病院情報システムを活用して、 診療録管理体制加算1をとろう!

病院情報システムを活用して、
診療録管理体制加算1をとろう!
8班 診療録管理・医療情報グループ
関口、杉澤、原、數藤、大堂、塩飽、木村、田村
現状分析と問題提起
平成26年度診療報酬改定により、診療録
管理体制加算1(100点)が新設された。
しかし
退院時サマリ作成率・人員配置・迅速な入院
患者の疾病統計作成等の基準の厳格化により、
実際に本加算を算定している国立大学病院は
約3割と少ない現状にある。
今回は病院情報システムを活用して、本加
算を算定する為の環境整備を提案する。
算定要件
退院時サマリとは・・・
入院期間中の経過、
治療内容等の要約
●診療録管理体制加算1(100点)
入院初日に算定
●平成26年度診療報酬改定での新施設基準
1.退院時サマリの作成率
退院翌日から14日以内に90%、30日以内に100%
2.人員配置
年間の退院患者数2,000人ごとに、
1名以上の専任の常勤診療記録管理者
うち1名以上が専従
3.入院患者の疾病統計作成
国際疾病分類(ICD)に沿った分類
企画実現に係る実施体制
医師
・サマリの作成周知
クラーク
・サマリ作成補助
診療情報管理部門
・サマリの監査および作成率の管理
・疾病統計(ICDによる疾病分類等)
人事担当
医療情報部門
・システムによるサマリ記載援助
・サマリ未記載時のアラート機能
・データ抽出ツールを用意
・専任、専従等の職員増員
施設基準担当
・加算の申請
企画実現に係る課題と解決策
課題
①退院時サマリの様式が統一されていない。
→
サマリ様式を、全診療科で統一する。
課題
②退院時サマリの未記載が多く、期日までに作成されない。
→
病院情報システムによるサマリ記載状況の管理・援助を行う。
・記載依頼法の検討(メールの利用、カルテ表示など)
・記載状況の推移等を医師にフィードバックし、意識向上をはかる。
(督促をしてもサマリを書かない医師への対応として、上級医師への依頼
や部長会等への報告。)
課題
③迅速な疾病統計を作成するツールがない。
→
必要なデータを抽出するツールがないため作成する。
(診療情報管理士が国際疾病分類(ICD)をコーディング入力できるツール)
知識と情報を共有できるよう定期的なミーティングも並行して行う。
企画実現に係る必要なこと
・各部署間の基本的能力の情報共有。
・コミュニケーションの充実。
医師
クラーク
医療情報
部門
施設基準
担当
・基本的な医学知識。
・疾病統計等の知識。
診療情報
管理部門
人事担当
実施にかかる経費の発生
システム改修
・医師のサマリ記載援助。
・疾病統計ツール。
(病院職員で準備可能なためシステムベン
ダーへの改修作業費はゼロ)
人件費
・診療情報管理士、サマリ記載補助者
(クラーク)等の増員。
費用対効果
費 用

人件費
効
4,200千円/年
(診療情報管理士1名増員と仮定)

システム改修費
0円
サマリ記載援助
(次期システムリプレイス時の仕様書に追加)
0円
疾病統計ツール

果
増 収
13,200千円/年
(内訳:DPC係数 0.0019↑
11,400千円/年
出来高 700円↑
1,800千円/年
条件:年間入院数22,000人、
加算2→1へ上位加算取得と仮定。)
(アクセス等を用いて抽出)
4,200千円/年
13,200千円/年
年間、約9,000千円の増収を見込むことが出来る。
更に波及効果として・・・
波及効果
・病院機能評価及び特定共同指導対策。(病院機能評価ではサマリ
作成率に同様の要件あり。特定共同指導ではサマリ作成率の指摘事
項あり。)
・診療情報提供書、診断書作成業務がスムーズになる。
・迅速かつ正確な退院時サマリの作成により、過去の記録を閲覧す
る事で 患者さんへの適切な医療の提供が可能となる。
・カルテ開示に耐えうるカルテ整備への足掛かり。専従の配置によ
り、サマリと併せてカルテ自体の精度が向上する。
・国際疾病分類(ICD)による正しいコーディングが可能となり、
経営分析の元データとして使用できる。
・適切なカルテ管理を行っている事をアピールできる。
・部署間の連携により、医療の知識のアップにつながる。
・部署間の連携のプロセスの確立によって、他の企画の際のモデル
ケースにすることができる。
補足資料
・診療録管理体制加算1(100点)
機能評価係数Ⅰ・・・0.0027
・診療録管理体制加算2(30点)
機能評価係数Ⅰ・・・0.0008
加算1と加算2の差
点数:70点
係数:0.0019