議案第17号 和解について 次のとおり損害賠償の請求に係る

議案第17号
和解について
次のとおり損害賠償の請求に係る訴えに関し和解することについて、地
方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第1項第12号の規定によ
り、議会の議決を求める。
平成27年3月25日提出
米子市長
件
名
野
平成24年(ワ)第78号
坂
康
夫
1
事
損害賠償請求事件
2
係 属 裁 判 所
鳥取地方裁判所米子支部
3
相手方(原告)
島根県松江市在住の個人(元米子市立中学校の生
徒)
4
和解条項の要旨
1
被告は、米子市立中学校において、平成20年1学期中において、
同中学校の当該1年生であった原告に対し生徒らによるいじめの事実
があったこと、同中学校の教師らにおいて、同年5月頃には、原告に
対するいじめを認識・把握しながら、同年6月20日に至るまで原告
の保護者である母に対し連絡をしなかったこと、同月19日になされ
たいじめを自認した一部の生徒に対し、原告の母に謝罪させるなどし
たのみで、その他の生徒の保護者らに対しては、同年7月に至るまで
いじめの事実を報告しなかったこと等の事実関係を踏まえ、いじめの
解明と撲滅のためには、教職者としての専門的裁量の下、生徒らの年
齢や成長発達段階に応じた心身の状況に配慮しつつも、本来的に生徒
らを監護教育する立場にある保護者らとの連携を重んじ、早期の段階
でいじめの事実を正確に掌握した上で、これを被害者、加害者双方の
保護者らに伝えて協議を図り、より適切な調査等の対応をなし得る余
地があったことを認め、これらにより原告及び原告の母が精神的苦痛
を受けたことにつき、本和解条項をもって、遺憾の意を表する。
2
被告は、前項の趣旨を踏まえて、被告設置の中学校において、被告
作成のガイドラインに従うことはもとより、日頃からいじめ予防のた
めの研鑚に努め、いじめが発生した場合には、その事実を正確かつ迅
速に掌握して、これを的確に米子市教育委員会に報告することが重要
であることを認識してこれを履践すると共に、被害者、加害者双方の
保護者らにいじめの事実を伝えるなどして保護者らと連携し、被告に
おいて、前記報告の内容を最大限に有効活用して、もって、学校教育
の実情や事案の内容に即した有効ないじめの早期解消に努めるものと
し、かつ、被告において、社会情勢の変化等に鑑みて、逐次前記ガイ
ドラインの見直しをするほか、いじめの予防ないし早期解消のために
取り得る方策の改善に向けて努力する義務があることを認める。
3
原告は、本件請求を放棄する。
4
原告及び被告は、原告と被告との間には、本件に関し、本和解条項
に定めるもののほかに何らの債権債務がないことを相互に確認する。
5
訴訟費用は各自の負担とする。