授業で使ってみたいと思いました。やはり、校内に専門の方がいると勝手
が違うのだろうなと思いました。使いたくても手間、時間、指導・・・頭が痛くなってしま
います。せっかく校内にあるので、まずは挑戦!!いい足がかりになりました。
・各研究校における実践が進んでいて驚いた。今後は、自校(高校)でも少しずつ活用できる
ようにしていきたいと思った。
・実践発表、大変参考になりました。より多くの学校での実践のためにも、資金や設備の援助
を拡大して頂きたいです。
・城北中大崎先生の実践で何もないところで自ら手を上げ、タブレットを導入したことが素晴
らしいと思った。「機器がないから」と導入を待つのではなく、自分で道を切り開いている。